ストレンジャー
さびれた田舎町。年老いて少し元気をなくした老女性が管理するいまは使われていない倉庫。かつて夫が事業をしていたなごりらしいのだが、もう使われることもなくそのままになっている。家屋敷はひとりで暮らすにはやや大きすぎるが、思い出のつまったところでもあり、容易に手放すという決断もつけられずにいる。それでも、不動産屋にそんな話をもちかけてみたりはしている。
そんな倉庫を使いたいととある男がやってくる。ある物を保管するのに使いたいとひとまずひと月の契約を結ぶ。実は老女性はもうお金の工面が難しく、このままでは生活できなくなるというので渡りに船と契約を結んだのだった。ゆえにどんなものを保管するのかなど詳しいことには興味がなく、聞かないままに契約したのだった。
そんな老婦人がなにかと頼りにしているのが、姪だかになる女性。話しているうちにその契約に不審を覚えるようにもなり、一緒に確認にいくが、見張りに立っている男たちが入れてくれない。言葉もわからない振りをしている。契約した男がやってきてようやく中を確認したりいろいろ話をしてわかってきたのは、実は持ち込んでいるのは処分に困っている放射性廃棄物だった。
ドラム缶に入れられ特長的なマークがつけられたそれらの数々が並ぶ様は、整然としつつもやや異様な空気を放っている。とはいえ契約は契約であるし、そもそも物についての説明を拒んだのは老女性のほうなのだった。現状では正当な解約理由が見つからない。
一方で男は経済的に苦しむ町にたいして話をもちかける。廃棄物を保管する事業を大々的に行いたい。まだ最終的な処分場のあてはないが、一時的なものだからと。金は十分に出すし、雇用も生まれる。町の財政はうるおうはずだと、町長や議員らを招いて演説する。厳しい財政事情の関係者は、この話に大いに色めき立つ。
ところがそんな矢先に運搬していたトラックが横転事故を起こしてしまう。幸いにして廃棄物の漏洩はなかったものの、それによって不安感は増していく。ついには、計画は頓挫する。
とまあ、それだけといえばそれだけの映画。放射性廃棄物の処分問題を提議しているのかというわけでもなく、それで? と思ってしまうようなところはあって、ちょっと肩透かしな感じではあるのだった。うーむ。
原題は「MAIN STREET」。
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