「それから」読んだ

 時間がずいぶん空いてしまった。久々にこのあたりを読むかとなったのは「恋雨」アニメの影響。原作には出てこないが、アニメのほうだと古書市であきらが買ったことになっているのが「それから」。そこにはさまっていたとされたのが燕の意匠のある栞なのだけれど、原作漫画のほうでは京都土産として買ってきたもの。

 せっかくなのでと読んでみることにした。が、なんだろうね、この主人公は。どうもこの時代の小説というのは、誰もかれも親のすねかじりで遊んで暮らしているような輩ばかりで、しかも、実は自分が好きだったけれど友人に譲った形の女性と再開して横恋慕、というかお互いの熱が高まってという展開。それも、ようよう終わりという頃になっていきなり急転しだす。あげく、告白された友人が父親に一切合切を手紙で知らせていて、もうお前の面倒は見ないから好きにしろといわれすべてが終わってしまったという最後。

 なんだろうね。

 それらが、ひたすらに淡々と描かれていて、もちろん随所にかつては好きだったのだなと思わせる部分はあるにしても、そこまで分別がないわけでもなかろうという風であるのにも関わらず、終盤になって急に恋慕を募らせて自滅へとひた走る。

 なんだろうね。

 実のところ、漱石を読んだのは数えるほどなのでこういうのはなんだけれど、総じてこういう感じが多いように思うのは、たまたま自分がそういうものにあたってしまっただけなのか、そもそもそういう作品が多数なのか。

 なんだろうね。

 もやもやする読後感なので、あきらが読み終えていたとしても、きっとよくわからなかったとか、「なんて身勝手な男なのだろうと思った」とかいう感想を持つのかもしれないなあ。

 で、どうやらこれは「三四郎」「それから」「門」と続く三部作(連作ではない)ということなので、やはり「三四郎」「門」も一応は読んでみるべきなのか、どうなのか。

 なんだろうね。

 

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「ミネルヴァ計画」読んだ

 いよいよシリーズ最後、5作目の「ミネルヴァ計画」。分冊はされておらず 550 ページあまりとなかなかに長い。二章立てにはなっているが、一章のほうがやや長い感じの 300 ページくらいだったか。

 物語としては、ハントのもとに異なる世界線のハントから通信がはいるというところから。多元宇宙の存在とそことの通信方法を模索するという展開でほぼ一章が終わる。長い。方法は一応確立するのだが、無限にもあるであろう多元宇宙のどことつながるかは特に指定はできない。そもそも、その区別をどうつけるのかがわからない。けれどもその到達時間というか、時点というかをおおざっぱに指定することは可能になるという展開。無茶は無茶だが、まあ SF なので多少の誇張は必要だ。展開の上では。

 そうして以前地球を観測していて地球人は武装を強化していて非常に危険だという嘘の情報を送っていた一段を姦計にはめて結果として彼らが五万年前のまだ破壊されていないミネルヴァのある世界にたどりついているということがわかっている(なぜだったろうか?)。そして、彼らがそそのかすことでルナリアンは好戦的人種となったみたいな展開から、これを阻止しようという話になった。

 とはいえ多元宇宙なのだから無数に同じ世界が存在していて、そのどこにたどりつくかもわからないのに、その世界を修復したところでほかの世界はどうなるのか。ある宇宙での変化が他の宇宙に多少なりの影響を与えることはあるのだろうという考えではあるが、それにしてもとは思う。

 で、まさに転換点の事件が起きるというその場に到達したというあたりから手に汗握る展開がおこるのが二章の中盤くらいからか。そのあたりからはなかなか面白い。絶体絶命という場面をどう転換するのかというあたりもなかなか面白い。ただ、それでもたまたまその世界を変更してそれでどうなるのだ? という疑問は尽きない。

