「海がきこえる」を読んだ
「海がきこえる THE VISUAL COLLECTION」を買った ことを受けて原作も読んでみようと買って読んだ。青春だなあ。いいね。
アニメと原作小説とでは、確かに少し違っていて、とはいえ 70 分あまりのアニメにまとめるには、たしかに大学生になって出会った先輩女性の津村さんとのこととかは省くしかなかったのだろう。ただ、原作だと東京へでてほどなく里伽子が東京の大学に行っているということを知るし、春先のうちに偶然再会もするし、夏休みの高知での同級会でも二次会ではあったが出会うしといろいろ細かいところは変わっている。
もちろん、アニメのそれはそれで実に効果的な脚本になっていて、演出も見事なので実にふたりの関係がうまく描かれている。だからこそ原作にあたってみようかと思わせるものがあったわけでもある。
複雑な事情を抱えて東京から高知へと高校二年生の二学期から転校とかは、普通に考えたらあまりうれしくない状況だろうし、そんな中でひたすらに強がっていきがってみせている里伽子の姿は、確かに不愉快に思えるけれど、精一杯無理をしていたのだろうなと後になればわかる。
はたして里伽子は、いつから拓のことを好きになっていたのだろうな、と思うけれど、古い作品だけにそういう議論であるとか、あるいは作者による解説とかはすでにでているかもしれないけれど、さて、どうなのだろう。なんとなく三年生の春、東京へ行くという計画が破綻しようとしたときに同行してくれるとなったことを受けて少しずつ変わって行ったのかもしれない。東京につくまでは違っていても、二日目はそういう気持ちが芽生えたかもしれない。
もっとも不器用なふたりなので、結局その後すれ違いを生んでしまってそのまま卒業することになるのだけれど、父親のことがあるにしても、東京の大学へと母親に嘘をついてまで進学した裏には、やはり拓の存在が大きかったのだろうなというのは、アニメのセリフでなくとも納得感がある。
アニメだと高知での同級会で会うことはなく、同級生に聞いた話から自分を追いかけて東京にでたといってもよい状況であったことを知って、東京でいつも里伽子の姿を探していたという感じで、そうしてついに再開を果たしたというところで終わったわけで、そのさわやかで小憎らしい演出が実に青春だった。
原作ままの展開というのも素敵だなと思うし、続編も思うとそういうままの展開であらたに作り直してもどうかと思わないではないが、さて。
なんにせよ、こんな青春、送ってみたかったよね。遠いなあ。
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