「狼と香辛料」はいいぞ

昨年だったか、一昨年だったかに GYAO! でたまたま見て気に入ったのだった。大雪と低温もあってなので AbemaTV にきたのを見ている。

ファンタジーではあっても異世界ものではないという上に、経済、商売をベースに描いていて実に面白い。

麦の収穫を司る神としてあがめられ、土地の豊饒さを保ちつつ麦の作柄を調整していくという賢狼ホロ。

豊作ばかりを続けては土地がやせる。人々が困らない程度に調整して不作もつくる。

が、人々はそんなことは考えない。もう古い因習の時代は終わりだと豪語する。

必要がなくなったホロは行商人ロレンスの荷車にたまたまあった麦の穂を頼りに乗り込み、ホロのふるさと北の地ヨイツへの旅がはじまる。

旅先で商いをしつつ、いろいろの事件に巻き込まれる様を描いていてそれもまた面白い。なにより経済の話がしっかりしているからささいな嘘が気にならない。(というほど自分が経済を知っているわけではないので、思い違いかもしれないけれど)

次第に心をよせていくふたりの関係もいじらしいし、なによりホロが何百年も生きているけれど愛らしく、しおらしく、かわいい。それでいて大人。いやときに子供。小清水亜美さんが、見事に演じていてそれもまた惚れる。

二期まで作られて、続きがようやくという噂もあったような、なかったような。ふたりの幸せな未来が描かれ切るなら、楽しみに待ちたいのだなあ。

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「やがて君になる」をあらためて見た

2018 年の放送当時も見たように思うのだけれど、たまたま AbemaTV でまとめ配信があったので見た。

が、意外にもこんなところで終わりだったかと驚いた。体育祭があって夏休みがあって、文化祭で劇をやるというので夏休みに練習合宿したり。で、友人が書いた脚本をあれこれ直したりして、で、終わってしまった。

劇、やってない。

原作は現時点では終わっているけれど、制作当時はまだ途中だったので仕方ないということなのだけれど、覚えていなかった。これはもやもやするな。

百合作品と思わせておいて、それでいてタイトルを思うと意味がよくわからない。おそらくはこういうことなのだろうというのがおしまいのほうでは出てくるのだけれど、実際そうかはわからない。まさに「やがて君(自身)になる」という物語がベースなのだろう、とは思うのだけれど。

原作読むしかないな。

どうもアニメ化は 5 か 6 巻くらいまでという感じなので残りはそう多くない(8 巻完結)ので、二期を作るにはきっと足りない。といって人気の度合いとか思うとおそらく劇場版をつくるというような勢いでもないのだろうな。せめて OVA でもと思うけれど。せっかくよい作品(物語としてもアニメーションとしても)なので、最後まで作って欲しいようには思うのだけれど。昨今の業界では無理だろうな。惜しい。

やはり、せめて原作読むしかないな、とあらためて思っているところ。

やがて君になる (1)

 

 

やがて君になる (1) (電撃コミックスNEXT)

 

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「僕だけがいない街」を見た

AbemaTV にあったので見てみた。見始めてすぐに「そういえば見たことがあるな」と思った。が、どうも部分的に覚えているという感じで、あまり覚えがない部分もある。冒頭の一話とか二話くらいしか見てなかったのだろうか、とも思ったが、さてどうだったのか。

放送時にはもちろん見てなくて、GYAO! あたりにきたときもあったかと思うのだが、そのときにちょっと見ただけだったのか。

ともかく。

タイムリープものとしてもなかなか面白く見た。もちろん、思うように時間遡行ができるとか無茶苦茶、といえばいえる。とはいえ、何度もなんどもやっているわけではないのもあって、そのくらいよいかと思わせてくれる。

最初のそれはいきなりであるし、18 年も前の小学生に戻ってしまったのではなかなかつらい。記憶や知識は大人のままとはいえ、子供としてふるまわなくてはならないとか、体は子供なので力を出そうとしても無理があるとか。まあ、もう少し大人をうまく使えばよいのにと思わないでもないが、もどかしいくらいが物語の展開としては有効ともいえる。

