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硬直化した組織連携の悲劇(か?)

 土曜日のことだけれど NHK スペシャルで日航機墜落事故から 30 年をうけて、当時墜落現場特定までに 16 時間を要した詳細な状況の検証。あの当時はテレビや新聞その他に積極的に接することのできるような状況ではなかったので(まあ、旅人していたというだけなのだが)、実のところ事故発生にしてもあまりよく知らずにいたのだった。数日して坂本九が亡くなったというような話を漏れ聞いたくらいで。

 とはいえ聞こえてきていたのは長野県側に落ちたのではないかという話で、結局それは誤報だったわけだが、今回の番組でもそのあたりがいろいろわかってきた。

 墜落直後に長野側で通報があり、山の向こう(群馬側)に落ちたようだという通報が複数あり、信用にたるものだったにも関わらず放置された。

 一方で自衛隊機が墜落現場に到着していたものの、当時は GPS がなかったので今よりも簡易な方法で場所の特定を行っていて、非常に誤差を含みやすいものだったと。実際、自衛隊と米軍機による三つの情報があったらしいが、それらは微妙にずれがあったらしいが、それらの情報の交錯する地点がまさに墜落現場であったということもまた検証されていた。

 ところが、自衛隊から発せられた位置情報はなぜか北に離れた長野県の御座山という山になっていて、なぜそれがでてきたのかというあたりは結局よくわからない。

 さっそくに長野県警が現場に赴くが確認してもそういう気配がない。その旨を上に連絡しても「テレビでこれだけそこだと言っているじゃないか!よく確認しろ」みたいな話になっていたようで、テレビの報道は絶対とでもいうかのような思考停止に偉い人がなっていたのがわかる。

 さらには再度の確認で自衛隊機の位置を御座山から確認すると、それは当初目撃情報が寄せられた御巣鷹山の方向だったのにも関わらず、自衛隊機が逆に確認した位置がまったく違う方向になっていて、なぜそんなデータになったのかと当時の担当者が不思議がってもいたが、それによってやはり御座山に違いないと思い込む。

 普通こういう場合には両方の可能性をつぶすべきであるにもかかわらず、硬直化した組織にはそれができなかった。テレビ報道絶対主義とでも言う状況で、念のために情報のあるところは確認すればよいのに(10km と離れていない場所だったようでもあるし)それをしない。そうして見つかるはずもない場所を必死に探し回り見つからない。見つからないはずがないだろう。なにをやっているんだ。みたいな問答を繰り返して無為に時間を過ごしたというのがあったのではないかと想像されるのだった。

 公式な報告では特定には精一杯つとめたし、なんの落ち度もなかったようなことが書かれているにすぎないらしい。しかも、詳細な資料などは残っていないとされていたとか。それを丁寧にあつめ、証言をあらためて取り直して検証したというところで番組のもつ意味は非常に深かかった。

 報告のあった場所をきちんと調査していたら 16 時間もかからずに墜落現場を特定することは充分に可能だったはずだ。助けられた命がどれほどあったかは現場が現場だけになんともいえない(自衛隊機が救助を試みようとしたらしいが、現場の形状的に降下が難しいという判断で断念したらしい)。とはいえ、現場がわかることでできたことはきっとあったのではないか。遺族の無念さはただならぬものだろうなと。

 長野県警と群馬県警との連携の悪さ、そこに自衛隊や米軍もからんで結局きちんと統括的に指揮をとる部署がなかったこともまた悲劇を生んだのかもしれない。そう思うと 30 年を前にしてまた無念さがましてしまうのだろうな。

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