「J・G・バラード短編全集 2 歌う彫刻」読んだ(ちょっと前)

 読んだままに記録していない本がたまっているので、つまり細かいことは忘れつつある。ということで、なんとなくの記録を。

 薄れた記憶でも、それなりにこれはよかったなと思い出せるものをあげておく。

 「ミスターFはミスターF」

 「優しい暗殺者」

 「時間の庭」

 「ステラヴィスタの千の夢」

 「アルファ・ケンタウリへの十三人」

 「永遠へのパスポート」

 「歌う彫刻」

 「九十九階の男」

 「地球帰還の問題」

 「時間の墓標」

 あたりか。

 「ミスターFはミスターF」は「あなたの人生の物語」みたいなものだが、こちらのほうが好きだ。ヴァーミリオン・サンズものは、やはりどれもよい。「アルファ・ケンタウリへの十三人」は、ある意味「カプリコン1」みたいな話。

 なんと、解説というかが飛浩隆さんだった。

 すでにして絶版のようだ・・・。

J・G・バラード短編全集2 (歌う彫刻)

 

 

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「昭和史 戦後篇 1945>>1989」を、ようやく読んだ

 購入したのはずいぶんと前かと思う。後回しにしていてすっかり遅くなった。著者の半藤一利さんも亡くなられてしまったのでこの機会にと読み終えた。

 戦前篇についてもそうだけれど、学校の歴史の授業でも近現代史になると時間が足りないから「あとは教科書を読んでおくように」くらいにしかいわれず、結局きちんと学ぶこともないままに過ぎていたのが自分たちの時代。今もそうなのかは知らないけれど、おそらくはそう変わっていないのではないかと想像はされる。

 どこかの国のようにことさらに自国をほめそやし、特定の他国を貶めたり反感をもたせるような教育を充実させているようなことよりはよいのかもしれないけれど、そうしたことすら知らないままに過ごして逆にその国のプロパガンダを信じるにいたるケースも見られるような近年では、やはりきちんと学ぶことは必要なのではないかなとは思う。

 もちろん、ここで書かれたことだけがすべてで、正しいという保証はないと思うほうがよいのかもしれないし、少なくともそのくらいの気持ちで読んでおくべきかもしれない。より多くの信頼に足る情報を得て自分の判断をする。とはいえ、この本は一定の信頼に値すると個人的には思っているが、まあ、そう思いたくない人の存在というのもある。だからこそ、余計にこうした本にも触れておく必要はあるのだと。

 戦後篇だけに敗戦後の処理のあれこれなどが各種資料や証言などをもとに検証されていてよい。そして、昨今の日本や世界がどんどんそうした邪な世界になりつつあるようでよろしくないという恐怖も感じる。

 講演録の文字起こしということのようなので、平易な語り口も相まって比較的読みやすく接しやすい書物といえるので、昭和史の入門としては好適な一冊なのではないかなと。

昭和史戦後篇 (平凡社ライブラリー)

 

 

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「図南(となん)の翼 十二国記 エピソード 6」読んだ

 「風の万里 黎明の空」につづくお気に入り。陽子の時代で一番長く王位にあるのが雁(えん)王。つづく長さの 100 年以上だったか治世する恭国王・珠晶(しゅしょう)。若き(見た目)女王でありながらその長い治世をもたらすはじめとなる王にたつために旅するロードストーリー。

 少女時代にすでに王は斃れていて国は乱れており、しかし大人たちは誰も王にたとうとしない。豪商の娘であったがゆえに特に不自由のない生活ではあったものの、使用人たちの生活の実態を知ってなにかわだかまりを覚える。

 やがて、大人がだらしないならわたしが王になるしかないと昇山(しょうざん)を決意。家の金と奇獣をくすねて旅立つ。途中奇妙な仲間を得て逢山(ほうざん)を目指すが、簡単な道のりではなく金を奪われそうになったり命を危うくしたり。なんとか逢山にたどりついたところで魔物の棲む世界は想像以上に恐ろしい場所でたやすくはない。