過去の同級生の命を救うことには成功するが、自分が命を落とすという展開に唖然としたら、その後もなかなかに予想をくつがえしてくれてよい。

命を助けたカヨと一緒になるのかなと思わせつつも、再開は赤ちゃんを連れた姿で、しかし、そうでもないと現在に出会った愛梨のこともあるしなあとかもどかしさは。

いろいろ強引に思えるところがないといえばうそになるけれど、どのみち全部嘘なのだから上手な嘘が描ければよいのだ。最後の暖かさが実によいよ。欲をいえばもう一言最後にあってもよかったのではと思わないでもないけれど。まあ、それもまたよし。

「サマータイムレンダ」のような絶望的な存在との闘いという緊迫感とはまた違ったタイムリープもののうまい使い方。「東京リベンジャーズ」にもう愛想をつかしたものとしては、そういうとこだぞ、と思うばかり。

 

 

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2022 年秋アニメ、見たものまとめ

■うちの師匠はしっぽがない

実はあまり気はなかったのだけれど、たまたま見てみたら案外よかったので最後まで。落語ネタをネタにした人情噺といったところで、狸が化けたまめだが主人公ではあるものの、師匠となる文狐(ぶんこ)にまつわる物語でもある。むしろそのあたりのほうが面白い。

オープニングテーマの「わたしの尻尾はつかませない」という歌詞が効いている。

構成としては後半の文鳥(文狐の師匠)の遺言的な話からのまめだ試練の展開は少し扱いが難しい。尺稼ぎ的なところもあるし、これをいれずにいままで通りにのほうがという感じもある。師匠文狐の秘密的なところを納めたかったのかという感じはあるが、シリーズ構成としては、反省もありそうなところ。

キャラクターのよさと人情噺としてのよさは十分なので、もう少し人気がでたらという作品ではあった。

 

■ぼっち・ざ・ろっく

「リコリス・リコイル」の後枠としてはじまったのもあるが、初回を見て一気に引き込まれてしまうある意味実験的な作品。その遊び方が心地よいのもあって途中からはじけたという点でも「リコリコ」によく似た展開になった。

人付き合いが苦手で、ひとりこもって父のギターを練習していたら上達してしまったものの、それをアピールできるわけもなく、くすぶっていたところをたまたま強引に誘われることでバンドデビューすることになってしまうぼっちちゃんの物語。

ぼっちのキャラクターを生かすべく、アニメーション手法すらいろいろ遊んでいて、さらに声をあてた青山吉能さんがはまりすぎていて、それもあって途中から急速に人気を高めた。

最終的には年間ベストと言われるほどの人気作になってしまって、初期のユーザーとしては狐につままれたかというような展開。物語としてもクライマックスの学園祭ライブを最終回前半にもってきておきながら、新しいギターを買うという展開でまたひとしきり遊んだあとの最後のセリフが「きょうもバイトかぁ」である。

思わぬ大金を得て「よし! バイト辞めよう!」と息巻くも、その一言を言うことができないままにバイトに通うという日常に戻って終わるあたりいかにも作品らしい。

なによりアニメ「BECK」でもそうだったけれど、音楽をあつかった漫画原作をアニメ化したときにネックになるのは音楽そのもの。そこを見事に完成させてしまっている力のいれようが、そもそも作品の成功を約束していたともいえるし、逆にそこまでしたのでヒットしてくれないと困るというのもまた制作サイドの本音だったのだろうなとは。実際大成功である。

二期を求める声もあるようではあるけれど、楽曲のことを思うと、そうそう二期は望めないだろうなとは思うし、ここで終わるのが程よいのではと思ったりはする。

 

