「ことばと算数 その間違いにはワケがある (岩波科学ライブラリー 312」を読んだ
どこで見つけたのかは忘れてしまったが、タイムラインのどこかか、はたまた岩波さんのアカウントのほうだったのか。今年のはじめころだろうとは思うが、もうどういう経緯であったかは忘れてしまった。
小学校のテストとかでよくある話題、かける順序の問題とかに関係して算数の文章と数学的な意味との考察をまとめたもの。著者は数学者ではなくことばのほうの研究者。ちょうど小学生の子供さんがいるということで、ネタの提供にも役立ったということらしい。
はじめのほうは割とよいのだが、中盤から終わりの方になるとどうも今一つな感じがしてしまった。「かける数」「かけられる数」とかいうので異なる表現が成立してしまうというのだが、これはそもそもおかしい。その前につく助詞を省いてしまっているのがそもそもおかしい。そこがなければ意味が変わってしまうのは明白なわけで、切り取る場所がそもそもおかしい。それでいて同じ表現ができてしまう不思議みたいに書かれても。
というようなことが終盤にかけて延々続いてしまい、どうもしっくりこないものを残してしまった。ただ、学問的にこの手の研究、調査というのが世界でも行われているという事実であったり、同様な事例が世界のあちこちで見られるということから、ヒトとしての普遍的ななにかが存在するのかもしれないというところはありそうで、興味がないわけではない。
期待のほうが大きすぎたということなのかもしれない。
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