 そんなくだりを時にコミカルに、時に哲学的に描き出していて実に読ませる。最後の叫びは実に当然でもあるが、まあ、それは今このときだからそうであったのであって、彼女が生まれたときにはそうではなかったのだろうと読者としては理解もできる。それでも、その叫びは実に正しい。そんなホッとした最後を迎える旅路の痛快さが実によい。

 今作だけを読んでもまったく問題なく成立する物語ではあるものの、順序よく読んでいると、「これはあの?」と気づく部分も多く、物語世界全体を補完するに十分な作品であることもまた事実。

 ぜひ、この作品はアニメーションで見たいものだなと思うのだが、もう無理なのだろうか。

図南の翼 (となんのつばさ) 十二国記 6 (新潮文庫)

 

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「エンピツ戦記 誰も知らなかったスタジオジブリ」文庫版を読んだ

 これまた読んだのは夏ころなのでちょっと記憶があいまい。舘野さんのこの本を単行本の頃に知って読もうと思っていた。で、単行本買うかと思っていたころに急に扱いがなくなってしまい、増刷を待つかと思っていたらふいに文庫化の話が流れてきたので、ではそちらを待とうと。ということで夏ころだったかに出たのを買った。

 ジブリで舘野さんがどういう仕事をしていたのかということがわりと丁寧に書かれていて、なるほどそういう作業を専門に請け負う人を用意していたか。と素直に驚いたが、しかし、これはひとりで背負うにはなかなか大変な仕事なのではという感じ。以降、ほかのスタジオでもこの体制というのが広がっているようで「動画検査」だったり「動画チェック」だったりという名前がでない作品はあまり見ないという感じになっている。

 若かりし頃のお写真などもあって、「そりゃ若手男性スタッフは落ち着かないよね、うん」と納得したりも。

 ジブリを辞めることになるいきさつにしてもその重責と負担の大きさは否めないようで、それでも、その後ササユリをはじめて後進の指導・育成に当たられていて確かな人材育成・排出に貢献されていてとてもすばらしい。

 そんな、あれやこれやを知る一端となる本書。アニメ制作の実際を垣間見るという点でも有益な一冊とはいえそう。この手はあまりないので。ベテランの人たちがもっともっとこの手の本を聞き書きでもよいので残していくべきよねとも強く思う。

エンピツ戦記-誰も知らなかったスタジオジブリ (中公文庫 た 99-1)

 

 

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「メイドさんは食べるだけ 5」買った、読んだ

 来年 2026 年にアニメ放送があるというのは知っていたけれど、まさかここへきて長らく出ていなかったコミックス続巻がでるとは。

 ということであわてて予約して購入、読んだ。

 現状では既刊分はすべて絶版。電子書籍は残っているのだろうけれどもはや増刷されることもなく続きがでることも紙ではないのではとがっかりしていたところなので朗報。

 相変わらずすずめちゃんはかわいいし、おいしいものを食べている(しかも贅沢なものでは決してない!)姿はうれしそうなのでこちらも幸せな気持ちになれる。ふっ、実にほのぼのした漫画なのである。

 アニメ化を機に既刊分の増刷がかかるのかは気になるところではあるけれど、さてどうか。ちょっとマイナーな作品なので難しいかもしれないか。あるとよいがなあ。

 アニメのほうも通常の 30 分枠ではなく 15 分枠あたりかもしれない。まあ、そのほうがほどほどともいえるので、どのようであってもよい。声も一ノ瀬加那さんというので、まずまず良い感じだし。動くすずめちゃんを楽しみに来年を待つのだ。(ほとんど我が子の成長を喜ぶ親のような心境)

メイドさんは食べるだけ(5)

 

 

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「丕緒(ひしょ)の鳥 十二国記 エピソード 5 短編集」読んだ(すでに)

