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リミット90

 どうせ B 級もしくは C 級の映画なのだろうと思いつつ見ていたら案外面白かった。

 銀行強盗などしているとある集団。四人ほどで仕事をしているのだがボスは弟に跡をまかせようと考えている。しかし弟は割りと謙虚なところもあって自分よりも兄貴分の男のほうがふさわしいのじゃないかと言う。ボスである兄は「あいつはなにかとぶっ放すだけだから駄目だ」といったようなことを言う。

 とある現場。銀行強盗にはいるのだけれど、金を集めに行った奥のほうで発砲音がする。警備員がひとりトイレにでもいたらしく、ボスである兄が打たれて死んでいる。それを見に行った兄貴分が警備員を殺して落着はしていたようだが、あとからかけつけた弟が兄の死を前にして思わず覆面をとってしまう。あろうことか防犯カメラにしっかり写る。

 結局仕事は中途半端な感じになってしまう。そこへ銀行の女がやってくる。実は手引きをしたのがこの女で、女は横領のネタを上司につかまれており、その証拠を隠滅したい。ついては上司のオフィスにあるので爆弾かなにかで吹き飛ばしてくれないかと持ちかける。

 いや、爆弾とかはちょっとと。それにあの仕事は一応もう片がついている。と拒否しようとするのだが、防犯カメラの映像を警察に渡してもよいのだがと脅されてしまう。やむなく引き受けることになる。

 爆弾を用意して、三人で目的のビルにやってきて、弟が爆弾のはいったアタッシュケースを持って内部にはいり、清掃員のふりをしてうえに向かう。本当ならばほかの人間とはできるだけ接触したくないのだがたまたま男女それぞれひとりずつと一緒になってしまう。そうして、途中でエレベータが止まってしまう。手元にはすでに時限装置が起動しているアタッシュケースの爆弾。90 分後には爆発してしまう。

 なんとか連絡をつけて事態を回避させようとするのだが、外で待っている仲間(兄貴分)はなにもしようとしない。実はこの兄貴分がエレベータを止めてしまった張本人。詳細はわからないが亡くなったボスの弟を殺してしまいたいと思っているふし。

 一向に事態が進展しないのでエレベータ内では気が気でない。同乗している男が電話してようやく点検にきた業者を見て、兄貴分が様子を見てくると称してビルにはいると業者を殺害。

 一方でエレベータ内ではもう時間がないということで事情を打ち明けてしまい(!)、一番体が小さいこともあって女をエレベータの天井から出してワイヤを伝って上の階に出させることにする。助けを呼ぶために。なんとか外にでてから最上階に向かわせ、エレベータの非常装置を使って少しずつエレベータが移動をはじめるが、それに気づいた兄貴分がそれを阻止しようと向かう。

 わずかに移動したエレベータからなんとか脱出することに成功した男ふたりと爆弾。最上階を目指す。外で待っていたもうひとりの仲間も異常に気づいて後を追うと、件の兄貴分が誰かに殴られるかして倒れている。自分は動けないから代わりに爆弾をとか言われて探すのだが、犯人は女だといわれる。たまたまエレベータから先に脱出していた女が姿を見られていたため。

 そうこうして全員が最上階のオフィスに集まろうかというあたりがクライマックスで。なぜ、兄貴分がボスの弟を殺そうとしていたのかなどなどいろいろ分かってくる。

 ごくごく狭い空間でしか物語が展開しないので緊迫感が十分にあるし、なぜ? というあたりであたりはつくのだが、明確なところがいまひとつだったりしてなかなかに面白い。いや、確かにそれはそうかと思うのだけれど、爆弾というアイテムがうまい具合に作用してくれるためにそうした瑣末なところがおろそかになってしまう効用がある。

 結末へとなだれ込むあたりもうまく伏線が活かされていたりしてなかなかにくい。意外と掘り出し物といった感じの作品なのだった。

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