「詩歌川百景 3」を読んだ
冒頭で鎌倉から戻ってきたという様子があるので、さて、そういう展開はあったのだろうかと前の巻を探していたらどうにも 3 巻が見つからない。おかしいな、買い忘れたか? とか思ってよくよく見れば、今回買って読んでいるのが 3 巻ではないか。いやはや。
精神を病んであやしい宗教方面に貢いでしまっている母親をめぐる展開は、多少なりともそうした被害を知っている人にとって痛い話でもある。本当にこの手の輩の憎らしいこと。なぜ、母親がそんなものを信じてしまったのか、理由を知りたいという問いに診療所の女医が答えることばが実に納得する。
「あえて言うなら
ありえない形の ジグソーパズルの ピースが あらまビックリ! ぴったり ハマっちゃった
みたいな 感じ?」
村社会のよいところも悪いところも見事に物語に織り込んでいきながら、こうありたいよねという方向を目指すという物語を描くとうまいなあ。
きれいごとだけではやっていけない。あきらめだけでは辛すぎる。だから、一生懸命もがくのだろうな。「海街ダイアリー」にも通じるというか、脈々とつながる物語なのだなとあらためて実感する。
現実はそう簡単ではないけれど。
ああ、また一年待たなくてはならないのかあ。
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