■ BIRDIE WING 2 期
当初予定よりも三か月遅れての放送だったこともあってか、落とすようなこともなく最終話を迎えた。とはいえ、一期のテンポの良さを思うと、序盤は異様にもたつき、かと思えば中盤はやたらと倍速三倍速という展開にしてしまって味わう間もないくらい。最後にいたっては十六倍速くらいに飛ばす飛ばす。
もう少し丁寧に描くべきだったふたりのプロへの道とか、そこからのようやく実現するかに見えたふたりの対決。ところがそこへなにを血迷ったのか「巨人の星」もかくやという不治の病設定を持ち込むとか、またぞろマフィアとかアンダーグラウンドとかを蒸し返すとか、しかもそれが一瞬のネタで終わるとか、構成が悪かったなあというのが本音。
正直世界にでての展開とかはもう少していねいに話数を使って描くべきだったのではないかしらね。最後の最後のチョイ役で終わってしまった世界ランキング一位の女王も名前すら記憶に残らないくらいにしか出番がなかった。
「続きはゲームで!」というのが製作会社の思惑なのかしらとは思うものの、これでゲーム人気があがると思うのだろうか。いや、まあ、知らんけど。
せっかく面白い設定と展開ではじまったはずなのに、なんだかあさってなところでよくわからないままに終わってしまったという残念な作品になってしまったな。
■ トニカクカワイイ 2 期
7話くらいまではそれなりに見たのだけれど、久野美咲さんには申し訳ないけれど、あのキャラクターの設定というか存在がどうにもなんだかなあなもので(無理がありすぎる。この作品世界にすらなじんでない)見る気が失せてしまったのだった。
こういうとくになにもないコメディ系だとあたらしい設定を使いたがるのだろうけれど、それなら司のそもそもの素性をいっそ持ち出してしまったほうがとも思うのだが、それをやると、まあ物語の終わりになりかねないか。
どこまでいってもこの域から抜けることは無理そうなので、もういいかなと。途中でやめた。
■ 魔法使いの嫁 2 期
やはりというか分割 2 クールということで、楽しみと結末はおあずけになった。あいかわらず丁寧に作られているし、構成もよいので飽きることもなくついつい毎話ひきこまれてしまう。
かならず二話でひとつのエピソードを描くというパターン化がちょっと気になるといえば気になる。
ひとまずは 10 月からの続き待ちで。
■ 【推しの子】
さほど興味はなかったのだけれど初回がなぜか3話分の 90 分というのでひとまず見てみたら、ああ、これはこれで終わりでよかったじゃないかというインパクトはあった。この時間にこれだけ詰め込んでの構成の妙としっかりと先の展開への期待をもたせる終わり方は OVA 単発でもよかったくらい。
正直なところ続く2話からはいきなり 10 数年が経過して高校生になるというところからのはじまりで、時間は経過しすぎてしまうし、復讐劇なのかアイドル復活なのかどっちつかずな感じのゆるい展開。それぞれの話数としてはよくできているし面白さはある。ただ、全体の構成から思うと、なんとも中途半端な感じも否めない。
二期をやるということらしいのだけれど(明確にいつからとは言わないので早くて来年冬か、一年先か)それでも連載中の作品ということを思えばいずれ中途半端な終わりかたしかできないのも必定。
作品作り全体としてはお金も時間も才能もこれでもかと注ぎ込んでいるのはわかるし、事実よいものではある。ただ、アニメーションとしての出来はよいものの、総合的にみるとそこまで騒ぐようなところは実はないというのもまた正しいのではないかなと思ったりはする。
仮に原作として予定している結末まできっちり描き切るという覚悟があり、今の品質を維持し続けることが可能だというのなら、それは壮大な名作になる可能性もあるかもしれない。が、たぶんそういう未来はないのがこの業界と思うので、やはり初回 90 分スペシャルで終わらせておくのがよかった作品かなというのが、個人的な感想。(いや、感想というのはもとより個人的なものなのに)
■ EDWNS ZERO 2 期
先のときを思うとこちらは連続して2クール目にはいるのかと思うので、途中ではあるけれど、少々「ドラゴンボール症候群」が発動してしまったなあというのが心配なところ。それ以外は、相変わらずのテンポの良さや構成のよさもあって、安心して楽しめる冒険活劇。
この手の話ではどうしても避けられないものの、そうではない面白さというのを目指してほしいな。まあ、原作次第なのでわからないけれど。
■ 僕の心のヤバいやつ
もうね、さっさとふたり付き合っちゃえよ!