■ヤマノススメ Next Summit

シーズン 3 あたりは、もういいかなと思ってあまり見ていなかった。今作の冒頭はこれまでの総集編というのもあってよけいにもういいかという感じではいた。

ただ、評判がよいようなので(特にオープニング、エンディングあたり)それではと見たら、なかなか力のはいった作画がなされていて、結局途中からは最後まで。

一度高山病で断念した富士登山に再挑戦してついに山頂にたどりつくというところまでを描いたと思ったら、エンディングで二年経過して高校卒業まで描いてしまうという展開に少し唖然。

どうやらこれで一連のアニメ化をいったん終了するという意志表示らしく感じる。

まあ、「ゆるキャン△」みたいな感じもあってこれ以上やってもというのはあるかもしれない。とはいえ、当初は 5 分枠からのスタートを思うとずいぶん遠くまでやってきたものだというのはある。

 

■恋愛フロップス

二回目くらいまでは見たのだが、どうにも好みでないのでやめてしまった。どうやら VR 世界という設定だったらしいことが終わりのほうでわかるらしいが、それでもなあという感じ。なので作品そのものについてはなんとも言いようがない。ただ、それでもなおユーザーを引き込めなかったというのは、それだけでしかなかったとも。

 

■Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-

作品発表時には、大丈夫かと思ったのだけれど、はじまってみたら案外ゆるさとかわいさとそれでいて意外と工具の扱いや DIY への姿勢というのはしっかりしていて、ついつい見てしまった。

メインのふたりのうちの片方、ぷりんが部にはいるまでがあまりに長すぎてそこはちょっと遅すぎたのではという感が強い以外は、実によい青春物語だし、友情物語だし、ものづくりアニメだった。

ぷりんとせるふの関係はあり勝ちであるだけにもっとはじめのほうから仲間にはいっての展開でよかったのではというのは本当いえる。ほかの仲間も一話ひとりずつなのでそれだけで作品の半分以上を使ってしまったのもいささかもったいない感がある。

DIY に関しては監修も比較的しっかりしていたためか丁寧に作られていた。とはいえ、これでやってみようという人(特に女性か?)が増えるかというといささか微妙かもしれない。

しかし、「アイの歌声が聞こえる」にしても佐渡が舞台であったし、ものづくりというと今や新潟県界隈という認識が強いのかもしれない。(実際、三条市は盛んではある)

 

■うる星やつら

かつてのアニメ化はほぼオリジナルだけでやっていたらしいということもあり、今回は原作からもってきての作品らしい。今となっては少し古臭いイメージがないでもないけれど、テンポのよさといいキャラクターのかわいらしさとか声優さんの選択もなかなかよいので悪くはない。

ただ、そもそもが単発のコメディなので全体として長く続く物語のベースがあるというような作品ではなく(もちろん、関係のつながる物語もあるのだろうが)、いわばサザエさん的なもの。

ゆえに雰囲気だけわかったらもうそれ以上はいいかなと思ってしまったので 6 回くらいまで見てやめてしまった。これが一年続くのはさすがにちょっと辛い。一連の物語であれば結末も気になろうというものだけれど、そういう作品ではないので。なんで一年もやるのかしらねえ。

 

■宇崎ちゃんは遊びたい!ω

一期はそれなりによかった。が、同じ展開がそのまま続くとちょっとうっとうしさが際立ってしまった。ということで、これも二回目くらいまで見てやめてしまった。ある意味、恋愛ものはつきあうまでが面白いにも似て。

 

■アキバ冥途戦争

基本オリジナル作品しか作らない(前作の「パリピ孔明」は除く) P.A Works の新作。仁井学さんがキャラクターデザインというので一応最後まで見た。ちょっと疲れた。仁井さんは総作監にも名を連ねてはいるが、実際はデザインだけだったようだ。

なぜメイド喫茶でやくざの抗争をしなくてはいけないのかというのもあるけれど、なんだかなあ。脈絡なく抗争のようなギャグのようなイベントが描かれるばかりで、全体としての面白みがあまりなかった。いわば、民放のバラエティー番組のわるふざけコーナーを毎度見せられているような感じ。

