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2022 年秋アニメ、見たものまとめ

■うちの師匠はしっぽがない

実はあまり気はなかったのだけれど、たまたま見てみたら案外よかったので最後まで。落語ネタをネタにした人情噺といったところで、狸が化けたまめだが主人公ではあるものの、師匠となる文狐(ぶんこ)にまつわる物語でもある。むしろそのあたりのほうが面白い。

オープニングテーマの「わたしの尻尾はつかませない」という歌詞が効いている。

構成としては後半の文鳥(文狐の師匠)の遺言的な話からのまめだ試練の展開は少し扱いが難しい。尺稼ぎ的なところもあるし、これをいれずにいままで通りにのほうがという感じもある。師匠文狐の秘密的なところを納めたかったのかという感じはあるが、シリーズ構成としては、反省もありそうなところ。

キャラクターのよさと人情噺としてのよさは十分なので、もう少し人気がでたらという作品ではあった。

 

■ぼっち・ざ・ろっく

「リコリス・リコイル」の後枠としてはじまったのもあるが、初回を見て一気に引き込まれてしまうある意味実験的な作品。その遊び方が心地よいのもあって途中からはじけたという点でも「リコリコ」によく似た展開になった。

人付き合いが苦手で、ひとりこもって父のギターを練習していたら上達してしまったものの、それをアピールできるわけもなく、くすぶっていたところをたまたま強引に誘われることでバンドデビューすることになってしまうぼっちちゃんの物語。

ぼっちのキャラクターを生かすべく、アニメーション手法すらいろいろ遊んでいて、さらに声をあてた青山吉能さんがはまりすぎていて、それもあって途中から急速に人気を高めた。

最終的には年間ベストと言われるほどの人気作になってしまって、初期のユーザーとしては狐につままれたかというような展開。物語としてもクライマックスの学園祭ライブを最終回前半にもってきておきながら、新しいギターを買うという展開でまたひとしきり遊んだあとの最後のセリフが「きょうもバイトかぁ」である。

思わぬ大金を得て「よし! バイト辞めよう!」と息巻くも、その一言を言うことができないままにバイトに通うという日常に戻って終わるあたりいかにも作品らしい。

なによりアニメ「BECK」でもそうだったけれど、音楽をあつかった漫画原作をアニメ化したときにネックになるのは音楽そのもの。そこを見事に完成させてしまっている力のいれようが、そもそも作品の成功を約束していたともいえるし、逆にそこまでしたのでヒットしてくれないと困るというのもまた制作サイドの本音だったのだろうなとは。実際大成功である。

二期を求める声もあるようではあるけれど、楽曲のことを思うと、そうそう二期は望めないだろうなとは思うし、ここで終わるのが程よいのではと思ったりはする。

 

■ヤマノススメ Next Summit

シーズン 3 あたりは、もういいかなと思ってあまり見ていなかった。今作の冒頭はこれまでの総集編というのもあってよけいにもういいかという感じではいた。

ただ、評判がよいようなので(特にオープニング、エンディングあたり)それではと見たら、なかなか力のはいった作画がなされていて、結局途中からは最後まで。

一度高山病で断念した富士登山に再挑戦してついに山頂にたどりつくというところまでを描いたと思ったら、エンディングで二年経過して高校卒業まで描いてしまうという展開に少し唖然。

どうやらこれで一連のアニメ化をいったん終了するという意志表示らしく感じる。

まあ、「ゆるキャン△」みたいな感じもあってこれ以上やってもというのはあるかもしれない。とはいえ、当初は 5 分枠からのスタートを思うとずいぶん遠くまでやってきたものだというのはある。

 

■恋愛フロップス

二回目くらいまでは見たのだが、どうにも好みでないのでやめてしまった。どうやら VR 世界という設定だったらしいことが終わりのほうでわかるらしいが、それでもなあという感じ。なので作品そのものについてはなんとも言いようがない。ただ、それでもなおユーザーを引き込めなかったというのは、それだけでしかなかったとも。

 

■Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-

作品発表時には、大丈夫かと思ったのだけれど、はじまってみたら案外ゆるさとかわいさとそれでいて意外と工具の扱いや DIY への姿勢というのはしっかりしていて、ついつい見てしまった。

メインのふたりのうちの片方、ぷりんが部にはいるまでがあまりに長すぎてそこはちょっと遅すぎたのではという感が強い以外は、実によい青春物語だし、友情物語だし、ものづくりアニメだった。

ぷりんとせるふの関係はあり勝ちであるだけにもっとはじめのほうから仲間にはいっての展開でよかったのではというのは本当いえる。ほかの仲間も一話ひとりずつなのでそれだけで作品の半分以上を使ってしまったのもいささかもったいない感がある。

DIY に関しては監修も比較的しっかりしていたためか丁寧に作られていた。とはいえ、これでやってみようという人(特に女性か?)が増えるかというといささか微妙かもしれない。

しかし、「アイの歌声が聞こえる」にしても佐渡が舞台であったし、ものづくりというと今や新潟県界隈という認識が強いのかもしれない。(実際、三条市は盛んではある)

 

■うる星やつら

かつてのアニメ化はほぼオリジナルだけでやっていたらしいということもあり、今回は原作からもってきての作品らしい。今となっては少し古臭いイメージがないでもないけれど、テンポのよさといいキャラクターのかわいらしさとか声優さんの選択もなかなかよいので悪くはない。

ただ、そもそもが単発のコメディなので全体として長く続く物語のベースがあるというような作品ではなく(もちろん、関係のつながる物語もあるのだろうが)、いわばサザエさん的なもの。

ゆえに雰囲気だけわかったらもうそれ以上はいいかなと思ってしまったので 6 回くらいまで見てやめてしまった。これが一年続くのはさすがにちょっと辛い。一連の物語であれば結末も気になろうというものだけれど、そういう作品ではないので。なんで一年もやるのかしらねえ。

 

■宇崎ちゃんは遊びたい!ω

一期はそれなりによかった。が、同じ展開がそのまま続くとちょっとうっとうしさが際立ってしまった。ということで、これも二回目くらいまで見てやめてしまった。ある意味、恋愛ものはつきあうまでが面白いにも似て。

 

■アキバ冥途戦争

基本オリジナル作品しか作らない(前作の「パリピ孔明」は除く) P.A Works の新作。仁井学さんがキャラクターデザインというので一応最後まで見た。ちょっと疲れた。仁井さんは総作監にも名を連ねてはいるが、実際はデザインだけだったようだ。

なぜメイド喫茶でやくざの抗争をしなくてはいけないのかというのもあるけれど、なんだかなあ。脈絡なく抗争のようなギャグのようなイベントが描かれるばかりで、全体としての面白みがあまりなかった。いわば、民放のバラエティー番組のわるふざけコーナーを毎度見せられているような感じ。

あげく一番魅力的でキャッチーだった嵐子を最後の最後で殺してしまうとか、なんだかなあと。そして、エンドは大方の予想通りに 2018 年のアキバで車いすに乗りながらメイドを続けるなごみを出して「昔はアキバも物騒な時代があったんだよ」という話で終わるという脈絡のなさ。

なにをしたかったの? メイドからの冥途ならやくざの抗争でしょ的な短絡的な発想しかなかったのかなあ。仁井さんには、もっと違う作品に参加して欲しい。本当、仕事選んで(^^;

 

■SPY x FAMILY 2 クール目

分割された 2 クール目。結局本題の作戦のほうはさほど進展はないままに、それ以外の些末なエピソードを楽しむ作品に変わっていたのがこのクールという印象。

もちろん、品質は十二分なので楽しい、面白い。アーニャかわいい。なのだ。

が、終わってみるとそれだけなのかなとも。来年には二期シリーズと劇場版オリジナルが控えているらしいのだが、そこまで人気が続いているものやらという不安がないでもない。

 

番外:「恋は雨上がりのように」

AbemaTV にきていたのを見たらすっかりはまった。原作全巻も買ってしまった。渡部紗弓さんまでフォローしてしまった。どうしてくれるのだ! よかった。

 

 

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