「数学者たちの黒板」を読んで(眺めて)いる
新聞の書評欄にでていたのでチェックしていたら、松崎有理さんもおすすめされていたので、ついつい買ってしまった。この手は案外初版で終わるパターン。
横長判型なのでさながら絵本のような扱いなので、そのあたりは少し不便に感じなくもないけれど、黒板写真をページにすっきり収めるためには致し方ない。そう、数学者たちの書いた黒板の写真ばかり集めた本。それぞれの内容などについて簡単な文章も寄せてもらっているので、まあ、門外漢にとってはそれを読むのが面白いというところ。板書の内容などほぼわからない。
トポロジー方面の図形とか書かれたものならば、多少は理解できるところもあるけれど、数式ばかり書かれているものはとなりの文章を読んでも、「これがそういうことを表しているというのか」と目が点になるばかり。
とはいえ、実にさまざまな数学者たちの黒板の使い方、黒板というものへの思いというのはほぼ共通していて、さらに日本産の今は亡きチョークをこよなく愛していたことにも何人もが言及していて、うれしくも悲しくもある。
また、多くの黒板が実に全体に白いというのも特徴的。きっとアイデアが浮かぶにまかせてとにかく書き連ねたいという意識が、いちいち丁寧に消してなどいられるかとばかりにざっくりと文字さえ消えれば問題ないと、あるいは手で消しているのかもしれない。そんな、真っ白な黒板に書かれた文字の列はなんとも不思議な感覚になる。
ホワイトボードでは黒板と似て非なるもので代用にはならないらしいが、黒くもないのに黒板というのも嫌だという数学者もいて、それはそれで面白い。最新のものが必ずしもよいわけではないというのは、どんな世界にもあるのだなと。
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