「サマータイムマシン・ブルース」
とある大学の SF 研究会。といっても SF を研究するなどというのは名目にすぎず、まあぐだぐだとしているための集まりにすぎなかった。なにやら「青春」とか「熱血」的な写真を撮りたいということでか部室(暗室)を間借りしているらしき写真部? の女子の撮影につきあって、野球のユニフォームを着て野球ごっこをしている夏休み。撮影も終わってでは銭湯へというあたりから物語はおかしな様相をみせはじめる。
銭湯から戻り、なにやらおかしな雰囲気で盛り上がったあげくに連鎖的な因果のすえにエアコンのリモコンにコーラがぶちまけられてしまい使えなくなってしまう。この暑さをどうするのだというところに見たことのない若者が現れる。25 年先の未来からタイムマシンでやってきたという。これを使って一日前に戻りリモコンを持ってくればいいじゃないか、とばかりに過去へと向かうのだが。
というのが主だった設定。そのあたりから少しずつ冒頭からの展開で不思議に思えていたあたりに納得がいくようになっていく。細かなあれやこれやの伏線が少しずつ回収されつつあらたな展開を生むというあたりがなんとも楽しい。
もちろん、ここで因果律だのタイムパラドックスなどについてガチに考えたり批判したりしてはいけない。コメディ SF なのだから。そういう矛盾にみちたところはさらっと流しておいて、物語の展開を素直に楽しめばよいのだ。
しまいにはせっかくのリモコンが 99 年前の過去にまで置き去りにされてしまう事態となり、もはやこれまでかと思ったら、と回収され続ける様はなんとも爽快だ。そこへほのかな恋心も挿入されたりでそれもまた楽しい。
2005 年の作品ということもあり、上野樹里がまだ上野樹里だったころともいえる作品で、初々しさといい(素人っぽいともいえるが)なんともいい感じ。いや、真木よう子のかわいさこそ見逃せないのかもしれないか。誰かと思ったくらいだ。
たまにはこうしたばかばかしい映画というのも楽しくてよいなと。数年前に年末の映画(しかも昼間だったかと思う)で見たことがあって面白かった覚えがあったのであらためて見たのだけれど、満足。
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