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「<すべての夢|果てる地で>」

 せっせと電子書籍を消化する取り組み継続中。こちらも SF 短編の受賞作を選評と一緒にまとめただけのものなので割りとあっさりと読んでしまえる。選評にもあるように確かに実に文章がしっかりしていてすっと作品世界にひきこまれる。はじめはなにやら株式操作の話なのかと思いきや、そこにとどまらず世界を揺るがすような話になっていく。

 ただ、いささかそのあたりの世界観というか展開というかにうまくついていけない。なじめない。というところはあって、SF 的な設定のおもしろさは理解できるものの、いまひとつ楽しみきれないという気持ちもどこかにあるのだった。

 不思議な宇宙人だか生命体だかの存在はそれとしても、最終的な展開はなにを意味するのかといったところとかも。

 それでも全体のまとまりがよいし、文章の錬度もよいので「まあ、それはそれとして」と割り切って読ませてしまううまさがあるのも確か。SF 者しか読まないという意見もあったようだけれど、SF 者としてもかなり読者を選びそうな気配もあって、その意味ではもう少しという気持ちがないではない。

 ついでに言うとどうしてもタイトルを覚えきれない。何度見ても次の日になると悩んでしまう。これは自分の頭が老化してきたのか、はたまたなにかの罠か。とはいえそんなところにもなんとなくこの作品の置かれた位置というものが感じられてしまったりも。あくまでも個人的にではある。

 よくまとまっているので面白いのは事実。それでも少しばかり読者は選びそうだ。

B00APRTZ1I〈すべての夢|果てる地で〉 -Sogen SF Short Story Prize Edition- 創元SF短編賞受賞作
理山 貞二
東京創元社 2012-06-29

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