「ことばと算数 その間違いにはワケがある (岩波科学ライブラリー 312」を読んだ

 どこで見つけたのかは忘れてしまったが、タイムラインのどこかか、はたまた岩波さんのアカウントのほうだったのか。今年のはじめころだろうとは思うが、もうどういう経緯であったかは忘れてしまった。

 小学校のテストとかでよくある話題、かける順序の問題とかに関係して算数の文章と数学的な意味との考察をまとめたもの。著者は数学者ではなくことばのほうの研究者。ちょうど小学生の子供さんがいるということで、ネタの提供にも役立ったということらしい。

 はじめのほうは割とよいのだが、中盤から終わりの方になるとどうも今一つな感じがしてしまった。「かける数」「かけられる数」とかいうので異なる表現が成立してしまうというのだが、これはそもそもおかしい。その前につく助詞を省いてしまっているのがそもそもおかしい。そこがなければ意味が変わってしまうのは明白なわけで、切り取る場所がそもそもおかしい。それでいて同じ表現ができてしまう不思議みたいに書かれても。

 というようなことが終盤にかけて延々続いてしまい、どうもしっくりこないものを残してしまった。ただ、学問的にこの手の研究、調査というのが世界でも行われているという事実であったり、同様な事例が世界のあちこちで見られるということから、ヒトとしての普遍的ななにかが存在するのかもしれないというところはありそうで、興味がないわけではない。

 期待のほうが大きすぎたということなのかもしれない。

 

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「数学ガールの秘密ノート ビットとバイナリー」読んだ

 読んだといってもしばらく前になってしまって詳細を忘れてしまうくらい。

 とはいえビットとバイナリーということでコンピュータ的思考の一助という感じではある。

 といって単純なところで終わらないのがこのシリーズか。論理演算とかはいってきて、最終的にはきっちり数式バリバリに持ち込むあたりはさすが。

 それにしてもイベント参加目前にして一緒にインフルエンザにかかって欠席を決め込む主人公とミルカさん。直前にふたりでいったいなにをしていたのかしら? もう早く付き合っちゃえよ、とか、さっさと結婚してしあわせな数学生活を営むふたりを描いてとか、いろいろ妄想を助けていただきありがとうございます。

 このところは箸休め的に読むことが多くて(物語と違って連続性はまずないので単品で読める)間があきがち。次はいつになるやら。

 

数学ガールの秘密ノート/ビットとバイナリー (数学ガールの秘密ノートシリーズ)

 

 

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「蜂の奇妙な生物学 生物ミステリー」を読んだ

 coco さんが大量のイラストを長きにわたって描き続けた結果ということで、ようやく手にした。見開きの右側に本文、左側に関連したイラストという構成で作られているのでほぼ半分はイラストということで、これは苦行だったろうなあと勝手に想像してしまう。お疲れ様です。

 おおざっぱに言えば蜂にまつわるトリビア本とでもいうのが正しいかと思う。冒頭では蜂というものについての基本的な、そして意外と理解されていないであろうことについて割と丁寧に解説されている。文章量もそこそこ多い。つづく各章ではテーマ別にさまざまなトリビアが紹介されていく。よく知られたこともないではないが、生態など知らずにいることも多いし、実は生活に密接にかかわっているということのいろいろを知ることにもなってなかなか興味深い。

 難を言えば、本文に改行がなく、いささか読みにくさはある。情報量をどうしても削れなかったのだろうけれど、やはりそこはもう少しがんばるか、構成そのものを工夫するかしたほうがよかったのではないか、とは思う。

 トリビア本なので、無理にはじめから読む必要はないので、パラパラとページをめくっては、気になったところを拾い読みするということでも楽しい。

 「ずかん ハチ」と合わせれば、入門書としては、なかなかに完璧な布陣ではなかろうかと。

 

*ちなみに「いきものがく」であって「せいぶつがく」ではない、というのもポイント

蜂の奇妙な生物学 (生物ミステリー)

 

 

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「足もとの楽園 ちっちゃな生き物たち」はよいぞ

 たしか coco さんが RT したとかのツイートだったのだろうと記憶する一冊。

 粘菌とかコケとかで生活している小さな生き物たちの写真集。トビムシとかダニの仲間だったりが多いようなのだけれど、その小さな世界で実に多彩な姿かたちをしているのを知るとなんとも愛らしい。

 トビムシというのは、たまに屋内でもみかけるあの仲間なのだろうかと思う。ぴょんぴょんとはねて見る見る消えてしまう。その姿がクロースアップで見れば、そんな様であったのかと思うと生き物の不思議も実感する。

 粘菌やコケの生態のおもしろさもあらためて感じたり。

 たしかにダニについてはあまりよいイメージはないし、できれば関わりたくないと思うのも事実。とはいえ、たとえばコンクリートによくみられる真っ赤で小さなタカラダニなどは人体に害はないという。その動きを観察しているとそれなりに面白かったりした経験はある。

 それにしても小さな世界なので年寄りの目には肉眼で観察するのは難しいであろうし、やはりここはちゃんとしたマクロ撮影のできるカメラが欲しくなってしまう。いや、それは本末転倒なのではと思うものの、そう思わせてしまうかわいさがこの本にはあるのだった。

足もとの楽園 ちっちゃな生き物たち

 

