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「八甲田山」

 噂ばかりは知っていたけれど見るのははじめてだった。亡くなられた高倉健さんを追悼するような番組のなかで「八甲田山」のラストのあたりのことを取り上げていたようだったのを思い出す。神田大尉の亡骸と対面したときのエピソードだったと思うのだが、内容は忘れてしまった。アドリブだったというのだったか?

 その無謀な行軍だったということだけは知っていたけれど、物語としての脚色はあろうけれどその実態(かもしれない)物語をこうしてみるとあまりにもひどかったのだなと思ってしまう。いや、実際はまだひどかったのかもしれない。

 撮影も困難を極めたという話は聞き覚えがある。過酷な環境での撮影だったようで、そんな酷烈さが映像からも伝わってくる。とにかく寒くなってくるとでもいうような。冬に見る映画ではないかもしれない。寒すぎる。

 日本はとかく精神論で乗り切ろうとするところがあって、その最悪の結果をもたらした事件だったのかもしれない。

 ただ、およそ三時間という時間は少し長いのでつらい。十分に描いているので余計という感じではないので悪くはないのだけれど、やはりちょっと辛いと感じてしまうところはある。ことにほぼ遭難状態になってからの映像の暗さなどもつらいところは。実際に夜で暗いというのもあるけれど、そこへ吹きつけた雪で体も顔も真っ白になっていたりで(リアル)誰が誰やらわからないような状況になる。こうなると声を聞いているだけですべてを判別するのはほぼ不可能になってくる。

 まあ、なんとなく展開だけを追うということにはなる。

 とはいえ、あまりそうした細かいところは気にせずに、いかに無謀な行軍をしていたのかというあたりや、冬山の過酷さといったものをこれでもかと見せ付けられるという点では稀有な作品なのは間違いないかなと。

 今の時代ならばいざしらず、当時にこれが撮影できたことに敬意を表したいところ。一見の価値はあるかなと。

B00PZ02828八甲田山 特別愛蔵版 高倉健 主演 DVD2枚組
株式会社スバック 2014

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