 前作でいい関係になったと思ったジャーナリスト、ジーンは名前すらでてこない。結局色恋には縁がないというハントにしてもなんだかなあという感じがしないでもない。

 とにかく一章が長すぎる。くだくだと理論の議論ばかりで延々と展開されてこれはさすがに飽きる。ここを半分にしていたらもう少し展開にスピードもあってスぺオペとしてもよかったのではないか。いや、これハード SF というよりは、すっかりスペースオペラだなという感じなので、やはり議論の場面はもう少しコンパクトにしておかないと展開がのんびりしすぎてしまう。面白くはあるけれど、やや蛇足という感じになってしまったのは、残念な感じがした。さすがに著者が亡くなっているので、よほどでない限りは続きがでることもないので、もう安心してもよいのだろう。

ミネルヴァ計画 (創元SF文庫)

 

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「内なる宇宙 上・下」読んだ

 J.P.ホーガンの「星を継ぐもの」のシリーズ4作目。発行そのものは 2000 年以前だったが、気づいていなかったか、はたまた当時としてはもはや興味がなかったかで知らずにいたもの。今回5作目の「ミネルヴァ計画」を買うにあたって一緒に購入。翻訳は同じらしいが新版ということらしい。上下巻ということで総ページは 700 ページを超えるくらい。長かった。

 今回は内なる宇宙といっても J.G.バラードのようなインナースペースというわけではなくて、どちらかというとコンピュータシミュレーション内に発生した生命体社会とでもいう感じ。そちらの電子的な自我が、とあるコンピュータを介したサービス経由で実体のある生命の体に侵入してしまうといったもの。

 もっとも、そうした事実が解明されるのは下巻のほうになってからであり、上巻での展開というのはいまひとつもっさりしたものでもあるし、状況描写が延々続くという感じなので面白みはあまりない。技術的な議論だけで延々と展開したりというのは、この作品全体に通じていえるものだけれど、それにしても延々と続いて少々嫌になるくらい。

 なので、上巻は半分くらいカットしていたらもっとよい読書体験ができたであろうに、とは思った。

 一方で、デジタル生命のほうとの決着については案外あっさりしていて、しかも、それも命であるからと削除するでもなく、義体を用意しようという決着になるのだが。

 下巻に関してはそれなりに面白いけれどやはり上巻はほぼ不要というくらいではあるな。長かった。いいように使われた女性ジャーナリスト・ジーンが気の毒だ。そのまま主人公のハントといい関係になりそうだったのに続刊では名前すら出てこないのだから。

内なる宇宙 上【新版】 (創元SF文庫)

 

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「九龍ジェネリックロマンス 1-10」読んだ

 アニメの放送前にとひとまず 1 巻と読んでみたら面白かったので一気に既刊 10 巻まで。「恋は雨上がりのように」の作者の次の作品で気にはなっていたのだけれど、なんとなくそのままにしていた。

 当初は九龍地区でのラブロマンスとサスペンス的なものかと思っていたら、割と早い時期に SF だと知れた。クローンとか言い出して、なるほどと読み進めると、どうやらそうではないらしいと分かってきて、ファンタスマゴリア方面らしいとわかってなんじゃそりゃとなる。今、ここ。

 謎、そのものは、どうもあっさり明かされてしまうし、おおむね年一冊くらいの刊行ペースにしては次巻が半年ほどのこの4月に出るというところを見るとそろそろ完結なのかという感じもするが、連載は追っていないのでわからない。アニメにしても 12 話とすれば途中を多少端折って結末までいけないことはないだろう。さて。

 余談ながら、「恋は雨上がりのように」のアニメは連載中(まもなく完結というころ)で放送されたため、結末のおおむねの傾向だけを反映してのオリジナルで終わった。けれど、原作のその後の展開がとてもよいし、さらにはその先のふたりが思い描ける部分もあるので、そのあたりだけ OVA にでもしてくれないかなあとずっと思っている。今回たまたま見直して、読み直していっそうその思いを強くしたのだが、現状の業界ではつまみ食いにしか興味がないので無理なのだろうなあと悲しく思うのみ。「やがて君になる」だって、あれで終わりはなかろう? やれやれな業界ではある。

