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思わざる

 [ 青蓮院門跡:古都浪漫こころ寺巡り - BSフジ ]

 たまたま BS を見られる環境にあって、ふと番組表を見ていたらちょっとよさそうな番組だったので見てみることに。昨今地上波ではひどい言われようのフジテレビではあるものの、この BS の番組はなかなかよく作られていて CM さえなければ NHK スペシャルもかくやと思えるくらいではある。

 とにもかくにも京都の寺社の風景というのは絵になるのだからということもできるけれど、やはりこれまで知らずにいた知見を得られるということもまた楽しい。今回でいえば、そもそも「門跡寺院」という名前や存在についてはじめて知ったことがまず大きい。

 恥ずかしながら詳細についてはやや記憶のかなたになりつつあるのだけれど、ざっと言えば皇室との関係が深い寺院であるということ。かつてであれば一般の参拝客・参詣客などはいることはできなかったらしい(多少違うかもしれない)。内部には宸殿があり、本堂などはそれに比してややシンプルなものだったりもするらしい。

 また、今回やっていた青蓮院門跡では本尊は仏像ではなく、曼荼羅であるという違いもあるとか。仏教界でもっとも位が高いとされる青を基調とした青不動は、すでに色もあせてきてしまったり、線もやや判然としない部分もでてきているものの、火炎を背負ったその姿はなかなかに迫力もあった。

 さらには、関連の別の寺院とかだったのか(このあたり忘れてしまった)には四猿(しえん)があって、それはつまりよくいう三猿の仲間とでもいうもの。見ざる、聞かざる、言わざるの三つは有名だし、それまでと思っていたけれど、ここにはさらに四つ目が存在し、それが「思わざる」とか。すなわち、あまりあれこれと思い悩みすぎないのがよいということではないか、と説明されていた。

 しかもこの猿たちは雌雄で作られており、それぞれ四体ずつある。そして、その雌雄の違いがなんとも面白いというのだった。オスの猿たちは、見ざるは両手で両の目をしっかと覆いなにも見えないようにしているが、メスのそれは左目だけを覆っており、そもそも右目はしっかり見開かれている。その上で左手も目から少し浮かしていておぼろげに付近を見ているかのような様子。

 聞かざるでも同様で両耳に手を当ててはいるものの、わずかに耳から手を離していてまったく聞こえないようではない。言わざるについても同様。手を口の前にやってはいるものの、オスのようにしっかと口を押さえて息ももらさないというようなことはなく、さながら咳やくしゃみを隠してみたというだけのように口が横から見えるような手のやりかただ。

 男女の違いというものにも思いをいたらせるような意味があったのではないかと説明されていて、なかなか興味深く見たのだった。

 また、天台宗であるのに親鸞との関係も深く(というか親鸞出家の寺であったという)出家したころの若い親鸞像がまつられていいたりするともいうことで、その佇まいにだけにとどまらず歴史的な意味においてもなかなか面白い寺院なのであるなあと。

 まあ、BS なので次に見られることは基本もうないのだけれど、こういう番組は民放であれきちんと作って残しておいて欲しいなあとあらためて思ったり。

 京都の寺社めぐり、ゆっくりとしてみたいものだけれどなあ。

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