« ネジザウルス様様 | トップページ | 「蜂の奇妙な生物学 生物ミステリー」を読んだ »

「飛び立つ君の背を見上げる」を読んだ

 単行本で出たときにも気にはなっていたもののそのままになってしまい、今回文庫になったというのでいい加減読まなくてはということで購入した。なかよし川世代の四人をめぐる掌編の集まり。メインとしては夏紀ということになるのか。夏紀目線というか。

 コンクールも終わって、三年生としては部活を引退して、さてあとは春の卒業までのモラトリアム的な時間を描いたというところ。幸いにしてみぞれ以外は早々に進学が決まったという流れなのでそういう感じになる。本編では語られるはずもない物語たち。

 しかしながら、この四人の絶妙ともいえる関係が十分ひきだされた物語たちなので、それぞれのその後も含めて実に幸せな時間を共有できる。まあ、現実ではなかなかそうもいかないかもしれないし、そうでもないかもしれない。とはいえ、そうした時代をとうに過ぎた者としては、懐かしさとともに憧れのようなものもまた感じてしまう。

 こういう掌編も OVA にしてくれたらうれしいがなあと、つい思ってしまう。久美子三年生編もまもなく終わり。きちんと最後までアニメ化するという稀有な作品ともいえそうか。昨今はつまみ食いばかりだから。

飛び立つ君の背を見上げる (宝島社文庫)

 

|

« ネジザウルス様様 | トップページ | 「蜂の奇妙な生物学 生物ミステリー」を読んだ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« ネジザウルス様様 | トップページ | 「蜂の奇妙な生物学 生物ミステリー」を読んだ »