「ドミトリーともきんす」

内容はまったくわからないままに買ったのだけれど、ちょっと特殊な作品だった。

漫画というか、四人の著名な科学者の本を紹介するといった体裁の作品。

関係あるようなないような漫画が数ページあって、そこからとりあげた本の一説を紹介して、本そのものを紹介してというページが続く。

朝永振一郎、中谷宇吉郎、牧野富太郎、湯川秀樹の四人だが、どれも専門的な本ではなくエッセイといったものが主らしい。科学読み物への招待といった趣。

正直なところとしては、やや可もなく不可もなくという感じで、もう一歩かなとも。

科学読み物には縁がなかったという人にとっての端緒になるのであれば、それはそれで有益なのかなとは思うし、そういうきっかけも多少は生まれるかもしれない。

ふと、高校時代に担任からなぜかもらった「量子力学的世界像」を思い出したりはした。当時は読まなかったけれど、後年になって読んだらなかなか面白かった。

 

ドミトリーともきんす 単行本(ソフトカバー)

 

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「メイドさんは食べるだけ 4」

相変わらずすずめちゃんはかわいい。

そして、本当に日常的な食べ物をひたすらおいしく食べているだけ。

だが、そこがよい。

という漫画。

細かい設定とかどうでもいいんですよ。

かわいいは正義。

という作品。

ま、いやしよね。

 

メイドさんは食べるだけ(4) (イブニングKC)

 

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「棒がいっぽん」

手に入るうちに高野文子の二冊目、「棒がいっぽん」(マガジンハウス)。

といってもこちらはタイトルも知らなかった。とりあえず発行の古いほうから順に選んだだけなので。

で、開いてみて驚くのが表題作が目次にない。

で、読み終えると「ああ、なるほど」と一定の理解はするのだけれど、なぜ、そういうタイトルのつけかたになったのかとは思う。

年代的にもやや新しいので絵柄も少し洗練されてきていて、初期のころとの違いを感じる部分も多い。相変わらずのシュールさもさりながら、ときどきどきりとさせる内容も多くて、そこがまあ高野文子さんの尽きせぬ魅力なのだろうなと。

「東京コロボックル」「奥村さんのお茄子」、あたりが特にお気に入りだけれど、冒頭を飾る「美しき町」とか「バスで四時に」なども得も言われぬものが潜んでいて油断ならない。

こちらも毎年くらいのペースで重版されてはいるようだけれど、それもいつまで続くかはわからないので、やはり本はであいもの。あるときに買っておいたほうがいい。

さて、とりあえずもう一冊残っている。

 

棒がいっぽん

 

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「絶対安全剃刀」 40 周年

発売当初から存在を知っていたし、目にしたこともあったのだけれど、当時はちょっと手が出なくてそのままになっていた一冊。

もう入手は難しいのかと思っていたらそんなことはまったくもってなく、40 周年の帯がついて販売されていた。ようやく入手。

40 年を経ても普通に買えてしまうということは、出版の業界を見ていると、ことに漫画とかの方面ならばことに偉業のようにすら思えてしまう。初版だけで消えていく本のなんと多いことかと。

ということで高野文子さんという名前、作品、という位置も大きいのだろうけれど、残してくれている白泉社にも感謝なのだろうな。

で、読んだ。

なんだかこんなシュールな内容だったのかというのが素直な感想。一読したところでは、正直ついていけない感が強い。これはむしろ当時読んでいたらそこで終わっていたかもしれない。

たなべのつるっておばあちゃんの話だったのか、とかいろいろ発見もあったり。

手ごわい。

ということで、引き続き高野文子さんを読むのであった。

 

絶対安全剃刀―高野文子作品集

 

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「修道女フィデルマの采配」

発売からやや遅れて短編集を読み終えた。ひとつひとつが短いこともあるし、全体の長さとしても短めなので長編の分冊ひとつと比べてもやや薄い感じ。なので割とサクサクと読めてしまう。

一番好みなのは「狼だ!」。狼少年的なタイトルではあるけれど、当時の法制としての興味もなかなかなテーマ。事件の真相は察しがよければ途中で気づくとはいえ、やはり結末へいたる過程の面白さは秀逸。

わけても調査に赴いたところ誰もおらず、乳しぼりをされていない様子の牛を見つけると自分たちがまずやるべきことはこの牛たちのために乳しぼりをしてやることだといって実践するあたり。

