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「人間は戦争をしたがる生き物である」

 NHK の終戦スペシャルドラマとしての「百合子さんの絵本」というのを 7 月 30 日土曜日に見た。最近はすっかり 21:30 くらいには寝る習慣がついてしまったので、どうしようかとも思ったのだが気にはなっていたので一応見ることにした。総じていえばまずまずよかった。

 スウェーデンに武官として派遣された小野寺。中立国であるがゆえにさまざまな情報がゆきかうし、またそれにともなって双方のスパイも暗躍する。親しくても誰が敵かはわからない。そんな中で日本の開戦を心待ちにする陸軍本部の思いとはうらはらに、冷静に世界情勢を分析し、日本は戦うべきではないという信念をいだいて情報を送り続けるが、本部の意に沿わない情報のためにほとんど唾棄されてしまう。

 そんなこともあってどうも小野寺の行動を不審に思うところから妻の百合子にもスウェーデンに行くように知人がすすめにくるのだった。そうしてまだ幼い子どもを残したまま(といっても末っ子だけは連れて行った)スウェーデンに赴く百合子。

 そこでの仕事は夫が本部あてに書いた通信文を暗号にかえて本部に打電すること。確かに情報からドイツの動きや戦況を本部に送るのだが、それもまた本部の意に沿わないため見向きもされない。しかし、実際その後の情勢は小野寺の報告の通りに推移するのだった。

 さらには戦局が悪化し、ロシアに助けをもとめるといったことを本部が考えているというのだが、ロシアはすでにアメリカなどと会談をもっていて日本に攻め入るということがわかっている。それでもやはり本部は聞く耳をもたない。

 終戦後ようやくにして帰国し、子供と再会。翻訳の仕事を得たりして余生を過ごすことになる百合子。それがムーミンの本の一冊だったらしい。スウェーデンから子どもにどうしても送ってやりたいといっていたかの地での美しい絵本がタイトルの由来。無事に届いていたが子供には読めない。

 小野寺はのちに出版社からの依頼で当時の武官たちの思い出話の会合に参加することになったが、結局虚しさをつのらせるだけに終わった。百合子はそれでもこうした事実は残すべきだからわたしたちで本にしましょうと。

 近年になってこうしたいろいろな逸話がでてくるようになって、当時の軍部の様子・実態というのがさらに明らかになりつつある感。いまさらではあるけれど、そうした人々が少なからずいたのだという事実もまた残しておくべきことなのだなとあらためて思った時間。

 とはいえ、ドラマとしては 90 分という長い時間にしてはやや物足りない感じがしてしまったのは、その時間軸が長すぎたからということかもしれず、それはそれで仕方ないかもしれない。悪いドラマではなかったが、ちょっと物足りない感じは残ってしまった。


4142230654カント『永遠平和のために』 2016年8月 (100分 de 名著)
萱野 稔人
NHK出版 2016-07-25

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