「BLACK FOX」
今月 8/1 から今月いっぱい期間限定で無料公開された 2019 年劇場公開のアニメーション。当時 PV をたまたま見る機会があって面白そうだなと思っていたのだが、近年は劇場で見るということがすっかりなくなったので忘れていた。
ということでさっそく見たら、冒頭狐面をつけた黒装束に終われる幼稚園児くらいの女の子。が、しかし、この子がなかなかのくせ者で互角に対峙する。緊迫の剣劇が終わり、すっと状況が明かされていく。
数年後 15 歳くらいとすっかり大きくなった女の子が自宅に戻ると、何者かに襲われていて、家族を殺されてしまう。ロボティクス技術を研究していた父親の同僚であった別の科学者の手によって。
復讐を誓って探偵事務所の助手という立場に身を潜めて敵地をさぐり、いよいよ決戦。敵の科学者は超能力研究を我が娘に行い、兵器として使っている。いつしか敵対する娘同志は心を通わせ合うようになるが、もはや狂ってしまった父親の意図によってふたたび自我を失った凶悪な超能力兵器とされてしまう。
どうにか彼女の心を取り戻し、狂人となった父親科学者を倒すことで一件落着かと思いきや、実は、その裏でもうひとりの敵がほくそ笑んでいた。というところで物語は終わり。
エンディングへの流れ方とかとにかく作りがハリウッド映画的で、実際スタッフロールもすべてアルファベットだし、スマートフォンで父親とやりとりするメッセージ分も英語。セリフは日本語ではあるし、制作も完全に日本のスタジオとスタッフ。しかし、どうもこれは世界展開を強烈に意識して制作されたものという感じ。
とにかく動きが実によくてかつての「ルパン三世」もの的な雰囲気も楽しい。街の人々は CG によるようで、多少ぎこちなさはあるものの悪くはない。やや性急すぎるきらいのある展開ではあるものの、ぐいぐいと引っ張ってくれるリズムがあるのでさほど気にならない。もっと見られてよい作品だと思うのだけれど、知られていないのかなあ。もったいない。
いまだ続編をつくるという気配はないようだが、Yuotube のコメント欄には「この機会にぜひ続編を!」といったコメントが並んでいるのでファンは多いのだろうと思うし、実際よく作られている。
が、なぜか特撮忍者アクション時代劇などという変なものは作って同時公開していたりするようで、このプロジェクト能力の無駄使いをしているのではないかという印象も。そんなお金があったらさっさとアニメ続編を!
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