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とりあえず直すのが修復ではない

 ソニーが単独スポンサーを降りてしまった「THE 世界遺産」。番組も 20 年だそうでその間の変化を特集した番組が放送になった。取材した当時と今との変化であったりいろいろ。

 平等院鳳凰堂の修復に関しては、発見された昔の瓦から確認された当時の赤の顔料の成分から今回の修復を行ったということらしかった。酸化鉄を含む赤というのだが、つまりベンガラということではないのか? と思っていたのだけれど、一切「ベンガラ」という言葉は登場しなかった。

 イスラム国・IS による歴史遺産の破壊活動にも触れていた。本当に無学で無知で破壊することしか能がない愚かな集団で、世界共通の敵であり害悪としかいいようがないなと認識をあらたにするところ。他を許容することができないものに誰が賛同したりするだろうか。

 なかでも一番驚いたのがパルテノン神殿の修復。比較的早くに取材しているのだが現在もまだ修復作業中。さながらサグラダファミリアの逆をいくかのよう。その理由というのが過去に行われた修復が杜撰で、かえってそれによって遺跡が破壊されつつあったからというもの。

 梁となる石が割れているのをつなぐために鉄のくさびをうちこんでつないだという。鉄がさびて膨張し石をさらに破壊していった。そこでそられをすべて取り除きあらたに修復を行っている。

 また、柱では大理石の代わりにセメントで補完してしまった部分があり、これもすべて取り除き、あらたな大理石を削りだして元々の部分に合致するように修復を行っているとか。しっかりかみ合うようにこまかな削り出しをしつつあわせていく作業。その膨大な作業。

 結果、新しいところと古いところとの色の違いでまだらにはなっているが、大理石どうして修復することができたので本来的な修復ができつつあるらしい。

 もちろん、その当時としてはそれがよいと思ったのかもしれないが、もう少し文化財・歴史への配慮というものがあったならと思わないではないなと。

 人類の歴史を葬ろうとするものはすなわち自分たちの存在すらも葬るべきものと判断されてしかるべきと思うのだが、魔の手による破壊を防いで、人類の敵を排除できる日が訪れることを願ってやまない。そんないろいろを思ってしまう短い時間だった。

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