「養い親」はやや後味が悪いが、それは事件の性質上どうしようもない。そしてまた、なかなかに現代社会にも通ずる深いテーマでもあって考えさせられるものがある。

「魚泥棒は誰だ」は少し趣をかえてややコミカルな結末が待っていて、それはそれでほほえましい。

「法廷推定相続人」は一番フィデルマシリーズらしい正統派な作品かもしれない。

「みずからの殺害を予言した占星術師」は、正直なところいちばんもやもやする作品ではある。

それでもバラエティー豊かという集まりなので、フィデルマシリーズ入門としてはいるのは、悪くはないかもしれない。

次は長編がくるだろうか。としても、さすがにそれだと時間が開きそうだ。再来年くらいになってしまうかな。それでも、楽しみに待とう。

 

 

修道女フィデルマの采配: 修道女フィデルマ短編集

 

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「かげきしょうじょ!! 公式ガイドブック ON STAGE!」

原作コミックスを調べていて見つけたのだが、こうしたガイドブックは手に入るうちに買わないといずれ買えなくなるという判断だったのだが、アニメのガイドではなく漫画のほうのガイドだったので案外重版もされていくのではという感想。

まあ、よい。

ただ、原作にしてもまだ二巻までしか読んでいないというのにかなり先のほうまでガイドされているので、「え、そんなことが!」という展開をすでに知ってしまうことになったのは誤算といえば誤算。

まあ、それで魅力があせてしまうような作品ではない。

主要なキャラクターについての詳細情報であったり、学園の細々とした設定ほかなかなかに充実の内容で、原作をずっと読んでいれば知っていることかもしれないけれど、やはり網羅的にみられる一冊というのは重宝。そして、そういう本が作られる作品であるということもまた重要。

コミックスと並べたときのために判型を同じにしたのかもしれないけれど、やや大判で見たかったようには思う。

アニメは終盤がやや急ぎ足だったので、二期というよりは劇場版でその間の補完的なものでも作ってくれたらうれしいのではないかなあと妄想している。原作の余裕がでてきたら二期もぜひ期待したいところ。

「かげきしょうじょ!!」公式ガイドブック オンステージ! (花とゆめCOMICS) コミック 

 

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「モダン・コンピューティングの歴史」を読んだ

邦訳刊行時に気になっていたもののそのままになっていて、数年前にようやく購入はしたものの、またぞろ読むまでに時間を要してしまった。このほどようやく読み終えた。面白かった。

かつての NHK スペシャルで放送された「電子立国日本の自叙伝」で、トランジスタが誕生し、それが半導体へと変わり、集積回路へと変化していく様が紹介されたけれど、前半というか中盤くらいまでは、おおむねその時代と重なる。

登場人物もその番組で聞き覚えのある名前が繰り返し登場する。

けれども、番組はそうした動きに日本はどうだったか、どう動いていったかといったところが主眼ではあったし、アメリカでの細かな動きといったものはそこまで詳細にはでてこなかった。そうした部分を今回補完するといった感じもあって余計に興味深く読んだ。

最後に追記するような形で Linux の勃興あたりにも触れられていて、それでも刊行から 20 年近くたった今となってはネットはさらに変化を遂げているし、ハードも手に収まるものにまで変化してきてしまった。いま、さらなる補完が書かれるとしたらどんな物語があるだろう。ある意味、ネットで見聞きしているリアルタイムが描かれたかもしれないが、ネットに見えているものは、世界のほんの一部の一部にしかすぎない。やはり、網羅的に書かれた書物というのは、いつの世にも必要だ。

この機会に「わが青春の 4004」とか日本におけるその手の書物も復刊されたりしないだろうか。

 

モダン・コンピューティングの歴史

 

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「かげきしょうじょ!! シーズンゼロ」

昨年 2021 年 7 月期のアニメにとどまらず昨年でいちばんといってもいいくらいによかった「かげきしょうじょ!!」。原作からカットされてしまって惜しいという原作ファンの声がある一方で、それにもましてアニメをたたえる声が大きかったのもまた事実で、それは原作も読まねばなるまいと。

