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四千万歩の男よりも古い、琉球国之図

 「琉球の石 地図伝来の謎」とかいう番組をたまたま見た。番組ガイドによれば 1796 年に完成した「琉球国之図」という地図があって、それが実に精巧に測量されたもので正確。伊能忠敬よりも前にこうした測量が行われていたのはなぜなのかといったことを探っていく番組だった。

 沖縄のあちこちに点在して残っている石があって、それが実は測量の基点として使われたものだったらしい。今となってはその意味など分からなくなってしまい、なくなってしまった石もあるらしいが、そこここにいまだ残っているものもあると。嘉手納基地内にも残っているものがあるということで紹介されていたりもした。

 で、そもそもなぜ琉球でそんなに早くから正確な測量が行われていたのか。いろいろ調べていくと 1733 年ころだったかからフランスで国土の詳細な地図を作ることをはじめたのだが、これに関わった人物が中国をへて琉球にまできていたのだとか。

 当時のルイ 14 世は自分の国土の詳細な広さを知りたいとかで、カッシーニをイタリアから招聘して測量を行わせたと。そして次には関心を持っていた中国へと使節を送り、中国でもやはり測量がはじまる。そうなると近隣との関係も詳細に知っておきたいということもあって琉球にまで赴く。

 とはいえ重要な技術だから手取り足取りそれを伝えるということではなかったようで、その技術をなにがなんでも盗みとれとのお達しが琉球ではでると。そうして独自に測量道具を作って測量をはじめたのが 1737 年とか。四人一組でチームを組ませ、そこには役人的なもののほかに農民なども混じっていたとか。優秀なものもいて後に称えられたりもしたらしい。

 そうして詳細な地図が作られ始めたと。残されている記録から測量された現地を探す試みをした教授は、そのうちのひとつを見つけて現場にいくと確かにそこに例の石が存在したとかなかなかワクワクする歴史物語。

 もっとも、測量についてはドラマ仕立てにされていたのだけれど、なんだか中途半端に現代用語がはいってしまったりでちょっと変な感じがしてしまった。基本沖縄言葉を使っているのだけれど「うちなータイム」とか行ってしまうのはご愛嬌くらいに思うものの、うーむと眉をひそめるようなところもあったりして。さらには長さの単位が尺貫法で、当時の琉球でも本当に使われていたのだろうかとちょっと疑問に思ってしまった(本当かもしれないし、それっぽくしただけかもしれないし真偽は不明)。

 とはいえなかなか面白い番組だった。

 [ RBC琉球放送 創立60周年記念特別番組「国仲涼子がたどる 琉球の石~地図伝来の謎~」 ]

4061852663四千万歩の男(一) (講談社文庫)
井上 ひさし
講談社 1992-11-04

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