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「巨人たちの星」再読

 ようやく三作目。当時としては三部作とされて、これで一応終わりのはずだった。とはいえ、訳者としても、内容としても少しつづきを残した終わり方なのでいずれはという感じはあったのかもしれない。実際、のちにでたわけだ。

 前の二作に比べて圧倒的に分量が多く 460 ページあまりある。ところが、巨人たちの宇宙船が向かった巨人の星方面との交信に絡めての話が延々と続く。種族も急に色々増えてしまい、実のところよくわからなくなる。おおざっぱにいえば巨人たちのほかに月で進化した人類(地球人と同類)が地球に行って地球人となったが、そこから分かれて同じような種として別の進化をとげて巨人たちと肩を並べている種もあるらしい。さらに、ミネルヴァを破壊したように地球人は粗暴で危険な種なので監視が必要だということからかれら(地球種別人類)が監視を行っていたと。

 しかも、科学技術ははるかに進化していて、現地にいなくてもそこにいるかのようないわばバーチャルの交流・通信が可能。またマイクロブラックホールを使った瞬間移動が可能になっている。

 で、なぜか巨人たちには地球人は軍事力を増強していてまたぞろ危険な行動にでそうであるから排除したほうがよいといった報告をあげているのだが、なぜそんなことをしているのかが不明。しかも、どうも地球にも彼らの仲間がいるらしいということはわかってくる。

 一方で、独自に巨人たちと通信を行って秘密裏に会うことに成功するハントたち。という展開であれやこれや政治的なこととかで延々と 300 ページすぎまで続く。ちょっと疲れる。

 360 ページあたりからにわかに動きだして、地球人にまぎれて監視している地球種別人類が暗躍していることがわかってきたり、さらには武装はないがはったりで反撃しようとしたり。最終的には彼らは逃げようとしてなぜか過去のミネルヴァに到達してしまうという展開。しかも、当時のミネルヴァのありえない技術進化はこのためだったとかいいだす始末で、さすがにそれはちょっとという感じの展開になってしまった。こういう鶏が自分自身となる卵を産んだみたいなネタにしてしまうのは筋がよくないと思うのだけれど。いや、多少読み飛ばしたのできちんと理解してないだけなのだろうか?

 いずれにしてもそこで終わる。当時の三部作。つづきは、当然あるよねえという終わりではあった。ということで「内なる宇宙」へとようやく進もう。

巨人たちの星【新版】 (創元SF文庫)

 

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「ガニメデの優しい巨人」再読

 「星を継ぐもの」に続く二作目。こちらも 1982 年ころの刊行なのでおよそ 40 年ぶりくらいの再読。

 とりあえず月の謎とおぼしき解釈や、発見された種族とかのもろもろがある程度解明されつつあるというところから、今度はガニメデの調査に行ってこいといわれる主人公。で、それなりに技術の進歩はあるとはいえ数か月程度の時間はかかる宇宙移動。到着して氷づけの巨大な宇宙船を目の当たりに。なぜか地球の生物とおぼしきものがあったりとか、推進機構は未知のもので解明できないとか、それでもあれこれと議論しつつ調査。

 そうこうしているうちに謎の接近物体を検知して、気が付けば眼前にやってきたのは巨大な宇宙船。おりてきたのは大きな生命体。彼らのコンピュータが優秀で翻訳まで請け負ってしまうことで意思疎通がどんどん進み、いろいろなことがわかる。彼らはミネルヴァにいた種族で、生存環境の悪化から移住を検討して宇宙にでたものの戻ってきた。ただ、宇宙論的な事情で彼ら時間では数十年だが、こちらの時間では 2500 万年ほどが経過と。

 彼らが出発したのはまだミネルヴァがあるときなのになくなっていて驚くとか、まあ、いろいろ。そこで交流がしばらく行われて彼らの宇宙船を修理したり(といっても地球人にとって進歩しすぎた技術をそのまま開示することをよしと考えなかったので協力を得ただけで実際には彼らが修理)、あれこれ情報交換したりして議論。

 はては、地球にこないかという話になってこぞって地球訪問。彼らのための特別区のような場所をスイスに用意し、半年あまり彼らと世界との交流がもたれ、彼らは種族が移転したと思われる星へ向かうことを決めて別れる。というあたりまで。