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「数学ガールの秘密ノート 行列が描くもの」

 こちらもまた記録しておいて書くのが遅れてしまった。

 ということで記録だけ。

 いや、今まで行列は苦手意識があったのだけれど、少しわかってきたような気はする。

 気はする・・・。

 

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「数学ガールの秘密ノート 積分を見つめて」

 読み終えてリストに追加したまま時間が過ぎすぎてすっかり忘れている。

 ので、単に記録だけ・・・。負けた。

 

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「数学ガールの秘密ノート やさしい統計」読んだ

 秘密ノートのストックがたまる一方なので少し消化するためにひとまず読むという方向に。

 とはいえ、「ほほう、なるほど」とその時は思うものの、なかなか手を動かすことをしないので身につかない(しろ!)。

 今回は統計。冒頭こそいわゆる「統計の嘘」をどう見抜くかというあたりなのだけれど、以降はしっかり統計について履修することになるのでなかなかハードではある。

 もちろん、それによって統計とはなにをしているのか、その用語の意味することはなんなのか、といったところを数学的にきちんと解明してくれるので全体的な意味の理解は進む。

 現代において「学ぶ」とは、搾取されないために学ぶという意味合いのほうが大きいようにも思うので、いろいろなことに興味を持って、覚えていないまでも「そういえばなにかあったな」と調べなおすきっかけを持っておくことは有益。

 それにしても、いい加減ミルカさんがやきもち焼いてしまうぞ、僕君。

 

数学ガールの秘密ノート/やさしい統計 (数学ガールの秘密ノートシリーズ)

 

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「数学ガールの秘密ノート 場合の数」を読んだ

 数年前に大量にまとめて買った本のひとつ。少しずつ消化。

 数えるということをテーマにして、数えるとはどういうことか、どう数えなくてはいけないのか、なにが問題となるのかといったことを例を変えながら数学的に思考していく過程。

 ミルカさんが登場すると、とたんに場の空気がシャキッとする感じ。それでいて’僕’にたいしては、ときどきシャイになったりしてかわいい。早くミルカさんと僕のいちゃラブな結末を書いてくれないかしら。

 数学的な思考、科学的な思考、そしてその思考をささえる正しいそれらの知識。そうしたものが無益なようでいて、明るく平和な生活のための礎になっているということを知らないままにいると、悪い政府や金持ちに騙され搾取されるだけの人生になってしまうよ。

 数学は大切だ。

 

数学ガールの秘密ノート/場合の数 (数学ガールの秘密ノートシリーズ)

 

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「プログラマの数学 第2版」を読んだ

以前まとめ買いした本の消化が続く。結城浩さんの「プログラマの数学」。

確かにプログラムには数学的な考え方も重要なのではあるなとあらためて読んでいたら、意外と基本的なところを繰り返していて、なるほどと思った。

当たり前のように使っていた考え方というのも数学的に学びなおすと理解も変わってくる。

幸いにしてそこまで高度な数学を求められているわけではない(巻末の機械学習の概説部分を除けば)。ということで、あまり身構えなくても理解は進むはず。

こうした理解をしたあとでプログラムに取り組めば、以前とは少し違ったアプローチであるとか、よりよいアイデアといったものも生まれたりするだろうか。

残念ながらまれにしかプログラムしない自分には、それを実感することは難しいかもしれない。

巻末に参考図書がでていて、そこに「オイラーの贈物」がでていた。が、出版社が東大出版会で、不思議に思っていたら、どうやら筑摩書房の文庫版も絶版となり移っていたらしい。が、それすらも今では別の版元に移っているというのを調べてみて知った。

とはいえ、良書が絶版のままにされずに版元を移ってでも残されているというのは、ありがたいことだ。

が、自分は通読したとはいえ、とても理解できたレベルではないので、いずれ再挑戦したい。

 

 

プログラマの数学第2版

 

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「暗号技術入門 第3版 秘密の国のアリス」を読んだ

時々思い出したようにまとめ買いしたものを消化するターン。

ぶ厚さからなんとなく後回しにしていたのに、読み始めたら寝る前読書というのに案外早く読み終えた。

難しい数式とかはなしでとはいえ、その仕組みに関わるところは簡素な例もだして確かめながら進めることができて、なるほどそういうことかと納得できる。

もちろん、キモのところとか肝心なところはもっともっと複雑なこととかあるのだろうけれど、そういうのはまあ置いておいて概略としての暗号技術の仕組みを理解できるという点ではなかなかすぐれものなのでは。と、素人としては思う。

歴史的な暗号から大戦中のエニグマとかも紹介しつつ、近代の暗号技術へとしっかり導いてくれていて、いままでなんとなくただただ「暗号」というブラックボックスを信用するというだけだったものが、実際どう動いていたのか、といったあたりへの理解は少し増した。

残念ながら十分理解したといえるほど理解できてはいないけれど、これまではおぼろだったものが少し霧が晴れた、そんな感じ。

インターネットの時代になって今では日常的に使われている暗号技術は、利用者には本当に気にされずにひっそりと情報を守ってくれているわけで、なるほどなあと。そして、それを知るからこそ、自分がなにに気をつけなくてはいけないのか、を知ることもできるように思うので、多くの人が読んでおくべき一冊といってもよいのでは。

 

 

暗号技術入門 第3版

 

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