「青春ブタ野郎はディアフレンドの夢を見ない(青ブタ 15)」読んだ
青ブタシリーズのひとまずの最終巻。これまでのすべてが収束する思春期症候群のひとまずの終わり。
前巻「ガールフレンドの夢を見ない」から直接続く、いわば前後編の後編とでもいうべき物語。とはいえそのずっと前からときどき姿を見せていた霧島透子のなぞの完全な結末。前巻では透子という人物の正体が判明していく過程が描かれて、今回はそこから派生してくるってしまったこの世界を修復するための物語。
これまでのシリーズとしてもなかなかにハードなことになってしまったので、どう収拾がつくのかと思っていたのだけれど、どうもやはりなかなかに厳しかったのかふんわりとした解決をみただけで従来のようなすっきりさはなかった。そこは正直におしいというか物足りないところ。
これまでの数々の症候群の思い出となる場所を訪ねて回るというのは、最終巻にあってふさわしい演出ではあるものの、そこからどう決着をつけるのかというところがいささかあいまいなままに終わってしまった。解決されてしまった。
たしかにそもそもが思春期の不安定な心の動きが生み出している特異な現象という点では、その心の動きひとつでいかようにも解決できるのだ的な解もまたありえるのかもしれないけれど、そこを双葉のようなキャラクターの存在も含めてもう少し論理的な導きをしていたところが魅力のひとつではあったので、確かに少し物足りなさを覚えてしまうのはいたしかたないのではないかと。
もちろん、それで作品の価値が下がるとか落ちるとかいうことではなく、ようやく主要人物たちの明日というものが動きだしたのだなといううれしさと安心もまた感じるのは、ながらく続いたシリーズの経過を知るからこその安堵というもの。
が、で、咲太と麻衣はどうなるの、結婚しないのとか。双葉はどうなるの、とか、花楓は? とかいろいろ気になることが多すぎて、そこで終わるのか! という思いはすべての読者のものではないかと。なので、やはりそれぞれのその後のしあわせな未来を、もういい加減にしろというくらいに見せつけてくれる短編集などをひとつ来年くらいには上梓してくれないものでしょうかね? と、アニメ監督を務めた増井さんのように願うばかり。
おそらくはこの最後までアニメ化してくれる(しかも、どこぞの変なオリジナルをいれて喜ぶようなこともなく)動きは来年から再来年くらいまでかけてではあろうけれど、今はその映像化を楽しみにまだもう少し物語の終わりの余韻にひたろうかと。
短編集お願いしますよ、鴨志田さん。
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