「茶の本」
「100 分で名著」で取り上げていたのを読むシリーズ。番組を見ていたときにはついつい読みたくなってしまうわけで、このところ諸般の事情もあって青空文庫のお世話になっているのでそれならばと読んでみた。
結局、やっぱり茶道の本でしかなかった。
そう言ってしまうと失礼かもしれない。確かに茶道のことから日本的文化であったり芸術であったりについてあれこれ論を進めてはいるわけで、外国人にとっては「なんという魅惑的な国なのだ、日本とは!」という印象を持つのかもしれない。
ただ、日本人が読むとそういう部分もわかるけれど、結局お茶の話でしかないなあ、という印象が残ってしまう。そんなにすごいのか? といった風に。
もちろん、時代というものもあるのかもしれない。明治期というまだ日本という国が海外に詳細に知られていないような時代であればこそ、得るものが大きかったのかもしれないけれど、今、それも日本人が読むとそこまでという感じがあまりしない。また、それはある意味そうしたことについての一定に理解が自分のなかにあるのであまり目だって感じられないということなのかもしれないけれど。
もうひとつはやはり文章の問題があるかもしれない。いっそ今風に新訳があればもう少し違うのかもしれないか。底本が岩波文庫なのでやや古いものではあるようなので。
転じて思えば、紹介されているのを見て面白そうだと読み始めてみても、案外自分には合わなかったということもありそうだなとあらためて感じたり。本との出合いはなかなか難しい。
茶の本 (岩波文庫) 岡倉 覚三 村岡 博 岩波書店 1961-06-05 by G-Tools |
新訳というのもあるな。
新訳・茶の本―ビギナーズ日本の思想 (角川ソフィア文庫) 岡倉 天心 大久保 喬樹 角川書店 2005-01 by G-Tools |
そして英文つきというのも。
英文収録 茶の本 (講談社学術文庫) 岡倉 天心 桶谷 秀昭 講談社 1994-08-10 by G-Tools |
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