ついにやってきた、薄皮つぶあんドーナツ
ヤマザキの薄皮つぶあんぱんが発売されたのは、記憶としては 1990 年代後半だったのではないかと思う。正確には違うかもしれないけれど、コンビニエンスストアではじめてみかけて、はじめて買ったのはたぶんそのくらいだったかと思うのだった。
そのときの衝撃というのは「やるなヤマザキ」、という感じだった。アンパンが好きな人にとってなにが不満かといって食べたときや割ったときにアンがスカスカしていることではないかと思うのだった。特に昔のアンパンとかにはよくあったのだけれど 8cm 大くらいのアンパンで中のアンは全体の 4 分の 1 くらいで偏ってひっそりと収まっている。あんぱんとは名ばかりで、大半はただのパンということもよくあることだった。
その後比較的あんたっぷりといったものもでてきた反面値段は少しあがってきた。まあ、それはパン全体的にということかもしれないが。ところが薄皮つぶあんぱんはこれを逆手にとったという感じ。
まず、あんぱんそのものを小さくしてしまった。せいぜい二口くらいで食べきれてしまうような大きさ。よってなかにいれるあんの量もそれまでに比べて少なくてすむ。が、ここでちょっと多めにはいるとそれだけでたっぷり感が醸成される。相対的な量としてはそう多くないのだが、食べたときの印象としてたっぷり感を味わうことができるという見事な作戦。
このため 5 ついり(近年は 3 つ入りとかもあるみたいだが)とはいえ、ついついふたつみっつと食べてしまうという罠が待っている。気がつけば全部食べていたなどという経験がある人も少なくないのではないか。
これは見事な罠だ。
その後、薄皮の名を冠したさまざまなパンが登場した。ジャムパンであったりチョコパンであったり、クリームパンであったり。なかにはほどなく姿を消したものもあるし、いまひとつという感ながらいまも残っているものもある。けれど、やはり一番人気は純粋なつぶあんぱんなのは疑いようのない事実ではないかと想像される。データはないのであくまでも想像。とはいえ、その店頭にしめる割合であったり、多種類にも関わらずまずほとんどの店で売られているなどからもそれはあきらかではなかろうかと。
そしてこのごろついに登場したのが「薄皮つぶあんドーナツ」。あんぱんファンに勝るとも劣らない人気商品(と思う)あんドーナツをシリーズに投入するとは。というか、なぜいままでなかったのだ? つぶあんパンとしての人気は不動のものだし、ゆるぎないのになぜあんドーナツに手を出さなかったのだ。
ということでついつい手をだすと間違いなくおいしい。これは決して「SHIROBAKO」効果ばかりではあるまい。気がつけば全部なくなってしまっている。あんぱん以上に誘われるつぶあんドーナツの引力。つぶあんパンをそのままドーナツにしたかのような味わい。唯一の問題は粉砂糖だ。これがあるからドーナツなのだろうけれど、ぽろぽろと細かな砂糖がこぼれてしまうのでちょっと食べにくい。これはちょっと切ない。このあたりが解決されたらもういうことないのだが。なかなか難しい。
ということでしばらくは薄皮つぶあんドーナツにはまってしまいそうなのだった。まあ、安上がりなことではある。
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