実際ひとまずは無料で読めた分を電子書籍で読んでいたのだけれど、こういう作品はやはり物理で買っておかないととずっと思いつつ先になってしまった。

ということでようやくシーズンゼロを購入。原作は連載に紆余曲折があったのでその分をシーズンゼロとしてあらためて発刊。よって分厚い。

この部分でいえばそれほどアニメとの違いはないのかなという印象だけれど、多少カットされた部分も見つかる。とはいえ、確かにアニメという時間の制約があるものでは取捨選択はやむを得ないところはあるので、よい判断なのではなかろうかと。

例によって服の前合わせが気になるカットがあったりするのだけれど、女性作家のほうがその点が割ときちんとしているようには思うのだけれど、アシスタントさんとかもいるのでどうしてもでてしまうのだろうか。一番は穴井一尉の制服の合わせが左前なのが気になってしまう。自衛隊という世界だし。

とにもかくにもアニメからはもれた部分も含めて作品世界がさらに充実するし、登場人物の背景もよりいっそう深まる。

アニメは後半がやや駆け足すぎたきらいがあって、そこが少しもったいなくも感じたので原作のほうでそのあたりもじっくりと楽しみたい。アニメも二クール構成であったならなあ。プロデューサーはなにを見ていたのやら。いや、アニメ化そのものはよい目であったけれど。

大人買いとはいかないのでぼちぼちになりそうではあるけれど、追いつきたい。(というそばから新刊発売の情報が・・・)

 

かげきしょうじょ!! シーズンゼロ

 

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「詩歌川百景 2」

「海街ダイアリー」以降の吉田秋生さんは、年齢を重ねたこともあってなのか実にしなやかに社会を見つめてくる。日々のなにげないものが、急に違うものに見えてきたりする。

いままで気づかなかった、気づこうとしなかったことを直接的にぶつけてくることもある。

そうして、グサリとやられてけれどすがすがしい。そんな痛みも嬉しさも悲しさも、あれもこれもないまぜにして見せてくる。

そんな物語を静かに見守る。そういう日々は、よいな。

「海街ダイアリー」から派生してきた舞台で物語があたらしく生まれ、どうやらことによると久々に鎌倉とのつながりが描かれるかもしれない様子になってきた。彼女たち四姉妹のその後も、実は気になる。

どんな物語がつむがれるのか、まだまだ楽しみ。

「海街ダイアリー」をアニメにしたとしたら、声は誰が合うだろうな、などとこの頃ふと思ってしまったが、なかなか難しい。

 

詩歌川百景 (2) (フラワーコミックス)

 

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「火星の人」(アンディ・ウィアー)

三年以上前に購入の電子書籍版をようやく読了。読み始めてからはそこそこ(近年の自分としては)早かった。寝る前読書とはいえおおむね二週間くらいだった。

話題になったのに読んでおらず、いまでは同じ著者の別の作品が話題になっている始末。そちらを読むのはいつになるやら。

映画化もされていて、たぶん映画も見ていないような気がする。断片的な映像は覚えがあるのだが。

簡単にいえば有人火星探査チームから不慮の事故によりただひとり火星に残ることになってしまった宇宙飛行士のサバイバル。帰途についた宇宙飛行士たちは、彼が死んでしまったものと思っているので(地球のチームはしばらくして彼が生存していることを知っていたが、帰還チームに知らされるのはかなりたってから)やや自責の念にとらわれている。

一方、火星に残されたワトニーは、なんとか知恵と工夫でサバイバルを緻密に進める。この過程が実にリアルにせまるもので面白い。昨今、フィクションで描かれた宇宙が実際のそれと大違いすぎてつまらないといった話が話題になってしまったけれど、このサバイバルがどれほど現実的なのかは知りようもない。ことによると嘘ばかりということだってあるだろうし、けれどこれはフィクションなのだから。

フィクションとはいえ、実に真に迫る描かれ方で、これは素人が読んで、見て楽しむには十分すぎる内容だ。あまりに緻密すぎてむしろ詳細を検討したりする意欲をそぐ。

そして、何度となく危難に遭遇しつつも少しずつ帰還へ向けて動いていく様が火星と地球とで描かれていくテンポも実によい。いかにも映画に向いている。あるいははなからそういう脚本として書かれたものだったりするのだろうか。残念ながら電子書籍版というのは、あとがきとかいっさい省かれてしまっていて本当に意味がない。そこだけはどうしようもなくダメだ。

最期まで息つく暇もないほどの展開が続いて、まさにエンターテインメントという感じで、これを映像で見たらそれはまた面白かろうと。機会があれば映画のほうも。

 

火星の人

 

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