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2024 年冬アニメ見たもの記録

■ 葬送のフリーレン(2 クール目)

 とにかく脚本、演出、作画、音楽、その他映像作品としてしあげる作業すべてを通じてとてつもない熱量で作られていて毎話圧倒された。

 原作未完ということもあって、さあいよいよ大変な地へ一歩踏み出すよというところで終わるというのもシリーズ構成としてはよいし、惜しまれつつ終わるという王道をしっかり踏まえている。

 なによりやたらと「説明しよう」にしすぎないというのは見ていて小気味よい。動作やしぐさで補完するという技術もすぐれていた。

 一方でまじめになりすぎずに適度に笑わせる演出がちりばめられていたことも単調にならずに見せてくれるという点でもよく、そこは声優さんの演技にも助けられているところは大きい。

 難をいえばぷんぷんフェルンを多用するとそこはフェルンがかわいそうでもあるし、もう少しおさえてあげたほうがよかったのではと思わないでもない。

 エヴァン・コールさんはじめとした音楽方面も画面にあっていて総合的に評価の高い作品だった。原作としてはまだ十分続きを作れる余力はあるようだけれど、他の作品にくらべてそういう動きは弱いらしく、おそらく当面(というか将来的にも)つづきの製作はないのではという感じがしている。残念ではあるけれど。

 どのみち旅の最後を見届けることはとうてい無理なのでこのくらいがほどよいのかもしれない。

 

■ 薬屋のひとりごと(2 クール目)

 当初はあまり期待もしていなかったのに、案外楽しく見てしまった。とはいえ後半は結局罠をしかけたものについてなにもわからないままに猫猫の生い立ちに関する問題だけを解決したにとどまってしまったので、そこはなんとも物足りなさを覚える。

 作画にしても丁寧であったし、柿原優子さんが脚本統括をされていたのもあって統一感のある展開が最後まで維持された。すでに二期の発表もあってさてそこでどの程度まで描かれるのか、原作は知らないのでわからないものの、この後半の事件の解明にまではこぎつけてほしいかなとは。

 ひとまずは次を心待ちにして。

 

■ 僕の心のヤバイやつ 2期

 もう本当破壊力強すぎるので勘弁してってくらいよい作品だった。まったくこれが中学生だと、けしからん!(誉め言葉)

 

■ メタリックルージュ

 オープニングやエンディングを含めて実にスタイリッシュでかっこいい画面作りや演出が光る作品ではあったのだけれど、完全オリジナルなるの宿命というのか、きちんと描き切る気力というか覚悟というかはやはりなく「俺たた」エンドでいいじゃないという割り切りで終わってしまって消化不良。

 さらには最後の最後で説明しようのオンパレードでこれもまたげんなりしてしまう。SF 方面の設定のために宮武一貴さんとか堺三保さんとかも参加されていてかなり力が入っている感じだったのだけれど(実際力はいりすぎなくらい)、そうした力が逆にきちんと物語として一筋の方向性で終わるということを阻害したのではと思わないでもない。

 設定の素材の面白さはあるのに山門芝居みたいになってしまった。ネタを出すだけだしてあとは知らんという感じは他の類似ダメ作品とさほど変わらない。

 救いとしてはコスチュームデザインに 山田章博が強力しているのでかっこよさにプラスされた衣装が作品をひきたたせてはいた。

 はるかに高度な技術を持った異星人がもたらした技術に逃げてしまうのはほんとうよろしくない。そのうえ話は中途半端で終わりとかもうねアイデアの無駄遣い。きっちりと終わらせる気がないのならスタッフの無駄遣いなのでもうやめてほしいという思いも。映像はよかったのにね。

 

■ ダンジョン飯

 連続2クールとのことでまだ前半だけ。とはいえ案外あっさりとドラゴンに食べられてしまった妹を救出はしてしまい、あっけない感じはある。

 まあ、まだ不穏な展開のままなので終わってないわけではある。正直、悪くはないが絶賛というほどでもない物語なのかなあという印象になるのはアニメーションとしての面白みにややかけるためか。原作人気は相当に高いので。

