「モダン・コンピューティングの歴史」を読んだ
邦訳刊行時に気になっていたもののそのままになっていて、数年前にようやく購入はしたものの、またぞろ読むまでに時間を要してしまった。このほどようやく読み終えた。面白かった。
かつての NHK スペシャルで放送された「電子立国日本の自叙伝」で、トランジスタが誕生し、それが半導体へと変わり、集積回路へと変化していく様が紹介されたけれど、前半というか中盤くらいまでは、おおむねその時代と重なる。
登場人物もその番組で聞き覚えのある名前が繰り返し登場する。
けれども、番組はそうした動きに日本はどうだったか、どう動いていったかといったところが主眼ではあったし、アメリカでの細かな動きといったものはそこまで詳細にはでてこなかった。そうした部分を今回補完するといった感じもあって余計に興味深く読んだ。
最後に追記するような形で Linux の勃興あたりにも触れられていて、それでも刊行から 20 年近くたった今となってはネットはさらに変化を遂げているし、ハードも手に収まるものにまで変化してきてしまった。いま、さらなる補完が書かれるとしたらどんな物語があるだろう。ある意味、ネットで見聞きしているリアルタイムが描かれたかもしれないが、ネットに見えているものは、世界のほんの一部の一部にしかすぎない。やはり、網羅的に書かれた書物というのは、いつの世にも必要だ。
この機会に「わが青春の 4004」とか日本におけるその手の書物も復刊されたりしないだろうか。
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