あげく一番魅力的でキャッチーだった嵐子を最後の最後で殺してしまうとか、なんだかなあと。そして、エンドは大方の予想通りに 2018 年のアキバで車いすに乗りながらメイドを続けるなごみを出して「昔はアキバも物騒な時代があったんだよ」という話で終わるという脈絡のなさ。

なにをしたかったの? メイドからの冥途ならやくざの抗争でしょ的な短絡的な発想しかなかったのかなあ。仁井さんには、もっと違う作品に参加して欲しい。本当、仕事選んで(^^;

 

■SPY x FAMILY 2 クール目

分割された 2 クール目。結局本題の作戦のほうはさほど進展はないままに、それ以外の些末なエピソードを楽しむ作品に変わっていたのがこのクールという印象。

もちろん、品質は十二分なので楽しい、面白い。アーニャかわいい。なのだ。

が、終わってみるとそれだけなのかなとも。来年には二期シリーズと劇場版オリジナルが控えているらしいのだが、そこまで人気が続いているものやらという不安がないでもない。

 

番外:「恋は雨上がりのように」

AbemaTV にきていたのを見たらすっかりはまった。原作全巻も買ってしまった。渡部紗弓さんまでフォローしてしまった。どうしてくれるのだ! よかった。

 

 

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「おかえりアリス」4, 5 読んだ

どうやら春に読んだ 4 も記録してないので一緒に。

いよいよ三谷さん(女の子)の狂気が強くなってきた。もともと(幼いころから)三人の関係としてはそういう感情があったものが、ここへきて余計にねじれまがってきたという感じで、このまま狂気を振り回し続けるのかというところ。

一方の男子ふたり(というか・・・)のほうも親密度が増して、どこへ向かおうとしているのかなあと。

怖いものみたさという感じもあるし、これほどの意欲作だけど、作品の性質上か話題にのぼらないのが残念なようにも。連載を継続している版元としてはそれなりに評価されるべきかとは思うものの、もう少しおしてあげればよいものを、とも。

気になる点としては、一巻以降の表紙絵が次第に勢いを落としているというところか。

 

 

おかえりアリス(4) (講談社コミックス)

 

 

 

おかえりアリス(5) (講談社コミックス)

 

 

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「ヨコハマ買い出し紀行 4 5」を読んだ

一見すると穏やかな日常を描いただけにみえる物語も、実のところは戦争だか天変地異だかによって世界がすっかり変わってしまい、滅びの道をたどるだけといった様相の世界を描いたもの。

そんななかで店主が戻ってこない(死んだわけではないらしい)喫茶店を守っているロボットのアルファさんの物語。

穏やかな雰囲気が実に心地よい。

同じ世界の終わりといっても「渚にて」のような雰囲気はない。いや、最後どうなのかはわからないが。

ただただ、このアルファさんを中心とした不思議な日常を楽しんでいる。ちまちまと。

ヨコハマ買い出し紀行(4) (アフタヌーンコミックス)

 

ヨコハマ買い出し紀行(5) (アフタヌーンコミックス)

 

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「恋は雨上がりのように 眉月じゅんイラスト集&アニメメイキングブック」

原作コミックスを探していたりしたころにたまたま見つけたイラスト集。アニメの関係もいくらかあるようで、それならと買ってみた。

が、当初いつもの honto を見たら「取り扱いができません」となっていて購入できない。たしかに 2018 年ころのものなのでこの手のは難しいかと思いつつもヨドバシを見たら在庫があるというのでそちらで買うことにした。

はたして、原作コミックスではモノクロになってしまっていたカラーページなどが B5 とはいえ大判のカラーで掲載されていてなかなかよい。昨今の Twitter とかにも使われたコミックス発売の告知イラストのようなものも掲載されている。(ご本人はアカウントを持っていないか、公表していないようで作品公式アカウントが代替している)

