ブロンテ姉妹
「嵐が丘」とかで知られるブロンテ姉妹のおいたちを描いた映画らしい。というか、恥ずかしながら「嵐が丘」「ジェイン・エア」ブロンテ姉妹それぞれによる作品だったとは知らなかった。なんとなくみんなエミリ・ブロンテ作のような気がしていた。
で、映画なのだけれど、どうにもすっきりしないものだった。貧しい家の生まれで女が小説など書くなどもってのほかという時代背景もあって、文学好きで小説や詩を書くのが大好きだった三姉妹にとっては不遇の時代を生きたと。兄もいたが、これまたフラフラした感じの生き方をした兄で、家庭教師先の奥さんといい仲になってすわ駆け落ちというところまで行ったのに、旦那が亡くなったら遺産を手に入れるほうを選んだということで捨てられてしまったり。
なんとか作品を世に出す術はないものかといろいろ苦労をして、性別不詳な感じで出版してもらい、世間では男なのか女なのかという議論を巻き起こすというような描き方なのだけれど、実のところ描かれているエピソードが実に散漫で、おおざっぱに不遇な生まれということがわかる程度で、なぜそういう生活だったのかであるとか、具体的にどうなってこうなったという過程がほとんど省かれてしまうので、どうにも見ていて分かりにくい。
三人(プラス兄)のすべてを描こうとしているがゆえに誰も詳細に描けていないというところか。妹ふたりは非業の死を遂げてしまうし、もちろんそれは兄もそうなので、残された一人をもっと中心において描いていたらもう少しましになったのではという感じも。
とにかく物語の主軸が定まらないままにいろんなエピソードを断片的にだしているだけなので、いまひとつ伝わるものが少ない。正直、見続けるのが少々苦痛に思えてしまうくらいに。役者さんも当時の名のある人を使っているらしいのだけれど、もったいない感じだ。
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