ホテル・ルワンダ
どうやらそもそもはツチ族とフツ族に一方的に分類されてしまったがゆえにはじまった両部族間の対立だったようで、それが大統領暗殺を契機に暴発をはじめフツ族民兵によるツチ族抹殺がはじまってしまうと。国連軍が平和維持にあたってもいるものの手出しや手助けは大っぴらにはできず、なんとか海外資本の高級ホテル(外国人が多数滞在している)には直接的な手出しをしないことから、フツ族である支配人家族を頼ってきた近隣のツチ族の人々とともにホテルになんとか身を寄せる。
ところが次第にフツ族民兵の行動やルワンダ国軍の動きにしてもエスカレートしていき、しだいにホテルですら安全でなくなっていく。支配人はホテルの本部に連絡をとるなどしてなんとか事態の打開と救援を模索するがなかなかうまくいかない。一度は脱出を試みたトラックは民兵に見つかり、命からがらホテルに舞い戻ってくるはめになる。
家族だけはなんとか守りたい。けれども世界はルワンダをほぼ見放している。自分にどれほどの力があるというのか悩む支配人。民兵や国軍、国連軍などと交渉していく緊迫した展開にいちいちハラハラしてしまうくらいに物語が現実味を帯びている(いや、確か実話に基づいているはずではある)。
最終的になんとか脱出に成功し、ホッと息をつくものの、助けられなかった命との出会いもあって手放しで喜べない。まだまだ世界にはこうした不幸な事実がたくさんあるのだと、人の愚かさをあらためて実感させられる映画なのだった。
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