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「GREY 下」

 本が好き! ヨンデミルで電子書籍を献本していただきました。ありがとうございます。

 上巻だけ読んで終わってしまうのかと思っていたところ、ほどなく下巻が登場。が、応募しようと見たときにはすでに応募完了というメッセージがでていて「ぬかったか!」と悔やんだのだけれど、どうやら募集開始時に前週との切り替えがうまくできていなかったのか、翌日見たらまだまるまる残っているとわかったのであわてて応募したのだった。

 さて、本題。

 上巻ではグレイがいかにして戦士となったのか、そして彼はどのような戦士なのかというあたりと、この世界の仕組みの概要が描かれたというところだった。最底辺の暮らしから抜け出すには戦士となって戦闘に勝ち続け、ポイントをかせいで市民権を得るしかない世界。ところが、その世界はどうもうさんくさいところがある。というあたりで終わる。

 そしてはじまる下巻。仲間であるはずだったレジスタンスの浮遊要塞ナゴシからの攻撃を受けて、同行していたレジスタンス員と戦士仲間ノーヴァを失ったときからしばらく時間が経過しているような様子。目的地はあくまでもナゴシのようなのだが、たどりつく前の戦闘で意外とあっさりとこの世界の秘密を知ることになる。

 それは今の時代からすればありがちな設定でもあるものの、描かれた 1980 年代にあっては少しばかり先取性をもっていたかもしれない。ディープラーニングとかでコンピュータがどんどん進化して、さながらチューリングマシン問題がますます混迷を深めそうなこの先の時代として思えば、そう遠くない将来に似通った未来は訪れたりするかもしれないと思うことも、あながち無理すぎるということはないと思えてしまったりもする。

 まあ、そんな世界がグレイの世界の秘密。あっさりわかってもそこで終わることはなく、ナゴシへの潜入からその先へとアクション満載で謎も簡単には終わらせてくれない。いろいろな欠片がつながりあって、最終的なシティへの突入へとなだれこむ。

 なんとなくこの下巻の雰囲気は、まるで「ドラゴンボール」を想起させるかのようなところがあり、死神と呼ばれるグレイの面目躍如というところか。まあ、ヒーロー物語というのはこうでなくては。

 ただ、結末はややあっさりすぎるかもしれない。当時の状況を知らないものの、やや疲れてしまったというのが本音だったりするのかもしれない。もちろん、十分納得のいく展開で終わるとはいえ、やはりそこまでの長さや重さを思うとあっさりすぎる嫌いは否めない。そのあたりは少しだけ惜しい。

 ラストカットのクールさが余韻を残しつつ「まあ、それもありか」と許容できてしまう。それもまた、たがみよしひさ、らしさかもしれない。アクション満載の「GREY」、堪能させてもらった。

4821184680GREY (下) (ぶんか社コミック文庫)
たがみ よしひさ
ぶんか社 2007-07-19

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