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「修道女フィデルマの采配」

発売からやや遅れて短編集を読み終えた。ひとつひとつが短いこともあるし、全体の長さとしても短めなので長編の分冊ひとつと比べてもやや薄い感じ。なので割とサクサクと読めてしまう。

一番好みなのは「狼だ!」。狼少年的なタイトルではあるけれど、当時の法制としての興味もなかなかなテーマ。事件の真相は察しがよければ途中で気づくとはいえ、やはり結末へいたる過程の面白さは秀逸。

わけても調査に赴いたところ誰もおらず、乳しぼりをされていない様子の牛を見つけると自分たちがまずやるべきことはこの牛たちのために乳しぼりをしてやることだといって実践するあたり。

「養い親」はやや後味が悪いが、それは事件の性質上どうしようもない。そしてまた、なかなかに現代社会にも通ずる深いテーマでもあって考えさせられるものがある。

「魚泥棒は誰だ」は少し趣をかえてややコミカルな結末が待っていて、それはそれでほほえましい。

「法廷推定相続人」は一番フィデルマシリーズらしい正統派な作品かもしれない。

「みずからの殺害を予言した占星術師」は、正直なところいちばんもやもやする作品ではある。

それでもバラエティー豊かという集まりなので、フィデルマシリーズ入門としてはいるのは、悪くはないかもしれない。

次は長編がくるだろうか。としても、さすがにそれだと時間が開きそうだ。再来年くらいになってしまうかな。それでも、楽しみに待とう。

 

 

修道女フィデルマの采配: 修道女フィデルマ短編集

 

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