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「魔法科高校の劣等生 12 ダブルセブン編」読んだ

 3期アニメの原作にようやくたどりつく。まずは、「ダブルセブン編」。アニメでは、ひたすら七宝がいきっているだけの物語に終始していた感なのだけれど、原作では彼がなぜそういう思想であるのかといったあたりがきちんと描かれていてよくわかる。というか、アニメは尺を詰めすぎてそのあたりがまったくカットされてしまったがゆえにただのおぼっちゃんのわがままいきり、にしか描かれていないのが惜しいと思えるくらいには。

 七宝に手を回していたのは、まあ魔法師を敵視する特定集団による計画的な動きであったのに、そのあたりがまったくでてこないのだった。冒頭、留学から戻った雫のパーティーという体で描かれるところからすでにそうしたきな臭い演出がはじまっているのにそこもないし、その後再三でてくるそうした動きや密会といったものもないうえに、あろうことか最終 4 話目で無関係の女性の拉致騒動を収めたのが達也といった展開にしてしまうなど、どうにも筋がよくない。

 原作の分量的には相当長いほうなので話数としたらやはり 6 話くらいは使わないと足りないというのが正直なところ。3 作で 13 話というしばりからちょっと抑えすぎたという感じ。七草方面であったりいろいろ展開に関わる部分が多いのにまるっとカットしてしまって本当に内容が見えてこない。

 ゆえに単純に十師族にはいろうという野望だけでつき動く七宝のやんちゃで粗暴な面ばかりが際立つ内容になってしまった。まあ、最後はほのかな恋心をにおわせるわけだが、それもまた余計なところかもしれない。

 本筋をカットしてゴシップで固めたようなものなのでどうも薄い感じになってしまった。物足りないと当初から感じていたのはそういうことだったのだなと原作を読んでから理解した。

 脚本担当は従来と同じ方であるし、作品世界をよく知っているので、あくまでも想像ではあるものの今回監督されたジミーさんの意向が大きかったのかなという感じはする。どうしても 4 話にするためには大胆なカットが必要でそうなると話が見えなくなるので、そこまで含めて修正してしまおうという。

 本当のところは知りようもないけれど、なんとも残念な感じではある。そうしたところを除けばアニメーションとしてはきちんとできていたのに、作品としてはひとつつまらなくなってしまった感。

 原作改変で原作者が亡くなった事件もあったけれど、そこまでではないにしろ良作である原作はもう少し尊重して丁寧に作ることを現場スタッフはもちろん、上の立場の人たちにも認識をあらたにしてほしいものだなと思った次第。いや、なんにも知らない視聴者が、知ったようなことを言うなと言われれば、まあその通りなのだろうけれど。

魔法科高校の劣等生(12) ダブルセブン編 (電撃文庫)

 

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