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有機溶剤

 解体予定のオリンパス岡谷事業所の敷地土壌から有害物質が検出されたという記事が新聞に。観測井戸を掘って調査したところでは有害物質検出されなかったとか。六価クロム、鉛、トリクロロエチレン、カドミウムなどが基準を上回る量で検出されたとか。

 トリクロロエチレンは昔仕事で使った。有機溶剤という名前が示すように洗浄用に使われる。超音波だったかの洗浄機でも使われたりするもので、類似の溶剤もいろいろあったかと思う。

 確かに汚れがよく落ちる。仕事あがりの手洗いに使う人もいたものだが、実のところ汚れだけでなく皮膚まで溶かしていく。キムワイプという製品名のふき取りようの紙があって(細かなゴミがでないように作られた特殊な紙(いわゆる紙と同じかどうかはわからないが))、それに溶剤をつけて製品の汚れをとったりもする。このとき指の指紋がどんどん消えて行く。

 トリクレンと呼んでいたけれど(同じものか、はたまた商品名としてのそれかは未確認だけれど)それよりも少し弱いものであっても、指紋はどんどん消えていくのでトリクレンではさらに危険性は高い。素手ではなくゴムの指サックなどを使うのだが、それすらも溶けていってドロドロした感じになってしまい、頻繁に交換が必要にもなる。ひどくなれば皮膚が裂けて血がにじむようにまでなってしまう。

 それでいて揮発性が高いので洗浄機ではたびたび液を補充しなくてはならないし、廃液をドラム缶とかにいれて処理するまでは保管するわけなのだけれど、そのドラム缶の周囲もドロドロした感じになってしまう。ドラム缶そのものまで溶かすというまでではないのだと思うものの、どうしても扱いの中でこぼれてしまったりというのがあったのかもしれない。

 結果としてそれらが次第次第に土壌へと浸透していくというのは十分想定できることで、そう思うとやはり恐ろしい薬剤なのだった。

 電子部品方面であったり光学レンズ研磨の工場があったところでは、どうしても有機溶剤の問題があとあとまで尾を引いてしまう。茅野・諏訪方面などは特に盛んであった土地なので、そうした問題はまだまだ見つかってくるのだろうなと。

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