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銀漢の賦

 NHK の木曜時代劇として放送された「風の峠 銀漢の賦」がなかなかよかった。少年時代を仲良くすごして固く結ばれた友となった武士の子ふたりと農民の子? ひとり。やがて成人してそれぞれ暮らしていたが、藩の悪政に村人は苦しめられていたと。かつての友で村人をまとめた男十蔵は天狗の面をつけて、一揆を起こそうと画策。

 一方で学問に秀でた武士の小弥太は藩の重職にいて一揆を抑える役目。もうひとりの武士源ご(ごの字を忘れた)は鉄砲の名手として一揆討伐に加わることに。かつての友を殺すようなことはしたくないしと思うのだが、政の流れにも逆らえず、結局ことをおさめるために十蔵を首領として捕らえ、打ち首にせざるを得なくなる。

 子供のころに教えてもらった銀漢の賦という漢詩をいたく気に入っていた十蔵は、自分の命の捨て所はまさにここなのだと割り切る。細かな事情などあずかりしらない源ごは小弥太と友達の縁を切ってしまう。それから 20 年あまり。

 藩内においてはあらたな騒動が起きようとしていて、若手が藩主をそそのかして国替えをしたりしようと画策。それをとめようとする小弥太が邪魔で、かつての友でもあり今は縁を切っているという剣術の腕もぬきんでている源ごに暗殺を依頼。あくまでも私怨でのことと済ませようとしていたと。

 ところが、事情が見えてきたあたりで様子が変わり、小弥太家族を脱藩させ、江戸表の要人に訴え藩の危機を救おうと計画。それを源ごも手助けすることに。峠での死闘をへて脱藩を果たしたものの、なかなか動きがないことに藩主らはあせりを隠せず、源ごも捕らえられているものの、一向に裁きがくだらない。

 小弥太は時期を待っていたようで、思いもよらぬ方面に手を回して事態は急変。藩主は隠居し息子に家督を譲ることに。入知恵をしていた若手は命ばかりは助けてもらい仏門にはいったと。

 満足して小弥太も息をひきとり、源ごだけが残される。十蔵の娘がそばに仕えて。

 友情であるとか義であるとか、そういうものがなかなかうまくまとまったよい仕上がりだった。難をいえば、回想シーンと現在との区別がつきにくい部分が多くて困ったというあたり。子供時代はまだしも、その後においてはあまり見た目の違いなどないうえ、似たようなお家騒動が起きているところだけに、どちらの時期の話なのかがわかりにくいところが。

 4 回目くらいまではその繰り返しによってようやく今の事態が説明されて理解できるというような脚本だけに、いまひとつそのあたりの事情を理解するのが骨だったりもするのだった。

 細かなところをいえばいろいろあるかもしれないけれど、まずまず面白く見られる時代劇だったなと。


4167781018銀漢の賦 (文春文庫)
葉室 麟
文藝春秋 2010-02-10

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