 たしかに優しい巨人族だった。まあ、でも、それだけといえばそれだけ。

ガニメデの優しい巨人【新版】

 

 

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「星を継ぐもの」再読

 なにやらシリーズ最終という「ミネルヴァ計画」というのが出たとかいうので、そうなのかと調べてみたらどうやら「内なる宇宙」も読んでいなかったとわかったのであわせて買ったものの、実のところはじめの「星を継ぐもの」を読んだのは刊行当時なのですでに 40 年あまりも前。噂ほど面白かったという印象がなく、ましてこうも昔では覚えていないので、はじめから読み直すかということで読むことに。

 月の裏側で宇宙服を着た人類と思われる遺体が見つかるものの、それは五万年以上は前というありえない過去からのもの。文字も見慣れないもので技術的にもよくわからない。一作まるまるかけてそれらの調査と考察とその結論までが描かれていた。

 途中、木星の衛星ガニメデの氷の中から巨大な宇宙船らしきものが見つかるというネタも登場はする。が、はなしの中心はほぼ地球上において月面で見つかった数々の品々の調査、研究、考察にかけられている。ということで、ある意味珍しいのだろうけれど、その考察の議論がひたすら長い。本当に長い。飛ばし読みしようかと思うくらいに長い。そして、同じ議論が繰り返される。丁寧にもまったく同じように。

 そこは、確かに苦行だ。

 鏡明の解説によれば、それこそがホーガンの面目躍如という手法のようではある。が、ゆえにそこになじめないと面白みがいまひとつということになってしまうのかもしれない。

 時を経ての今回はそこまで嫌ではなかったし、最終的な月にまつわる考察は設定を有効にするためのアイデアなわけだが、そんな展開だったろうかと思うくらいに忘れていた。そして、なかなか面白いアイデアだ。

 ただ、そこまでで本作は終わりなので少し物足りなさがあるのも確か。まあ、勢い次巻へと読み進めばよいわけではあるが。これで映像化しても物足りないだろうな。

 ちなみに新版ではもちろんなく、1982 年の 12 版。確かにやや古い感じの残る訳文だったかもしれないが、読み比べる気にまではならないかな。

星を継ぐもの【新版】 (創元SF文庫)

 

 

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「魔法科高校の劣等生 司波達也暗殺計画」1,2,3 読んだ

 一応3巻で終わりというのでまとめて。

 1 巻は達也中学三年生の時。軍のお仕事ででていたら、たまたま暗殺仕事をしていた有希という少女に遭遇してしまい、見られた以上は始末しないとということで付け狙うことになったというおはなし。実年齢は達也よりも上なのに幼女っぽい顔立ちと体形ということで女装文也にちょっと嫉妬するという場面も。結局は、達也は次元の違う強さで相手にすべきではないということにも気づくし、文也もでてきて最終的には黒羽家の僕に組織ごとなるということで、有希は個人的に文也の直属という結末。

 2 巻は達也高校二年の 5 月ころ。四葉家から桜シリーズの別系統でちょっと落ちこぼれの魔法師女子が有希のもとに派遣されて、家政婦兼修行みたいなことであれこれ仕事をこなすというお話。

 3 巻は同じく高校二年の 10 月ころ、本編だと古都内乱編あたりのはなし。文也も忙しいのでという設定。そのわりには、全巻通じて親分ということもあってときどき登場するヤミお嬢様。すっかり立派な男の娘。今度はあらたに軍で実験体にしていたクロガネシリーズというのも登場させて、最終的には仲間に入れるということで終わった。

 司波達也暗殺計画というシリーズとしては、これで終わりらしいが、このメンバーで別の話をという構想はあるらしい。個人的には、もういいかな。

魔法科高校の劣等生 司波達也暗殺計画(1) (電撃文庫)

 

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「続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー 9」読んだ

