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「アイの歌声を聴かせて」Blu-ray を買って、見た

昨年秋のタイムラインを賑わせていた劇場版オリジナルアニメ「アイの歌声を聴かせて」。ようやく円盤発売になっていたのに気づいて、少し迷いつつもおまけつきのほうを購入した。

昨年、公開時に何度も見ているというツイートや、ぜひ見て欲しいというのとか、いろいろ流れてきていて、「そうなのかあ」と思いつついた。熱烈なファンの行動もあってか上映館が増えたり、期間が延長されたりというのもあり、もうすっかり映画館へ行かなくなってしまった身にもそれなりに気になっていたのだった。

実によい作品だった。

いきなり歌いだすミュージカルアニメと聞いたので正直少し構えていたのだけれど、まったくの杞憂だった。

冒頭、漫然と見ているとそこまで気づかないが、終盤に冒頭映像に戻ってくる場面で「ああ、なるほど!」と膝を打つ。そんな演出も実に見事。

シオンが教室にやってきて自己紹介をといわれ、サトミの姿を見つけてツツーと近寄っていき「サトミ、今幸せ?」と言わせるシーンも終盤に効いてくる。シオンの素性に気づいたサトミが連れ出して「お母さんがどれほど苦労してここまでやってきたのかわかってるの」的に言うと、間髪を入れずに「しらない!」と答えるときと、その後同様に幸せの意味がわかっているのかと問うサトミにも即座に「わかんない!」と答えるシオンのそのタイミングと語調の見事さに、土屋太鳳恐るべし、とすら感じる。

シオンという存在は監督もいうようにとびっきり大きな嘘だが、そのほかの嘘は丁寧につくられたいかにも現実味のある嘘で、そうしたメリハリのつけ方のよさが物語を面白くさせてくれている。

劇場作品の 100 分あまりという時間枠があるので、ときにややうますぎる展開がないとはいわないが、そんな小さなことはどうでもよいと思わせてくれる全体の構成の妙。

終盤、シオンの秘密が明かされている場面はなかなかに涙をさそうけれど、正直「よりもい」のそれを思うとそこまでではなかった。だからといってダメだなどということはまったくなく、荒唐無稽ではあるものの、この作品ならそれは十分あるという結末へとなだれ込む終盤は圧巻だ。

少なくともこの瞬間だけは、幸せな気持ちを共有できる、そんな作品。

土屋太鳳、すごいなあ。

# 家のなかのあれこれが AI によって管理されている姿が描かれるのだけれど、これが実によく考えられていてこういう未来はちょっとうれしいなと思わせてくれる。(朝ご飯を作っていて、みそ汁の具材を刻んでいる時に「そろそろいれるよ」というと鍋の火を少し落として待ってくれるとか)

 

 

アイの歌声を聴かせて (Blu-ray特装限定版)

 

追記:

そうそう、エンドロールを見ていたら結城浩さんの「数学ガールの秘密ノート ベクトルの真実」がでていて、「えっ?」となった。

あわてて本を出してきて、どこだろうかと探したがよくわからず。しばし、考えるに、そういえば板書の場面があったなと思い出し、確認したらそうらしい(あとで結城浩さんによる昨年の Tweet も見つけた)。

20220803171232s

259 ページ、問題 4-3 がそれ。シオンちゃんすごいわ。

 

数学ガールの秘密ノート/ベクトルの真実 (数学ガールの秘密ノートシリーズ)

 

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