ようやくにして「廃墟から」を読む
[ 図書カード:廃墟から ]
結局未読のまま過ぎてしまったので本日読む。短いので通読するのにそう長くはかからない。ちょうど今朝方の NHK ニュースでドラマの宣伝をかねてやっていた広島の路面電車の話ではないが、電車が走っているということがこのなかにも描かれている。
見るに耐えないような凄惨な光景を淡々と記述しているところがまた背筋の凍る思いを増しているようには。あの日起きたことを追体験することなどとうていできないことではあるけれど、せめていかに悲惨なものであったのかを想像することくらいは忘れたくない。
原爆投下からわずか二週間あまりで路面電車の部分的とはいえ再開をはたした史実をドラマ化したという。あのような状況下において電車を走らせることに意味があるのか? と問われることは少なくなかったであろうなと想像する。それでも、現実的には無意味に思えるその姿が、懐かしい風景のひとつであるその姿が、人々にあたえた勇気や希望というものはやはりあったのではないかなと信じたい。
10 日夜のドラマは忘れずに見ておきたいと思っている。
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