というくらいには楽しい、かわいい、いじらしい。まったくもう。
とはいえ二期もやるらしいけれど、ほとんどもう付き合ってしまっているから、そうなるとこういうラブコメは面白みが終わるというのはあるよね。
まあ、山田の天然はどうあってもかわいいからよいのか。そうか。
■ かぐや様は告らせたい ファーストキッスは終わらない
なにやら特番というか OVA 的なものだったらしいのだけれど、うーん、なんとも余分というのが正直な印象というか。
これもまたつきあい始めてしまうとつまらなくなるというジンクスからは逃れられないのか。
■ スキップとローファー
今期の癒し。毎回しあわせな気分にさせてくれる良作だった。
いや、心のとげにぐさぐさくるところもあったけれど、それをきちんとのみくだして中和してくれる展開のすばらしさ。
PAWorks はこういうの作っていればいいんだよ。というお手本のような作品だった。
ほどほどの区切りとはいえ一期だけで終わってしまうには実に残念な作品だった。
もう良作のつまみ食いはやめて。業界さん。
■ 君は放課後インソムニア
まったく関心がなかったのだけれど、なんのときだったか天文が関係すると知って、それならば少しはと見始めたら本格的に天文ということではないものの、そこを舞台装置としてそれぞれのやや重い過去を抱えた男女ふたりが出会って、そしてお互いの存在を大切に思い始めていくという点では純粋な物語。
いわゆる美人とかではないキャラクターデザインもまた好感が持てて、イサキちゃんはとてもかわいい。アニメならではの表現の楽しさも十分に活かされていた。全体の構成も必要十分で、妙に駆け足でもなく、無駄にのんびりでもなく。それぞれのエピソードが少しずつふたりの気持ちを近づけていく思い出になっていてよい。
最後は少し現実的でハードな展開も入れ込むのかと思っていたら、それよりもふたりの関係、心の動きといったものを優先した演出になっていたのもまた好感が持てた。そういうところがリアルにはいってしまうと、せっかくの空気感が台無しになってしまう。それはそれとしてわからせたうえであえて表現まではしない。その割り切りが最後の後味をよりよいものにしてくれた。
原作そのものはまだ続いているようでもあり、よい区切りとしてここを選んだのだろうし、作品の終わりとして申し分はない。それでも、もう少しこのふたりの行く末を見ていたいなと思わせる心地よい佳品であったのは間違いない。
唯一気になったのは、最後ふたりの夏休み合宿。おそらく7月末から8月はじめと思うのだが、石川県ではアジサイが満開なのだろうか? さすがにそれはないのではなかろうか、と思ったりはした。架空の北陸ではなく、あくまでも七尾市を舞台としているので、そのあたりはしっかりしていてほしいようには思うのだが、実際どうなのだろう。
■ 天国大魔境
あまりに評判がよいので途中から見始めた。とてつもない設定と、余計な説明はいれないというスタンスが話を面白くするというよい例となる作品。
学園の話と廃墟の話と、はたしてどちらが過去なのか未来なのかとかわかったようなわからないような序盤から、少しずつ「なるほど」と自然に理解させていく構成の妙。
キルコが「僕、脳みそは男なんだ」というというので、性同一性障害とかいう方向だったかと思っていたら、あさっての展開で「そうきたか」とうなってしまった。そしてそれが最終話にむけて悲しいかな活きてくるあたりも秀逸。まあ、できれば原作とは違っても少し違う展開を期待したのではある。
キルコとマルの不思議な感情と関係と道中と、この世界の理にたどりつくためのヒントやネタがこれでもかとひたすらに提示されるだけされて、忽然と終わってしまった。
たぶん、二期はもうない。本当、良作のつまみ食いやめて、アニメ業界!
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