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「さよならドビュッシー」

 あまり知らずに見たのだけれど、どうも映画だけでなくドラマとかもやっていたのかという感じ。原作を知らないので定かではないとはいえ、タイトルの意味合いと内容とがいまひとつしっくりしない感じはある。

 映画としての特徴かとは思うものの、冒頭火災があって、ひとり助かった少女が意識を取り戻すという場面でネタバレしてしまうのがちょっと残念だ。もちろん、気づかない人もあるだろうが、ややあからさまに演出されているので、ミステリーになれた人ならばすっかり予測がついてしまうのではないか。そこがまさにこの物語のキモであると思うので、謎という点に関してはかなり退屈になってしまう。

 もちろん、その後彼女の身に起こるさまざまな不穏な事象に関して、その犯人が誰なのかというあたりはわかりようもないのではあるが。最終的なところの予測というかは容易についてしまうので、今ひとつ最後の感動というかに薄くなってしまう。そのあたりは脚本の、また演出の失敗といってもよいのかもしれない。

 その後の大半をしめる物語の中心部分はいわばピアノレッスンの場面であって、さながら大映ドラマの「赤い」シリーズか、はたまたピアノのレッスンドラマかという様相で、素直にクラシック番組とでも思いつつみていると過ごせるように。物語の展開としてはさほどの面白みはないともいえる。悪くいえば中だるみとでも言うべきか。

 それでもドビュッシーのピアノ旋律が耳に心地よいのでさほど嫌な感じはない。そこがまだ救いではあるかも。で、このピアノ講師岬を演じたのが実際にピアニストで、ドラマでピアノの手元の吹き替えをしていたという人だそうで、確かにピアノを弾く姿は堂に入っているなと思ったのだった。

 もしも、これが原作にほぼ忠実であるとするならば、小説の中盤はちょっと退屈しそうな気がしないでもない。実際どうなのかはわからないけれど、映画だからまだ間が持ったという印象は強くしてしまう。映画としては、可もなく不可もなくというところだろうか。

B00CIR7HAOさよならドビュッシー 【DVD通常版】
キングレコード 2013-08-02

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