「魔法科高校の劣等生 30 奪還編」を読んだ

 ようやく拉致されていた水波の奪還を果たした。長かった。が、まだ光宣は逃げてしまったのでこのあと終わりまでのどこかでボスキャラとして対決するらしい。

 USNA の領土基地に逃げてしまったので、そう簡単に乗り込むわけにもいかないと思っていたら、四葉経由で USNA の友好派とでもいうのか、パラサイトに関して排除したいと思うところと一致する権力とうまく結びつけて乗り込む算段ができるという展開。国防軍のほうへは、佐伯と直接対面してそもそもある意味口約束で協力していただけの立場だからこれで手を切ると乗り込んだら、捉えろ! とかいわれて小競り合いになるあたり。さらには後段になってさすがに佐伯の行動が目に余るということで、いろいろ手ごまをうまく懐柔して証拠固め、佐伯の息の根を止めそうな気配があったりでなかなか面白い。

 魔法師の権利確立のためのあらたな動きもおきたりして、どうやらそれがのちの「メイジアン・カンパニー」になっていくのかなという感じ。

 一条は一条で、偽りの亡命だったはずが、本気の亡命になりそうで、どうやらすっかり懐かれてしまったようで、お嫁さん候補の誕生かという挿話も。

 なんというかハーレム完成に近づいたかという読了感。

魔法科高校の劣等生(30) 奪還編 (電撃文庫)

 

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「魔法科高校の劣等生 28 29 追跡編(上・下)」を読んだ

 上下巻というボリュームなのだけれど、結局追跡という感じはさほどはなくて、実際はその他の困った事態があちこちで発生して、もうなにがなにやらみたいになる。

 上巻のクライマックスは大亜連合から偽装亡命をさせられて新ソ連の日本侵攻を正当化する理由に使われた劉の処理という名目でふたたび日本へやってくるルウガンフウと千葉修次の戦いでもってかれてしまう。

 下巻はといえば、なかなか光宣たちの潜伏先が見つけられない達也と、久島家と藤林家と。結局親族系は逃がす方向で邪魔をするという感じだし、国防軍はなにもしないけれど達也がいよいよ邪魔だなとか思い始めているし、レイモンドは狂気を暴走させつつあるし、八雲すらいったい何者? という感じでいろいろ邪魔をしはじめるし、ともうなにがなにやら。

 さらには USNA のいかれた暗殺部隊が入国していてほのかや美月を誘拐して人質とし、達也をおびき出して暗殺しようと画策する始末。エリカが異様な気配を察して防衛をしたもののほのかは誘拐されて洗脳されかけるし。その、ほのかを救出に行けば、先ごろ達也を極秘裏に暗殺しようとしていた情報部が救出に手を貸してシレっとしているし。

 ことここにいたってもはや達也を取り巻く仲間たちをひとまとめにしてハーレムにしたらみたいな話がリーナからでてきたり。いや、リーナもそのハーレムの中の人であろうにという展開が、どうも次巻ではありそうな気配であるし。

 気づけば残り 3 冊らしく、いつの間にか 30 冊あまりのシリーズが終わろうとしているらしい。怖い。

魔法科高校の劣等生(28) 追跡編<上> (電撃文庫)

 

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「大塚康生 道楽もの交遊記」をすでに読んでいた

 記録もれを。

 前作に続く二作目。大塚康生さんが残した数々の文章などをまとめたもの。今回は趣味のミリタリー関連のイラストなどもおおく収録されているし、そうした関連の話題なども多く、一作目とはまた違った形で興味深い。

 もちろん、アニメに関わりはじめたころのことなどについても、多少の重複はあるものの裏話がでてくるので、そういったところも面白い。

 日本アニメの黎明期の記録としてもこうしたものはきちんと残されて行って欲しいので、叶さんのお仕事には敬服をもって。

大塚康生 道楽もの交遊記

 

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「魔法科高校の劣等生 27 急転編」を読んだ

 スターズはかなりがパラサイトに浸食されて、危険な魔法師として達也暗殺すべしという動きを加速させることに成功し、パラサイト化していない上位軍人を意のままにあやつるといった趣で、日本への密航、作戦行動。それを察知してリーナは「達也の味方になる」と宣言して実際施設破壊作戦にやってきたスターズと交戦(というのは終盤)。

 達也の新魔法は一条に使わせるべく手配をして、大亜連合を蹴散らして日本へ侵攻しようとする新ソ連を撃破するとか。新ソ連は日本への侵攻を正当化するために大亜連合の魔法師を意図的に日本へ亡命させる手段をとるよう画策したり。光宣は水波を誘拐しようとスターズやその他の作戦の陰で手薄になったすきに行動を実施。パラサイドール多数を手ごまにして、しかも自爆させて周辺にいる一般市民にパラサイトの脅威をまき散らすという卑劣な手段だったり。そのためそちらにかかりきりで水波の護衛が深雪ひとりになってしまったり。

