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2025 年夏アニメ、見たもの記録

■瑠璃の宝石

 特にチェックしていたわけではなく見てみたのだったか、ともかく横手美智子さんが構成されているというのなら間違いなかろうというので見た初回が本当によくてすっかりはまった。

 鉱物というとてもマイナーな世界を描いた原作をおおむねそのまま持ってきているのだけれど、原作そのものが妙に「説明しよう」にならずにそれでいて必要十分な説明を言わせていて、それが見事にアニメーションに取り込まれていて気にならない。話にしっくりととけてきてくれる。

 わけても背景への異様なほどのこだわりはテレビシリーズとしてはやりすぎというくらいなので、劇場版クオリティをテレビに持ち込むことに大きな批判を持っている関係者からは非難ごうごうとしそうなくらいだ。鉱物の世界をより魅力的に描きたかったという意図は十分に伝わる。まあ、低予算だろうによくここまでとは思う。

 原作からのより分け(シリーズ構成)はやや飛ばし気味ではあるけれど、これはまあ4巻の温泉回を最後にしたいというようなことのためにやや飛ばしたということなのかもしれない。温泉回そのものも原作では鍾乳洞やらあれやこれやで三回分くらい使っているのでてっきりアニメも二話くらい使うのではと思っていたが、あっさりと最終話だけだった。それだけにやや駆け足すぎてもったいないところはあった。その前にオリジナルで鉱石ラジオの話を入れたのもあり。ここを半分にとどめて後半から温泉回にしてもよかったのではないかな、と思ったりはする。

 鉱石やら地学やらの話をおりまぜつつ、小難しくなく、日常的な知識や教養の範囲で楽しみつつ豊かになるといった雰囲気が全体を覆っていてとてもよい。とはいえ、話題にしたのは、そもそも方面に興味のある人とかのごく一部ではあったのだろう。まして、凪さんのデザインがあまりに巨乳であったがためにある意味反発を招いた部分は否めない。フィールドワーク大好きな凪さんなので腰や太もものたくましさは原作のそれよりもむしろよいのだけれど、胸に関してはちょっとやりすぎてしまったというのは実際ある。とはいえ、こう言ってはなんだが原作よりもデザインが総じてよくなっていたので一部で人気が高まったのは事実。まあ、高校生が小学生にしか見えないというのは残念ではあるけれど。

 原作はようやく 7 巻がでたところで年に一冊のペース。二年くらいあければ二期作成もできなくはない分量ではあるけれど、ちょっと厳しいかな。科博の協力も得ていたことや、コラボ企画をしたりもあったので、むしろそういう方面で今後も展開していったらよいのではないかな。

 よい作品だった。

 

■Turkey!

 ボウリングアニメの顔をしていたはずなのに、いきなり戦国時代に行ってしまい半ばを過ぎたところでボーリングして温泉を掘り当てるとかいう話になって、終わりのほうではなんどか(ある意味)自由に現在と行き来して「みんな一緒に帰ろうね」になるという展開で。まあ、ハッピーエンドはよかった。

 冒頭の姨捨駅で手紙を見ている場面に戻ってくるあたりは、そういう展開設定なのねとわかるところはきちんと最後まで考えていて近年のオリジナルにありがちな投げっぱなしのダメな作品と比べてよほどましな作品だったというのはいえる。

 その点では当初の心配をよそに思いのほかきちんとしていた作品だった。そこはよかった。

 ただ、まあ、これで千曲市の宣伝になるかというとまったくといって感じ。空想の戦国時代の話ばかりなので見慣れた景色がというのもあまりなさそうだし、卒業式の三月に桜は絶対に咲かない土地だし、とかとかいろいろ。

 戦国時代の手作りレーンでストライク出すとかそもそも無理なんじゃないかというのも、まあなくはない。そのあたりはフィクションなんだからで多めに見てではある。オープニングを姫たちバージョンにするとかいろいろ工夫とか遊びとかはほどほどによかったので、全体としては当初の心配をよそによい作品だったのではないかな。まあ、宣伝にはちょっとなあ。

 

■ダンダダン二期

 中途だった一期最後の続きという点はよかったものの、この手の作品で避けられないドラゴンボール症候群からはやはり逃れられないようで、とにかくその連続でしかなくて少し興ざめしてきたところ。続きという半端さで終わったわけではないものの、三期もあるようではあるけれど、このまま延々とこの繰り返しでしかないとしたら、そろそろいいかなあという感じはしている。

 

■ふたりソロキャンプ

 2 クールあるという話も目にしているのでわからないけれど、一応終わっているようなつくりではあった。どちらかというと可もなく不可もなくという作品。というか、キャンプ物知りのおっさんが若い女の子にどや顔して好かれてみたいという願望丸出しみたいな作品でしかないので、あまり長々やってもなあという感じではある。

 ゆるキャン△とは違って、どちらかというとキャンプガチ勢向けという面はあるけれど、妙に人生哲学とかいろいろ語りたがりなのが少し邪魔に感じてしまう。悪くはないのだけれどなあ。

 

■ぬきたし The Animation

 エロゲ原作をアニメにしたところで面白くはならないなという典型か。規制解除を狙って円盤予約だけは大人気らしいけれど。

 

■青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない

 相変わらずでよいのだけれど、最後のサンタクロース編だけは少し尺が足りなかった。エンディング無くすよりもオープニング無くしたほうが尺が取れたのでは。というか、もう一話分くらいは欲しかったな。だいぶいろいろ端折らざるを得ない状況になっていた。それでもきちんとまとめてくださる横谷さんの手腕に感謝しかない。

 残るは 2 作なのだがまとめて劇場版にするらしい。実際上下巻というくらいの話なのでそれも妥当。とすれば 120 分前後にするしかなかろうな。公開は来年の夏から秋、もしくは冬か。終わってしまうのか。

 

■その着せ替え人形は恋をする二期

 原作を相当な勢いで飛ばして構成していたらしく最後もちょっと急ぎ足な感じ。続きの話は今回も(一期同様)すぐにはでないようで、原作は完結しているのでさてどうなるのだろう。最後までやって欲しいようには思うけれど、ちょっと急ぎすぎたのではないか。

 ということでいずれ原作もちゃんと読もう。(と思いつつ今)

 

■雨と君と

 アニメ化の話は見ていて、なんだろうなと思っていた。見たら案外よい。静かな感じも実によい。どう見ても狸なのに「犬」と本人も回りも主張しているところがなんともいい。文字を書く、筆談できる狸。なにもの。

 そんな、不思議な空間と時間がひたすら流れるだけの穏やかな時間。貴重な時間。よい。

 

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