アニメについては第一回に関してのちょっと細かな解説とか、監督と原作者の対談とか、美術担当の方へのインタビューとかあって、なかなかこれもよい。

アニメの美術については本当によくできていて、雨をひとつのテーマとしている作品もあって空の描写、風景の描写がとても見事だ。細かな設定資料集を出すという作品ではないかもしれないので、このくらいで仕方ないのかとも思うが、もう少しボリュームがあってもよいかなと思わないでもない。

造本としてはカバーの文字や雨滴に樹脂の盛り上がりがつけられていて、少々手のかかったものになっている。そのせいもあってかビニール袋に入った形で届けられもしたが、本当のところはわからない。

ほぼデビュー直後の作品が、いきなりアニメ化・映画化されるという展開も驚きであろうし、作品そのものも十分によいものであったというのは才能なのか。現在連載中の作品は少し毛色が変わった感じを受けるが未読なのでよくはわからない。

そういえば、この作品。電子書籍もでているのだが、紙書籍よりも高い。紙書籍が 607 円だが、電子書籍は 690 円くらいする。よくあるパターンではすでに絶版になっていて過去の値段がそのままになっているので逆転しているという例はあるが、これは現役なのに逆転している。理由は不明だがどうも出版社によって傾向がわかれるような印象も。

まあ、電子書籍は書籍とはいっても再販制度に影響されないため安売りもできるし、そもそもいきなり読めなくなっても文句いえない(いや、文句は言ってしかるべきだが、だが断るという方向性のもの)ので値付けが高めなのかどうなのか。

電子書籍化のための作業は必ずしも簡単ではないので、ひたすら安くできるはず、などとは言わないが、逆に高いというのもどうなのかなあとは。ということで紙のほうで買うことにした。

さらにいうと全巻セットのリンクもあったのだけれど、これが消費税の罠で 6070 円ではなく 6072 円になってしまっていたので、ここも回避して個別に 10 冊カートにいれたりもした。なんだかなあ。

とにかく、何度も言うけれど、作者の眉月じゅんさんには、ふたりのその後をぜひ描いてほしい。別に結婚させてあげて、なんてことはいわない。ふたりはお友達(以上)という楽しい時間が見たいだけなので。

恋は雨上がりのように 眉月じゅんイラスト集&アニメメイキングブック (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

 

アニメ「恋は雨上がりのように」を見た

恋は雨上がりのように 全10巻 を読んだ

「恋は雨上がりのように」原作読んだの2

 

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「恋は雨上がりのように」原作読んだの2

先のがあとから見たらずいぶんと長くて、それでも実はまだ書きたいことが残っていたりするので別にしてもう少し書く。

ひとつは、アニメでは出てこなかったエピソードについて。

アニメでは原作 7 巻ころまでが採用されていて、実際的にはほぼ 6 巻までの内容が 12 話にまとめられている。一部、さらにあとの話数から持ってきていることもあるにはあるし、少し変更して採用されていたりというのはあるが、基本原作に沿った展開。

ただ、ないことでちょっとわかりにくくなっている設定もある。夏休み、お盆。あきらが祖母の家を訪ねる話数(28 話)はそっくりないのだが、ここであきらの父親が登場して家族状況の現在を補完してくれる。

訪ねるのはあきら一人で母親は同行していない。父親は存命であきらを送る前に食事をしにでかける。苗字が橘ではない。どうやら離婚して母方の姓になっているのだろうとわかる。といって、疎遠というほどではなく、仲たがいしているということでもない。祖母や叔母が母親を悪く言うようなこともない。

また、50 話では母親の妹が突然やってきて母娘を強引に温泉旅行に連れ出す。青年誌連載という意味では、ある意味サービス回という側面もあったのかもしれないけれど、母娘の関係を補完するという意味ではなかなか重要な話数だったりはする。