 ところが最後の最後で水波が、光宣にとどめをさそうという深雪を止めにはいったりでみずから拉致されるという展開に。と、まあ、あれもこれもと急転直下という展開。

 場面があちらこちらと転々とするので正直ちょっと把握に困るくらい。アニメ化の際には少しすっきりとうまくまとめてくれるとよいなあ。

魔法科高校の劣等生(27) 急転編 (電撃文庫)

 

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「魔法科高校の劣等生 26 インベージョン編」を読んだ

 レイモンドのゆがんだ野望のためにパラサイト召喚を目的として実験が行われ、希望通りにパラサイトがスターズの魔法師をはじめとしてとりつき、レイモンド自身もまたパラサイトに同化。ついには、達也暗殺こそが最重要課題だという意識で統一されて、パラサイト化されないリーナまでも邪魔だということでありもしない汚名を着せて殺害しようとするとは。

 かろうじて逃亡を手助けし、バランス大佐のはからいでなんとか日本への脱出をはかるも、それを追ってパラサイト化したスターズたちを日本へ送って大暴れを画策。

 一方で水波をパラサイト化すれば生き続けられると信じた光宣が、みずからをパラサイトと同化してもはや化け物のようになってしまい、水波をさらうために力づくでおしかけて達也たちと戦闘になったり。パラサイトスターズの先遣隊が、その身元を暴かれると彼らをかくまって仲間に引き入れたり。パラサイドールを手ごまにしようと旧第九研に押し入って祖父と対峙することになったり。

 もう、本当あれもこれもというあっちでもこっちでもというあばれぶり。

 新ソ連もなりふり構わず達也殺害を実行しようとするし、そうした動きを阻止するために国防軍があまり役に立たない現状で、結局達也とその仲間たちががんばるしかないという構図は続くのだった。そして、どこまでいっても得体のしれない八雲師匠とかも。

 とんでもない話だな。

魔法科高校の劣等生(26) インベージョン編 (電撃文庫)

 

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「魔法科高校の劣等生 24 25 エスケープ編(上・下)」を読んだ

 続いてエスケープ編。

 単純に孤立した状態から逃げ出すのかと思ったら、まあ全然違ったといってよかった。もちろん、孤立させられた状態からの離脱というものもあるにはあるが、それだけにとどまらない怒涛のエスケープ。

 USNA の技術者なのに世界征服でも狙っているのかという非魔法師が、全世界の特定の人間にあたえたいわば裏インターネットシステム。秘密の通信でさえも傍聴できてしまうようなもので、ある意味世界のあらゆる秘匿されるべき情報を盗もうという意図をもったもの。それぞれの人間が独自に手に入れようというものでもあり、また開発し、手段を提供した USNA のエドモンド・クラークによってそれらすべてをものにして自らの野望をはたそうという目的と。

 そんな金星テラフォーミング計画に優秀な(危険な)魔法師を参加させて地球のはるか彼方に追いやることで、世界の魔法力の均衡を破り、USNA の天下をわがものにという裏の目的のために孤立させられた達也の状況からのエスケープ。エドモンドの息子レイモンドが世界を動かす主役になろうとする凡人からのエスケープ。光宣の不遇の体からのエスケープ。パラサイト召喚によって汚名をきせられ日本へとなかば亡命するかのように逃げ出さざるをえなくなったリーナのエスケープ、などなど。情報満載。お腹いっぱい。

 動きだしたそれぞれの思惑のためにもう後戻りできない状況が次々と展開するという怒涛の巻。新ソ連の戦略級魔法師は、達也暗殺をもう迷いもせずに実行するし、一方で国防軍はすっかり達也と敵対することとなるしでもうなにがなにやら。最後に頼れるのは友だけなのか、というような感じに。

 この先に世界平和はあるのかしらと。

魔法科高校の劣等生(24) エスケープ編<上> (電撃文庫)

 

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「魔法科高校の劣等生 23 孤立編」を読んだ

 さくさく進んで「孤立編」。文字通りと思ってはいたものの予想以上に孤立していて達也も大変よのうと同情してしまったりも。

 世界から孤立するはいうに及ばず、国家からも国防軍からも、学校からも、まして四葉家からも孤立するとは。純粋に味方となってくれたのは、妹と水波と同級生たちだけとは。

 高校の先輩である十文字などはまあむしろ敵対する立場をとって説得のために力づくで押し切ろうとするとか。

 国防軍の情報部はいかに不法に入国して活動しているとはいえ USNA の魔法師たちをとらえて傀儡として達也たちを襲わせるとか、いやあもはやテロリストでしかないという状況なのにおとがめなしとかは、まあ現実的なにおいがしてしまう。