 ためないうちに記録。

 USNA からも富士山麓からも情報を得て、パラサイトを人に戻す魔法も見つかったという展開になる。富士山麓への侵入で四葉家に恨みをいだいた穂州実(ほずみ)が山梨と長野の境あたりにあるとされる四葉本家の場所(魔法でもって秘匿されている)への侵入と多少の虐殺もやむなしという行動にでる。その一役を担うのが四葉分家のひとつ黒羽貢という展開で、これまでさんざん達也を邪魔者として扱ってきたのでいよいよ反旗を翻すのかという感じで面白くなるかなと思わせる。

 事前に情報をつかんでいたので四葉はこれさいわいと本拠地を捨てることを決めて、達也たちが恒星炉プラントなどの建設に使っている新島への移転を決定。ひそかに製造してきた巨大な箱舟を使い、運び出す荷物(機器など)は達也の魔法で分解した状態で運び込み、現地で再生とまああまりにも便利すぎる。

 いざ乗り込んだもののほぼもぬけの殻状態で、さらに反撃をくらって醜態をさらすという展開。さすがに非道がすぎようということで黒羽貢が暗殺を実行。うーん、彼は本当に味方なのか反逆者なのか。

 さらには、新ソ連と大亜連合が手を結んで日本侵攻を決行。これに乗じて達也たちはフェアーのディーンが獲得した集団に対して暴動を誘発させる魔法解除のためのテストを実施。実用性を確認。というあたりまで。

 やはり、妙に世界遺跡探訪にしないで話をすすめたほうが面白いなあとは。いずれネタに困ることはあるのかもしれないけれど。それはそれ、これはこれ。

 ということで一応最新刊まで追いついてしまった。やはりライトなノベルはすいすい進む。とはいえ、ライトなものばかりではなのでそろそろ間を開けようかな。

続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー(9) (電撃文庫)

 

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「続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー 7、 8」読んだ

 うっかりしているうちにまたまた既刊を読み終えてしまいそうなので二冊まとめて。実際、そこまで特筆するようなこともなく。

 IPU が大亜連合からチベットを開放するという名目で戦闘をしかけたものの、場所が秘宝の隠されたポタラ遺跡あたりということで気が気でないと。といって達也は自由に渡航できない状況になってしまったのでどうしたものかと。軍の風間がその戦闘の観戦武官として赴くことになったということと、達也にも文民監視団のひとりとして参加を求められるもやはり大っぴらには無理ということに。

 結局は、風間たちが不意の攻撃を受けて生死にかかわるような被害を被ったことを受けて急遽現地へ飛んで救命。その後結局参加することになってなんとか秘宝に近づくとかの話。

 国内では達也への意趣返しもあって一条のもとにハニートラップをしかけるも、妹たちの女の勘によってなんとか難を避けるとか。

 USNA のほうのフェアーはというと極悪な魔法を手に入れてその実験をして世間を騒がせ、スターズのカノープス直々から救援要請を受けるとか。同時にフェールのレナからも救援要請。もう、モテモテ。大規模な暴動を起こさせる精神系の魔法に対抗したのは結局はフェールのレナの持つ魔法だったりは。

 で、フェアーの魔女ローラはなんとか捕縛したものの、首領のディーンには逃げられると。ローラはとうとう実験台の末路をたどるらしい。怖い。

 さらには、富士山麓に秘宝があるということで侵入してという話になってくる。それを守っていたのは四大権力者のひとりで、そこへ赴くさいにその邪魔を排除すべくでてきたのが、珍しく九島の息のかかった抜刀隊と、仲介となった形のエリカと幹比古ということで。とはいえそのあたりの件はわりとあっさり目。

 つづきは、次巻でという感じになった。というあたり。USNA やチベット方面での話というのは、伝記ファンタジーとしてはちょっと余談な感じなので面白みはあまりないのだった。やっぱり、このシリーズはスクールマグキスだったと思うばかり。で、現状最後となる 9 巻は国内での攻防戦で、これはまあそこそこ読ませるが、四葉無双が過ぎるというきらいは。さてさて、この先どうしたものか。

続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー(7) (電撃文庫)

 

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