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「ながいながいみち」

 本が好き!経由で献本していただきました。ありがとうございます。

 こどものころに好きだった絵本に「かわ」というのがあって、山のちいさな流れが次第しだいに流れていくにしたがって小川となり、谷川となり、農村をうるおす河川となり、やがて街を流れて海にそそぐ。そんな過程を描いた絵本。

 ページをめくると川はどんどんどんどんつながっていく。伸びて次第に広くなっていく。周りの風景も変わっていく。そんな場面が好きだった。

 「ながいながいみち」はさながら「かわ」を思わせる作品。黄色で示された道が延々と続いていて、そこを自転車で走りぬけていく。街の中、商店街、山の上、海の近く。上ったり、下ったり、トンネルにはいったり。

 そうして気づけばまたはじまりに戻っている。

 川ではそうもいかないけれど、道であるがゆえに終わりのない絵本ができあがった。絵柄はやや誇張の効いた独特な雰囲気なので好みはあるかもしれないけれど、固すぎないあたりが終わりのない道の物語としての面白みを支えているようにも見える。

 この黄色の道だけ浮き上がった印刷になっているので、さながら点字の絵本かなにかのように手で触って道を実感することができる。そのあたりがこの絵本の造本の特殊なところでもあり、印刷所泣かせでもあったろうなと想像する。

 文字の配置などもタイポグラフィがほどよく効いているので躍動感があって、いかにも自転車で疾走している感じが高まってもいる。

 単純にいえばただただ道をなぞってぐるぐるしているだけなのだけれど、「じゃあ、もういっかい」などと言われてしまうとなんとなく「では、もういっかい」と走り出してしまう。シンプルであるがゆえになんども楽しめる絵本に仕上がっているのかもしれない。

 ちなみに、表紙と裏表紙の道のデザインは対象になっているようで、そのあたりにもちょっとしたこだわりを感じて楽しい。自転車やその他の切抜きを使って走らせてみようという付録もまた楽しい。日本語では「ながいながいみち」というタイトルではあるが、原題の「Along A Long Road」の見事さを表現するのは、なかなか難しい。

 ひさしぶりに楽しい絵本に出会わせてもらった。

4902930315ながいながいみち
フランク・ビバ
バナナブックス 2016-01-31

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4834000672か わ (こどものとも絵本)
加古 里子
福音館書店 1966-09-01

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