学校の文化祭であったり、アニメでは直前くらいだったハロウィンであったり、また、店長の息子の誕生日をアパートで祝ったり、ユイと一緒にマフラーを手編みしたり。そうしたもろもろを経ての年末、正月、そして結末。

あきらが見ていた店長は、ひとつには男性としてのそれもそうだし、父親としてのそれもあったのだろうなと。

アニメだと 11 月のシフト希望を出したところで終わるので 10 月の中旬くらい。なんとなくバイトは少し減らしつつも続けたままに部活に復活するべくリハビリをはじめるような展開になりそうな終わり方。

原作はもう少しきっぱりと決別を言い渡したという感じ。

ゆえに、アニメの続きを作ろうとすれば、原作から離れた方面にいかざるをえないかもしれない。アニメのようなさわやかな別れも悪くはないが、原作の持つよりテーマを掘り下げた終わり方のほうがお互いの青春の苦さが感じられて深みはある。

苦味というと、店長とのデートの帰り際、店長の心の声があるのだが、これが原作と少し違っていて、アニメでは解釈を変えたのか、はたまた台本のセリフを声優さんもスタッフも勘違いしたままになったのか。

甘くて苦い青春は終わって、苦みだけが残ったのだ・・・ (原作 2 巻、14 話)

アニメでは、

甘くて苦い青春は終わって、苦(くるし)みだけが残ったのだ・・・

と、読まれた。

けれど、これは「甘くて苦い」青春が終わって、残ったのは「苦(にが)み」だけだったという対比なのだから、本来は「にがみ」と読むべきだったのではなかろうかと。「くるしみ」と読んでしまっては、少し意味合いが異なってしまう。

が、今となってはわからない。原作が「苦味」とひらがなの「み」ではなく、漢字の「味」と書かれていたらそういう間違いも(間違いだとしたら)なかったろうか、とは。

しかし、原作を読むと、この通りの結末をアニメでも見て見たかったなと思わずにはいられない。大雪の正月に店長の家を訪ね、はしゃいで「帰りたくない」と駄々をこね、けれど自分の本心をそっと後押ししてくれる店長の暖かさをかみしめるように巣立とうとするあきらの姿が、どう描かれるのか、見てみたい。

あるいは、リメイクという手もあろうけれど、12 話に収めるには少々長いし、24 話にするには短い。といって後日談を含めたり、多少オリジナルをいれたりというのも、あのラストが生きてこないなあ、などとも。

悩ましい。

まあ、あれですよ。あきらのちょっと釣り目だけどまっすぐな目で見つめられて、渡部紗弓さんの声で言われたら、もうオドオドするしかないよね、と。いいなあ、青春。

 

アニメ「恋は雨上がりのように」を見た

恋は雨上がりのように 全10巻 を読んだ

「恋は雨上がりのように 眉月じゅんイラスト集&アニメメイキングブック」

 

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恋は雨上がりのように 全10巻 を読んだ

アニメにすっかりやられてしまい、原作も買ってしまった。というのも原作の結末に不満を訴える声というのがあるやに見かけたので。

読んでみると原作完結前であったのもあり、基本的に原作に忠実にアニメ化されていたものの、最後は同じというわけにはいかずアニメとしての終わり方ではあった。とはいえ、あきらと店長との関係性とか、結末の理由といったところは基本原作を踏襲している。

原作の 7 巻にアニメ化を知らせるイラストが載っていた。2017 年 3 月のこと。アニメ化そのものについてはきっともう少し前から決まっていて制作がはじまっていたのかもしれない。

原作の完結はアニメ放送終了直後くらいで最終の 10 巻もその年に刊行されている。

噂ではアニメのあとに公開された実写映画も結末としては似たような展開になっていたらしい。おそらく結末はすでに決めてはあって、そのシチュエーションについては未定だったのもあろうけれど、形だけは変えずに映像化を依頼していたのではなかろうかと。

