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劇場版「あの花」を見た

 劇場版「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」が 48 時間限定無料配信というので見た。「あの花」と略されるらしいそれに記憶はあるけれど、見たことはなくてどうやらノイタミナ枠だったというのでそれならばこちらではそもそも放送がない。GYAO! あたりで無料配信があったかどうかは覚えていないのだけれど、あまり興味がなかったので見ていなかったかもしれない。

 それでいてなぜ今かというとさほど理由はなく、そういえばなにやら話題ではあったのだなという記憶とちょうど見るものもあまりないのでというようなところ。

 で、このアニメは全力で泣かせにかかってくる。ずるいくらいに。

 ただ、テレビアニメを見ていない者にとっては、正直劇場版だけでは話がよくわからない。ようは仲間にいれてもらえずにずっとひとりぼっちだった”めんま”という女の子に手を差し出して仲間となった 5 人。あわせて 6 人でいつも遊んでいて特別な存在になっていたと。いつのことかは不明だが”めんま”が死んでしまい、残された 5 人はそれぞれにトラウマを抱えることになる。それを乗り越えつつ友情を確かめ合う、といった話。

 劇場版ではめんまが亡くなるのがいつでどのような状況だったのかは本当によくわからない。どうやら川に落ちてなくなったらしいというのは描かれるがほかはいっさいわからない。残された 5 人のトラウマについてダイジェストに描かれるのでおよそはわかるが、細かいところまではよくわからない。

 なによりも時間軸が 3 つ平行して描かれるためにどの時間軸が現在なのかが最後のほうまでわかりにくい。いや、正確に言うとふたつの時間軸に対してということなのだが。ひとつは小学生のころなのでこれは区別がつきやすい。ところが高校生くらいの時間軸がふたつ描かれているためにテレビアニメを見ていないものにはどちらがより昔であるのかというのが最後のほうまでわかりにくいのだ。正直最後までわかりにくいともいえる。

 めんまが幽霊のような形で”ジンタン”の目にだけ見えるようになったのがいつなのかとか、それがどちらの時間軸なのかといったことも劇場版だけではよくわからない。そうしたよくわからないままに断片的に過去ふたつと現在とが交錯しながら描かれるので話が見えにくくなっている。まあ、テレビアニメのダイジェストとしての劇場版というデメリットなのかもしれない。

 なのでもはやそういうものなのだと割り切ってしまったころにクライマックスの花火がやってきて、ここで目一杯泣かせにかかってくるのがずるい。まあ、泣くよ。これは。という風に。

 そうしてようやく最後までいって「あの日」というのがいつのことなのかがわかるといった感じ。ただ、花については途中少しでてくるが、あまりメインにかかってこないのはちょっと残念だ。テレビアニメではどうだったのかわからないが、劇場版に収めるにはやはり時間が短すぎるのかもしれない。いっそ、もう少し時間を長くとって補足したほうがよかったのではないかとも。

 テレビ 12 話あまりでやったことを 4 回分くらいの時間で収めようというのだからそもそも無理があるというのはあるけれど、それでもなお全体の構成についてはもう少し初見の人でもわかるようなつくりにするべきだったのではなかろうかとも。まあ、それでテレビアニメを見てもらうきっかけにという意図があったのならそれはそれで戦略というものなのだろうけれど。

 というわけでいずれテレビアニメも見てみないとダメだなと。つまり、すっかり罠にはめられたのかもしれないか。まあ、泣かされたからなあ。

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