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「謎の彼女X 12」

 どうやら一年半ほど前にたまたま無料だったことで読み始めてみたということだったらしい。冒頭のなんとも突飛な設定というか展開というかが気になって、これは SF 的に展開するのか、はたまたという興味もあって、ついつい続きを読んでしまったのだった。まあ、ある意味思うつぼにはまったと。

 が、結局最終の 12 巻まできたら、なんだか普通に恋愛漫画としてごくごく幸せな結末を迎えて終わってしまった。謎があまり謎にならないままに、謎は謎なままに、さらなる謎はさほどなく、謎はそれとしておいておかれた。そんな感じ。

 もちろんそもそもの設定である、よだれたらして寝ている彼女とか、よだれを交感するふたりとか得意な状況はあるものの、それ以上にはあまり進展することもなく、それらがなにかをもたらすというほどでもなく。いや、確かにそれがふたりの関係を保っていくキーとなっていたのは事実ではあるのだけれど。当初のミステリアスなあるいは魅惑的な雰囲気はしだいに薄くなっていって、そのあたりを除けば普通に恋愛漫画になってしまったという感はあるのだった。

 まあ、それでも十分に面白かったのは確かなのだけれど、ちょっと物足りなさが残るのも事実ではあるかなあと。この卜部さんの不思議なところはどう生かされるのだろうというあたりが。作者も最後に書いているように、結局はよだれをなめさせるという行為こそあれ、それ以上にはまったく進展するようなことはなく清いつきあいのまま物語が終わる。もちろん、その先の将来は実に円満な予測ができるものなので、後味が悪いわけではなく。

 当初は一種独特の画風がどう生かされるのかという楽しみもあったのだけれど、そのあたりもやや抑えられたという感じでもあり、10 年あまりにわたったという連載でいろいろ路線修正みたいなものがあったのかなと想像したり。

 まあ、不思議な恋愛物語としては十分に楽しめたのであった。不思議な出会いであったなあと。

4063880109謎の彼女X(12)<完> (アフタヌーンKC)
植芝 理一
講談社 2014-11-21

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