歳の差恋愛物語の結末としても一番のハッピーエンドは、お互いに好きなことを確認してきちんと付き合うというところかもしれない。さすがに結婚するとかまではやや無理がある。ファミレスの仲間も公認で付き合うといったところがまあありそうなところだったかもしれない。

ただ、この物語がそもそもそういう体をとっていたのは別の理由があったからで、それがそれぞれの抱えたまま心の奥にしまっていた大切ななにかをもう一度引き出してきてそれに向かうという恋愛とは違う人間の物語だったからか。

だからこそ、店長は年齢や境遇を言い訳にしてずっとどっちつかずにしつつも、完全に捨てきれずに放置していた執筆環境(部屋)の意味にもう一度向き合おうとするし、あきらも本当はまた走りたいが、どこまで走れるようになるかわからない不安と、そうなっときに自分が受ける衝撃といったものから逃げたいといった気持ちをごまかすためにバイトしていたといったことと向き合うことになる。

そして、店長はある意味おとなとしてあきらに押し殺している自らの本当の気持ちに正直であるべきなのではないかと背中を押す役目を引き受ける。あきらもまたその気持ちに応える。

だからといって、ではあきらの抱いた店長への恋心というのは偽りのものだったのか、といえば、それもまた違うのではないかとは。

原作では、正月のわずかな店休を利用して原稿に専念する店長を、折しも大雪となったなかをあきらが完成した手編みのマフラーをもって店長のアパートを訪ねる。初詣をして帰らそうとするが大雪で列車が動かない。車で送ろうというが、あきらはそれを嫌がる。ここで部屋に戻ってはあきらを帰せなくなると感じる店長。一方、あきらはかたくなに帰ろうとしないのだが、もう君にしてあげられることはなにもないと静かに告げる。

そうこうして夜になってようやくあきらを自宅まで送った別れ際、わたせずにいたあきらへのプレゼントをわたし、あきらは「また店で」というが、店長が返したであろうことばは文字にはなっていない。雨の音にかき消された。走り出す車を呆然と見送るあきらという図は、「もうバイトには来なくていいよ」的なことをいわれたのだろうか、と想像させる。

実際、その後自宅に戻ったあきらは遅い帰りを心配した母親に、「雨宿りしていただけだから、大丈夫」だと答える。

それは、単にその日の大雪がやがて雨に変わった事実から、遅くなったのは雨のおさまるのを待っていただけだから、というようにもとれるが、暗にそれは、怪我から部活を止めて(避けて)バイトをしていて部活に戻ろうという行為を避けていたこともまた雨宿りだったのだというようにも。

バイトはあきらのゆれる心を一時的に雨宿りさせていた場所だったのかもしれない。

その後、原作はその年の 6 月に飛ぶ。あきらが陸上の県大会に出場し、みずきとの対決を制して見事な復活を果たす。さらに 8 月。店長は相変わらずだが、友人の作家ちひろは芥川賞を取る。あきらは真夏のグラウンドで日傘をさしている。あの日、店長にもらった日傘を。そして、終わる。

アニメでは 11 月ころに店長が本社へ行くというところでお互いにしまい込んでいることに向かうべきではないかといったことばにお互いに納得し、さらりと終わる。

原作にしてもアニメにしてもこの作品の真のテーマからしたら文句のない終わりではないかな、とは。

ことに原作でいえば、正月以来あきらはもうバイトに行っていないかもしれないが、リハビリを頑張って春には立派に陸上復帰を果たす。店長の小説のほうはまだまだかもしれないが、おそらくどこかの賞を狙って執筆はしているはずだ。

店長はきっとあきらのことを好きな気持ちに偽りはないであろうし、日傘をさすあきらも、離れていても店長を思う気持ちに偽りはないのではないかなと。あるいは、たまに客として店にはいっているかもしれない。いや、きちんと目標を果たせるまでは行くことはむしろないか。そこはお互いに自制しそうだ。