 短編集ということで基本的には本編の物語とは少し離れたところにある物語群。どちらかというとこの世界というものをより確かなものにするために補完される物語。

 王に関する儀式のひとつとして作りものの鳥を射落とす儀式があり、その鳥を作ることを生業としている官の話が表題作。その儀式のふしぎな光景であったり、それにまつわるさまざまが語られていって、世界観を補うにもおもしろい。

 春ころに読んだのでちょっともう記憶があやふや。

 

 

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「ときときチャンネル 宇宙飲んでみた」読んだ

 確か単行本刊行の際だったかウェブページで表題作だけ全文公開されていたのを読んだ記憶。その時点でおもしろいと思っていたのだけれど、文庫になったというので買って読むことに。というか、まあ、すっかり忘れていたというのが正しいかもしれない。

 表題作含めて近年はやりの個人による配信チャンネルのしゃべりを再現した形で語られる SF。短編であるしライトな物語なのでなにか壮大なということでもないのに、突拍子のない発想で展開される配信なので昔懐かしいハチャハチャ SF を思い出すようで楽しい。宇宙は飲んでみるし、部屋は無限増殖していって帰るに帰れなくなるし、などなど。

 しかし、これは映像でこそ見たいかもしれない。裏世界ピクニックよりもよほどアニメにしてほしいかもしれない。まあ、ようやく二巻目がでたところなので OVA とかでもいいのだけれどな。そういう話が進行しているとよいなあ。

 

 

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「風の万里 黎明の空 十二国記エピソード 4」読んだ

 読み終えて半年くらい経ったので記憶は少しおぼろげ。とはいえ、アニメ化された部分ではあるし、中でも好きな物語ではあるのでひとまず記録。

 王にはなったもののこの世界のことが分かっていない陽子にとって、いきなり政をせよといわれても正直困惑するばかり。覚えることも多くそうでなくてもただの女子高校生でしかなかった身。そこで、一念発起して里におりて庶民の生活や、きちんとした師に教えを乞うことになる。その中で、女王を快く思わない一派による企ての渦中に引き込まれていく。

 陽子よりもはるか昔の日本から蝕によって流れ着いてしまった鈴。ことばもわからないままに辛い生活を送っていたが、なんとか仙籍を得て奉公することがかないことばの不便からは解消されたものの、虐げられる日々に嫌気がさしている。聞けば景王は自分と同じ身の上でありながら王になったという。きっと自分の身の上を理解して助けてくれるに違いないと慶国を目指す。

 北の芳国国王の娘であった祥瓊。父の圧政をいさめることもせずに贅沢三昧であったがゆえにクーデターによって身分をはく奪されてなお生きながらえる道だけはえたが、その事実を知っている預かり先で責め苦を受ける日々。やがて、実は王女であったと知れることとなり、その身を他国の王にゆだねることでなんとかふたたび生を得る。しかし、生来のお嬢様気質もあって自分がこのような待遇を受けることは理不尽であると宝を盗み逃亡。追手につかまりそうになったところを陽子の手助けをしこちらでの親友ともいえる楽俊に出会い、少しずつその気持ちに変化が生じていく。

 胎果でありながら女王になったという陽子への妬みをもっている祥瓊もまた陽子にあって恨みをはらそうと考える。そうして慶国を目指すふたりの少女(あくまでも見た目)の旅路と、いざ慶国にはいってから陽子を陥れようと画策する一団とによって大きな渦に巻き込まれていく三人三様の物語が、やがてひとつへと収斂していくさまが丁寧に描かれていて実に面白い。手に汗握るとはこのことという。

 壮大でありつつ三者三様の心の動き・変化といったものを丁寧に描き出していて単なる冒険譚だけにとどまらない感動を残してくれるというシリーズ随一ともいいたい傑作。(誉めすぎか?)