 

■ 勇気爆発バーンブレイバーン

 メインキャラクターデザインをしたかも仮面さんのかわいいキャラが動くというだけでよいか。

 話自体は収集も脈絡もなく終わらせてしまった感が強くてどうにも後味がよくない。時間をあちこちで逆戻りさせてしまったりとかやるとどうしても話の整合性に齟齬が生じる。

 そもそも発端とか結末とかあまり考えてないというのはゲーム会社製作の SF アニメーションにありがちなのだが、勢いを除けば今回もそういう面は否めないまま。

 結局「なんだかゲームおもしろそう」って雰囲気だけだせれば成功というアニメなのでなんだかなあというのが素直な感想。

 かもさんキャラが動いたのを見れたというのが満足。

 

■ ゆびさきと恋々

 評判としてはあまりでてこなかったけれど、地味によかった。耳がきこえず手話を使うということで配信でも字幕をきちんとつけていたのは好感がもてる。

 展開としては実にあっさりとシンプルにではあるけれど、誠実に物語に向き合っているという感じは強い。不穏な人間関係もさくっとまるめてしまうキャラクターによって 1 クールとしてはすっきり収まった。

 良作ではあるけれど(映像作品の作りとしても)、おそらくこのおさまりのまま終えたほうがよい作品かもしれない。原作は知らないのでもっとよい展開とかもあるいはあるかもしれないけれど。とはいえ、手話を覚えてみようかと思わせてくれるくらいには影響力の強い作品ではある。

 あるいは原作タッチのキャラクターデザインであったらもう少し人気がでたかもしれない。

 

■ 外科医エリーゼ

 どうやら原作は韓国の縦読み漫画らしい。そのためになんだか背景での文字が日本国内なのにハングルだったりして奇妙だったりはした。

 転生してまた転生するという展開とか、おそらくは世界そのものがまったく異なるのに同じ医学技術が通用するとかいろいろちょっと微妙に感じる設定とかはあるものの、総じては悪くなかった印象で終わった作品。

 まあ、ちょっと優秀すぎるきらいは否めないけれど。

 アニメーションとしてはどちらかというと稚拙なスタジオという感で、ゆえに映像作品としてはまだまだというところは多かったもののシリーズ構成が赤尾でこさんだったので全体の統一感は十分。

 しかし、これもまた話が半端なところで(悪くはないものの)終わってしまうのでちょっともやもやしてしまうが、1 クールではどうしようもないし、2 クールできる作品かというとスタジオの体力的にもきびしそうかな、などとも。

 

■ 治癒魔法の間違った使い方

 これまた期待などないままに見始めたらどうも設定というか発想がなかなかおもしろくて、これはどう使われるのかを見極めたくてつい見ていたという感じ。

 結果的にはそれは最後に顕現したのでもはや出落ちとなってしまったので、これ以上展開しても普通の異世界ものにしかならないという点はある。実際物語としてはあらたな展開をはじめるというところで作品は終わったわけで、続きを作るのかどうかはわからないが、おもしろそうなネタもあるけれど、もはやタイトルの魅力は半減以下なのでハードルはあがったという感じ。

 原作は続いているらしいけれど、さて、続きを作るのかどうなのか。

 

■ 道産子ギャルはなまらめんこい

 6 話くらいまでは見ていたのだが、どうにも展開のマンネリがつらくてやめてしまった。スタジオのレベルとしたらさほど高くはないという感じではある。もう少ししっかりした技術を身に着けてから制作してねという感じも。

 

■ 魔法少女にあこがれて

 これも治癒魔法同様に設定の発想の面白さではよかったのだけれど、毎回ただの SM アニメになってしまって早々にやめてしまった。一部コアなマニアには受けていたようだけれど。そういうのは OVA でいいのかなとも(そのほうが制約も少なかろう)。

 

■ 魔女と野獣

 大地葉さんというので見てみたのだけれど、どうも好みでないのでこちらも早々にやめてしまった。

 

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