あきら達がやめてしまったあと(ユイも吉澤もやめている)もバイトの補充がないのは、なり手がいないのももちろんあろうけれど、ことによれば、いつあきらがまた傷心で帰ってきてもよいようにという気持ちもあるのかもしれない。

そんなことを思うと、できたら大学へ進学した、あるいは進学後に就職というあきらと店長との物語があったらなあと。三年もしくは五年後くらい。そうなれば、今度こそ純粋な恋愛物語のはじまりということでよいのではないかな。そんな物語も、できれば読みたい。そう、思わせてくれる暖かな物語だった。

あきらの人生の雨に傘をさしてくれた人。店長の人生の雨に傘をさしてくれた人。ふたりの傘が真に相合傘になる日の物語。読みたいなあ。

 

 

恋は雨上がりのように (1) (ビッグコミックス)

 

 

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アニメ「恋は雨上がりのように」を見た

「恋は雨上がりのように」原作読んだの2

「恋は雨上がりのように 眉月じゅんイラスト集&アニメメイキングブック」

 

 

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アニメ「恋は雨上がりのように」を見た

タイトルには覚えがあったが、なんとなく見たことはなかった。と、思っていたらどうやら配信はアマゾンプライムビデオ独占だったらしい。しかも、放送されたのが 2018 年の 1 月から。近年の自分にとって一番過酷だった時期なので、無理もない。

今回 AbemaTV にきていて見ることにした。あらすじもなにもまったく知らない状態。視聴数を見ても数千。

見終わっての素直な感想は、これはいいね、と。

原作はすでに完結していて、またアニメ放送直後くらいで完結だったようなので、はたして原作の結末がアニメの結末に反映されたのかどうかは正確にはわからない。アニメのあとに公開された実写映画でも同様な結末を描いたらしいので、すでに決定していた結末が双方に反映されたのかもしれない。とはいえ、ウェブの情報を見る限りでは微妙に違うようにも見える。(原作は未読)

アキレス腱断裂で陸上をあきらめてしまった女子高生あきらが、傷心のままおとずれていたファミレスでぼんやり雨を見ていると、注文していないホットコーヒーをサービスだと差し出してくれる店長。そんな姿に多感な年ごろの少女が恋心を抱いてしまったとしても、というのが物語の発端。

自分の「好き」を店長にぶつけるあきらに押し切られるようにして、なんとなく親しくつきあいはじめるふたりの内面や状況が次第に描かれて行ってお互いがそれぞれに自分を見つめていく。そんな物語。

単純な恋ではない。けれど、素直な恋ではあったのだろう。

バッドエンドではないが、期待されたようなハッピーエンドではないということで読者の不満もあったようではある。このあたりはアニメだけではよくわからない。原作読まなくては。

作者は女性だが、物語の設定や展開は、あるいは男の願望・妄想的な偏見をもたれるかもしれない。とはいえ、物語に願望も妄想もなかったら、もはやそれは物語ではなかろうとも。

原作はこれから読む予定だけれど、結末に大きな違いがないのだとしたら、せめて外伝というかで後日談があったらうれしいかな。

たとえば大学生になったあきら、あるいは社会人になったあきら。うん、社会人がよいのかもしれない。ある日、ファミレス「ガーデン」に新入社員がやってくる。そんな、展開からあらたにはじまる恋は、もはやシンプルな恋でよいのではないか、などと。

 

そうそう、アニメに関しては、赤尾でこさんがシリーズ構成、脚本に関わっているので面白くないはずがないのです。よくないはずがないのです。

 

さらに追記。あきらの風貌がなんとなく古見さん。店長がパトレイバーの後藤さんに見えてしまってしかたなかった。

 

 

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恋は雨上がりのように 全10巻 を読んだ

「恋は雨上がりのように」原作読んだの2

「恋は雨上がりのように 眉月じゅんイラスト集&アニメメイキングブック」

 

 

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