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「バック・イン・クライム」

 川岸で発見された他殺遺体。どうも状況が過去の事件と似ている。あれはなんだったか? そういえばと思い出したのが若い頃に出会った事件の記録。自宅の箱にしまいこんでいた新聞記事やらを探しだして手帳を見てなどして、そういえばそんな事件があったのだなと。未解決らしい。

 で、捜査中に川に落ちてしまったと思ったら、そこは過去だった。

 警察署に戻ってみると少し様子が違う。ふと見ると若いころに自分がいる。顔を合わすのはまずいのでそれを避けつつ行動する。ようやく今自分がいる時代がつかめてくるので、当時なにがあったのかを思い出し、警察に情報を与えたりするが、かえって犯人と思われて行動が難しくなる。

 そこでたまたまであったのは、現代に起きた川岸での事件の発見者である女性の若いころ。当然、若い彼女は自分を知らない。けれど唯一頼れそうなのは彼女くらいと面会するが、話を信じてもらえるはずもなく。

 当時の事件の動きをしっているので(というか記憶のなかにある情報でしかないので多少はおぼろげだが)それにそって次なる被害者の所在を調べて被害を防ごうと行動するのだけれど、なかなかそうはうまくいかない。仮にその人物を助けても、当時は被害にあわなかった別の人物が被害者となるだけだったりする。

 最終的に若い彼女も不審に思いつつも、協力することになって、犯人を追い詰めようというところで、当時の自分の失敗を反省になんとかうまく立ち回れるようにと計画するのだが、やはりそうはうまくいかない。犯人を追い詰めるが逃走されてしまう。それを追ってだったか自分も水に落ちてしまい、気がつけば現代に。いや、正確には過去にいっていたことももはや覚えていない。

 現代において彼女は犯罪心理学だったかの方面で権威のようになっている。そしてふたりが再開。彼女はようやく若いころに出会っていた彼本人(年齢的に)と出会う。が、彼のほうはもはやその記憶はない。が、ふとそこに過去の手がかりがそれを埋めようとしてくれる展開。

 彼の捜査手帳がなかなか重要なキーになってきて、細かな伏線がじつにうまく生かされているのがなかなかにうまい。もちろん、パラドックス的なことをいうといろいろアラがないとはいえないのだけれど、伏線の生かし方が実によくできているので、それはそれとして楽しめる。なにより見事なラブストーリーの出来上がりという結末にはもう微笑むしかないだろうという。

 そう、これはサスペンスでもミステリーでもなく、純粋なタイムトラベルラブロマンスなのだった。そういう意味で実によい脚本と映像にしあがっていて満足感間違いなしという作品なのだった。

 ある意味拾い物としてうれしい誤算ともいえる。原題は「L'AUTRE VIE DE RICHARD KEMP」。

B00N4P39ISバック・イン・クライム [DVD]
竹書房 2014-11-05

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#当初は「時限捜査」の映画化なのかと思ったのだが、無関係だった。

4488269036時限捜査上 (創元推理文庫)
ジェイムズ・F・デイヴィッド 公手 成幸
東京創元社 2009-07-20

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