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「ハート・ロッカー」

 イラク戦争のときだったのか、見てから時間がたってしまったのでちょっと定かでなくなってしまったのだけれど、爆弾テロに対応するための爆発物処理チームの物語。処理をする者と護衛するものふたりの三人でチームをつくり、防護服を着て処理にあたる。車などにつまれたそれであったり、時には人質に巻きつけられたものであったり。時間制限のあるなかでいかに処理できるか、命を救えるか、つねに神経をすりへらしながら任務にあたっていて、やがてそれはなにかおかしな狂気になりかねない。

 前任者の処理者は不幸にも命を落とした。新任の男はマイペースで自分勝手に見えた。これまでのやり方は通用しない。チームがぎくしゃくする。けれど成果は残している。いつまでこんな危険な任務を続けなくてはいけないのか。任務の期間が終わるのを誰もが指折り数えている。

 そうして帰国してひとときの平和を家族とともに味わうのだが、結局彼の赴く先はやはりずるがしこい爆弾が待つ戦場。淡々と処理チームの日常を描いているだけなのに、なぜかその戦争の悲惨さというか無意味さというかを思わずにはいられない作品に仕上がっているといえるのかも。

 多分、意味のある戦争などない。

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