「阪急電車」
以前見たのはテレビでの放映だった。どれほどカットされていたのか、はたまたカットはあまりなかったのか、もうすっかり忘れてしまっているけれど、あらためて通して見た限りではカットはあまりなかったのかもと思うようではあった。まあ、わからないのだけれど。
鈴木亮平がでているというのだが、いただろうか? などと思いつつ見ていたらなるほど結婚相手の役だったのかと。たかだか 4 年ほど前でしかないのだが、どことなく初々しい感じで若い。中谷美紀は相変わらずきれいでかっこいいし、谷村美月も有村架純も相変わらずかわいい。宮本信子も安定した演技ではつらつとしている。
昨年あたりにようやく原作小説を読んだけれど、この短い路線の時間の中に上手にいろいろのエピソードを織り込んで、それらがうまく絡みあってすり抜けていくさまが実に気持ちよい。それぞれにささいな事件ではあるものの、それだけにどこにでもある日常であるし、誰にでもおきているであろう生活の一部が切り取られていて、物語に自然と入り込んでいける。
自分の悩みなどほかの誰に影響を与えるというわけでもないし、それは自分に限らず誰にとっても同じ。であれば、きっとそれは誰のなかにもあるし、起こり得ること。それでも、きっとそれは誰かに支えられることで乗り越えることでもあろうし、誰かがきっと見ていてくれることでもあるのだろうなと。
つながるとかつながろうとかやたらとくっつきたがる昨今ではあるけれど、本当の意味での人と人とのつながりというのは、あるいはこういうものなのではないだろうかとも。
なんど見てもさわやかなすがすがしさと、あらためて自分自身に元気としっかりしなくてはなと思わせてくれる、そんな映画。
うん、この世界だって悪くないさ、と。
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