「僕達急行 A 列車で行こう」
たまたま知り合った列車好き同士。片や不動産会社につとめるちょっとさえないサラリーマン。片や小さな鉄工所の跡取り息子。不動産会社の社長が九州支社で難問解決に彼を送り込む。もっとも彼には特にそんなことを話しているわけでもないし、実のところちょっと変わった視点を持っているところが案外役に立ちそうだとの判断から。
彼のほうはとにかく会社の金で鉄道に乗れるというだけで大満足。向こうにいったらあの列車に乗ろうか、この路線に乗ろうかとワクワクしている。九州での難問は確かに難問でなかなか進展しようとしない。地主はちょっと偏屈な頑固者であるし、重要な顧客とはなかなか会うこともかなわない。
ところがたまたま休日に列車に乗り合わせて意気投合した年配の男性がその顧客ということがわかり、一気に話が進展。さらには工場の経営が厳しくなったのもあって、彼のところを訪ねてきていた跡取り息子の仕事が生かされそうな気配となり、そんな列車好きの三人が真剣勝負でお互いをぶつけあって、新しい仕事まで生まれてしまう。
そんな都合のよい話があるのが物語の世界。それでも、これはきっとこうだなと思うあたりがきっちり期待を裏切らずに展開されるという安心感と、そうでありながらそうまでは優しくない展開がなかなか見せてくれる面白さ。
恋愛模様も織り交ぜつつではあるのだけれど、これはまあときおりに入れて見たスパイス程度のもの。また、そのちぐはぐさというのも面白さの一助となって、なかなか楽しめる娯楽映画となっているという感。タイトルやあらすじだけだといまひとつかという印象を持っていたものの、案外そうでもない面白さはあって、そこそこ充実しているのではないかと。
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