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台所三角コーナーのなぞ

 たいていの家庭の台所。流しの片隅に三角形の三角コーナーと呼ばれるものが置かれているはず。プラスチック製だったりステンレスや銅など金属製だったりといろいろあるものの、そこにこれまた種々雑多な袋がセットされているはず。

 昔はビニール袋に小さな穴を多数開けただけというものも多かったけれど、その後腐食布のものがでてきてろ過性能が増した。

 この場所の使い方でよく見るのは、野菜を切った端っこやむいた皮などをいれたり、食べ残したおかずなどを無造作にそこにいれておいたり。で、コバエが沸いたりカビが発生したりでにおいはすごいわ、ぬめぬめしているわとたいてい手を触れたくない場所になりさがっているはず。

 考えてみるとこれはおかしい。だいたいそこは水仕事をするのだから常に湿度が高い場所だ。調理をするのだから高温になることも多い場所だ。冷蔵庫のそばだったりすればその排熱で周囲が熱くなるということもある。

 とにかく、そこに生ゴミを露出させているということは、腐敗を促進させているだけにもかかわらずなんの疑問もいだかずにそこに捨てる、そうして腐敗を十分にさせ、カビや雑菌を増やし、コバエなど虫を発生させ、容器そのものにはぬるぬるな状態を発生させたところで頃合を見てその袋を触るのも汚らわしいという体でゴミ袋に移動させる。コーナーを洗うなどということは死んでも嫌とばかりにそのままにし、いよいよ困ると不燃ごみとして処分して買い換える。

 それでいてコバエがいて困るということでコバエ取りの器具など買ったり、殺虫剤など使ったり、においがきついということで消臭剤や芳香剤を大量に置く。本末転倒では?

 個人的にはあの三角コーナーというのはゴミ捨て場ではないと思う。特に生ゴミをそこにいれて放置するような行為は考えられない。

 たとえば野菜くずのようなもの。これはできるだけ乾燥させてしまうのがいい。夏場なら日光にあてておけばすぐ乾燥してしまう。そうすれば腐敗することもなくカサも減ってゴミ袋にいれるとしても便利だ。

 たとえば魚の頭とか内臓とか。ペーパータオルやラップでくるんで冷凍庫にいれてしまう。ゴミを出すときにこれをそのままいれて出してしまえばよい。腐敗しないしにおいも発しない。夏場はとくにその恩恵を感じる。

 では、三角コーナーはなんのためか。これは水の汚れをこすためのものと思うべき。手で取り除くのは困難なような汚れがあるもの(洗ったときのとか)をここに流すことで細かなゴミなどをこしとることができて水の汚れを減らすことが可能になると。もちろん目では見えにくい汚れというものもあるけれど、それを各家庭でというのは無理なことなので、大きなものをこしとっておくことで水処理の手間を少しでも軽減できるし、加えて家庭直近の排水溝での雑菌の繁殖を低減する効果だって期待できるかもしれない。

 おおきなゴミを無思慮に流していると排水溝がつまってしまう。そうして掃除するなどという手間だって省いてくれる。

 フライパンを使ったあとに洗ったらその水を三角コーナーに流す。それで汚れがこしとれる。鍋も同じ。もっともカレーなどの鍋でただこれをやったらそれもまた無駄だ。多少のものだったらペーパータオルなどでふき取ってしまってから洗えば汚れは少なくなる。確かに紙のゴミはふえるが、そのまま下水とした場合に浄水の費用を考えればはるかによいはず。

 また、その鍋で一度スープ類など作ればカレーをきれいにすることもできる。カレー風味のスープとすればよいだけ。

 ちょっと話がそれた。

 いずれにしても三角コーナーというやつを生ゴミを一時的にいれておく場所という考えはどこから発生したのか謎だが、これをあらためるだけで台所の衛星環境は格段に変わるのに。

#とりあえず「抗菌」という製品を買っておけば永遠に雑菌も増えないし、ぬるぬるにも決してならない、とでも思っているような人というのは、いったい何を考えているのだろう、などとも。

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