« 「ライブ・ワイヤー」 | トップページ | 「後世への最大遺物」 »

深夜のラジオの声

 ラジオの深夜放送というと 10 代から 20 代そこそこくらいの学生とか受験生とかが聞いているもの、というのが昔の印象で少々無縁なものだった。それら民放の番組はいまも多少の変化をしながらも続いているらしいけれど、残念ながら聴くこともないので最近のそれがどんなものなのかをつまびらかには知らない。

 一方で、当時もそうであったろうけれど、様々な物資の輸送を担う長距離トラックの運転手が夜中に聞いているという姿もまたあるようには聞く。まあ、深夜の放送はそういう感じのやや特殊な環境というか状況にあるという印象ではあった。

 それが少し変化してきたのは NHK がラジオ深夜便という深夜放送をはじめたことからかもしれない。いや、聴取層が先なのか番組が先なのかはわからないけれど、明らかに民放のそれとは内容も対象も異にしているわけではある。つまり、それは眠れない夜を悶々と過ごしていた高齢者を主な対象にしていたというあたり。実のところ最近たまに聞くようになってしまったので、どうやら高齢者の仲間入りをしてしまったのかもしれない。

 おもに一時間ごとにコーナーをまとめていて、音楽となれば昭和初期くらいのものから 70 年代くらいのものまでで最近のものはそうそうはない。たまにはあるようだけれど、アイドルグループをというようなことではないようだ。洋楽にしてもやや古いところが多いようでもあるし、やはり少し懐かしさを目指しているというのはある。

 いろいろの方にインタビューしてみたり、エッセイのような話をされたり、実に多用な内容ではあるのだけれど、さすがに深夜ということもあって毎度毎度それを聴くために起きているというようなことはさすがにちょっと難しい。

 昨年暮れくらいからなんだか寝付かれないなというときに聴くようになったら、ついそういうときには迷うことなくラジオをつけるようになってしまった。といってじっくりずっと聞いているばかりではなくて、時としてはいつの間にか寝てしまっているときもある。幸いにして 90 分で勝手に電源が切れるので不用意に朝までラジオがなりっぱなしということはない。で、またふと気がついてスイッチを入れなおしたりもする。

 高齢者で寝付かれない人がよく聞いているという話だけはかなり前から知ってはいたのだけれど、こうして自分がそれを聴くようになると、なるほどと理解できるところもある。毎夜進行役のアナウンサーさんが変わるのだけれど、それぞれに味わいが違っているのもあり、また、それぞれが各コーナーに特色を持たせようとされているようでもあって、それがまた日々違った楽しみを静かに提供してくれている。民放のややザワザワしたにぎやかさとは違った世界があるのは、さすがに NHK という感じ。ある意味、NHK の原点に戻ろうとしているのはこれではないかというところがある。

 近頃の NHK は昼間の番組でも民放と変わりないような内容だったりが増えてきてしまったのもあり、そういう意味では貴重な存在かもしれないし、正直もう少しこれが拡大されてもよいのではないかななどと思わないでもない。

 番組ホームページからは各コーナーのストリーミングであったりが用意されているので、過去のコーナーのいくつかを聞くことができるようになっていて、ちょっと聴くものがないというようなときにも重宝する。試しに聴いてみると実に多彩で楽しいとも思うのでなかなかにおすすめではあるのだった。

 繰り返すけれど、難点としてはたまたま寝付かれないときに聴くだけだから、この日は聞きたいからといって起きているつもりがないというあたり。まさに出会い物なのだった。それもまた一期一会として楽しいのかもしれないか。

 [ NHK ラジオ深夜便 ]

|
|

« 「ライブ・ワイヤー」 | トップページ | 「後世への最大遺物」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/28835/63225926

この記事へのトラックバック一覧です: 深夜のラジオの声:

« 「ライブ・ワイヤー」 | トップページ | 「後世への最大遺物」 »