風の万里 黎明の空 (上) 十二国記 4 (新潮文庫)

 

 

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「瑠璃の宝石 1-7」買った、読んだ

 アニメを見始めて気に入ってしまったのでついつい原作コミックスをまとめ買い。最新の 7 巻も予約して届いたのは先月のこと。正直絵柄はちょっとつたない感じがあってどうかなとは思った。アニメのデザインがよすぎることの弊害と言えなくもない。それでも連載開始のころよりは2巻あたりになるとそれなりにこなれてきてまあまあかなというところに落ち着いた。

 なによりも物語の展開がよいのでそこは少し目をつぶるかという感じで。アニメのほうは原作をほぼ忠実に脚本にしているようだった。シリーズ構成のためにかなり飛ばしている。となれば最後は温泉回かという誰もが予想するであろう通りではあったけれど、ちょっと詰め込みすぎの最終話だけというのは惜しい感じ。

 その後もいろいろ展開があって、さらにはデビュー作らしい「大科学少女」の世界まで融合してくる。説明しようもお説教くさくはないのでむしろ地学入門にうってつけなくらい。

 続きがコミックスで読めるのはまた一年ほど先になるが楽しみに待つ。

瑠璃の宝石 7 コミック

 

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「ダークネス」読んだ

 新聞の書評欄で村野ミロシリーズの新刊がでたと知ったので買った。前作「ダーク」から 23 年。雑誌連載だったようなので連載開始としては 20 年の時を経てということだったらしい。「ダーク」では本当にうつうつとした物語がずっと続いていてつらくなるような体験だった記憶があって、さすがに 20 年も前では細かいことはとうに忘れていて、ただ何人もに裏切られてレイプされて身籠ってくらいしか記憶がなかった。とにかくうつうつとした展開だったような記憶だけがあった。

 で、20 年後としてはじまる物語。シリーズ続編だとあくまでも内部時間で経過していて一年後とか数年後とかだったりすることは多いというのに、実時間に合わせて 20 年後の物語。なんとか逃げおおせて沖縄でひっそりと暮らしていたミロと息子ハルオに、因果はめぐるというのか、かつての仇敵の影がひたひたと迫っていて、それもあってミロとハルオが仲たがい。かつてふたりを助けてくれたがゆえに服役しているジンホとの関係を発端としてそのほころびが次第に大きくなっていく様。

 その意味では本作もなかなかにつらいけれど、「ダーク」ほどではない。そこが 20 年という時のなせるわざなのかもしれない。ハルオはミロと別れて遺伝子的な父である山岸の一家に身を寄せるが、一家の血を引く者という以上の感情が彼らにはないし、いまだ憎しみの対象でしかない。結局、財産も体もボロボロにされたハルオと邂逅できたミロがさて、どう決着をつけるのか。

 というあたりでもはや紙数はあまり残されておらず、ある意味意外な感じで仇敵は消える(と思われるが具体的に描写されたわけではない)。そして、服役からようやく出所したジンホにまで彼らの復讐は及んだやに見える。が、そこで物語は終わってしまった。

 壮絶であったし、これはひとつの終わりではあるのだけれど、やはりジンホのこととか、山岸一家のこととか、いろいろすっきりできたらなあという展開が残ってしまったので、いずれもう一作書いてくれないだろうか、などという身勝手な願いが生まれてしまったりもした。まあ、ミロシリーズが好きなだけなのかもしれない。

 余談ながら、前作「ダーク」もこの「ダークネス」もほぼ 500 ページあまりという長さでありながら、本の厚みが 2/3 ほどに今回なっていて驚く。薄い紙を使っているのだあ。

 シリーズをはじめから再読してみようかとも思うものの、あのジメッとした降り続く雨の世界を印象づけられる作品の最後は、やはり希望のもてるカラッとした青空で読み終えたいようには、あらためて思うな。もう一作、書いてくれないかなあ。

ダークネス:桐野夏生

 

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