 その孤立をどうおさめていくのか、というあたりも続編でなかなかに楽しめるし、いろいろ波乱をおこしてくれていやはや飽きさせない。

魔法科高校の劣等生(23) 孤立編 (電撃文庫)

 

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「魔法科高校の劣等生 21 22 動乱の序章編」を読んだ

 年末年始のためにテレビもラジオもこれというものがないので、読書が進む。テレビに関してはもとよりほぼ見なくなっているので(映画とかくらい)、せめてラジオなのに特別番組ばかりで普段生活すらままならない。

 ということで魔法科である。

 序章編といいつつ上下巻ですまぬ、と作者も言っているけれど、まあ、そこはご愛敬。いやあ、世間がきな臭くというか達也包囲網が厳しいことになってきて、しかもこれが創作当初(?)から描いていた展開というのでとてつもない人だなあと思ったり。

 魔法師への圧力が強まる中で手をこまねくばかりの十師族当主たちを見かねて若手が集まって自由に話し合いをしようという表向きの理由の裏には、謀略好きの七草家の達也や深雪をスケープゴートに祭り上げようという思惑が隠されていたり。そんなことに配慮できない十文字が、むしろ達也たちに敵対する形になったり。

 さらには十文字家の関係筋の国防軍情報局とつながる魔法師が、達也を排除すべく画策して、そのおぜん立てに新入生の女子を引き込んだり、直接手を下したりと、もうきな臭いを通り越して手段を選ばずに達也確保もしくは暗殺を実行するといった趣で、序章なんてもんじゃないという荒れっぷり。

 一方の世界は世界で、USNA 方面も新ソ連も危険な魔法師を排除して我が世の春をと計画を画策しだす始末で、いつの世も困ったもの。リーナの心も揺れに揺れてというあたりで、そろそろリーナが達也たちと手を結ぶのかなあと思わせる(実際のところは知らないのだが)。

 いやはや、いやはや。最後まで怒涛のごとく読んでしまいそう。

魔法科高校の劣等生(21) 動乱の序章編〈上〉 (電撃文庫)

 

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「魔法科高校の劣等生 20 南海騒擾編」を読んだ

 もはやすっかり見なくなったテレビに加え、年末年始ということでラジオすら特別編成のためにあまり聞くものがない。以前ならば深夜帯に映画などあったりしたのに、昨今は配信などで常にみられるようになったこともあってかあまり放送がない。ということで読書が進む。

 この巻は少し本編から離れた感じだったらしい。無関係ではないけれど、インターバル的なちょっとお楽しみという感じのつくり。達也たちは三年生に進級するというところだし、卒業した一年先輩の服部やあーちゃんほかは卒業旅行。達也たちは雫らのご招待もあわせて四葉のお仕事もかねてみな沖縄へ参集。

 というのもとある施設のお披露目パーティへのご招待というのが表向きで、裏ではそのパーティにちょっかいを出すという目的の対外集団があの手この手でやってきてそれを阻止する簡単なお仕事を繰り広げるというもの。が、本来は卒業旅行だったはずの先輩たちもなんだか勝手に繰り出してきてしまって、さて困ったものよというほほえましさと剣呑さとという幕間にちょうどよい感じの楽しい感じの物語。

 しかし、まあ剣呑な雰囲気に世界がなりつつあるということだけは、きちんとにおわせていて今後の終盤への不穏さを十分かもしだす。

 それにしても副題、読めない。佐島さん、わりと小難しい漢字を使いたがる傾向がある。本文も漢字が多い。そのあたりが中二病らしくてまあよいのかもしれない。

 余談ながら一番の見どころは、美少女剣士のあでやかさでしょうかね、うん。

魔法科高校の劣等生(20) 南海騒擾編 (電撃文庫)

 

 

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「魔法科高校の劣等生 8 追憶編」を読んだ(記録)

 うっかりしている間に記録からもれていたのであっさりと記録だけ。

 内容としては、すでに二年前だったかの年末年始に特別編としてテレビシリーズの 3 話分の時間を使ってアニメ化されたままという感じだったはず。ふたりの関係が高校生現在のようなものにいつ、どう変化したのかという基点となる物語だけにシリーズ全体から見た意義というのもなかなか高い。

 原作では、合間合間に四葉本家での場面が挿入されていて、これは時間軸が異なっているのだが、高校一年生の秋、横浜事変の後に呼ばれて行ったという場面が少しずつ挿入されている。

 アニメ化ではここは尺の都合もあってだろうかカットされていたのだが、続くテレビシリーズ3期でこの部分が分散して挿入された。初回の冒頭などの印象的な映像がそれ。アニメのほうでは取り入れられなかったものの、カットしたままは惜しいということだったのか、どうだったのか。

 いずれにしても兄妹の関係をよりよく知るという意味ではずせない作品ではあるのだな。

魔法科高校の劣等生 (8) 追憶編 (電撃文庫)

 

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