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2014年現在の主な抗リウマチ薬

 2014 年現在において主要な抗リウマチ薬は、次のようなもの。(バイオ後続品の情報などを追加)

ブシラミン(リマチル)
日本生まれであるのが特徴。効果はやや弱い感もあるが、最初に処方されることも多い様子。

メトトレキサート MTX(リウマトレックス)
最大 8mg/週 を最大 3 回に分けて集中して処方するパルス療法がとられる。 1 回ごとに 12 時間の間隔を空ける。たとえば、月曜の朝、夜、火曜の朝といった具合。欧米並みに 15mg/週くらいまで最大量を増やすべきではないかという意見もある。基本としていきなり処方できないのでリマチル処方後というパターンが多いかも。
葉酸の働きを抑えるので健康食品などの摂取には要注意。

生物学的製剤
エタネルセプト(エンブレル)
TNF-α 阻害薬。炎症のもとのひとつであるサイトカイン TNF-α を阻害して、炎症を抑える。週 2 回の皮下注射。訓練を受けた後に家庭において自己注射が可能。
株式会社陽進堂とルピンリミテッドによるバイオ後続品に関する合弁会社設立契約締結について「最初の品目として関節リウマチ治療剤エンブレル(R)(一般名:エタネルセプト)のバイオ後続品をルピンリミテッドから導入し、本邦での臨床開発・承認取得、上市を目指します」

インフリキシマブ(レミケード)
TNF-α 阻害薬。原則 8 週間に一度の点滴。はじめの 3 回のみ変則で、 2 週間後に 2 回目、その 4 週間後に 3 回目、その後は 8 週間ごとに。点滴時間はおおむね 2 時間。

トシリズマブ(アクテムラ)
2008 年から使用できるようになった IL-6 阻害薬。サイトカインをターゲットとしている点は前二者と同じだが、インターロイキン6( IL-6 )という異なるサイトカインをターゲットとしている。このため、あまり効果がみられなかった患者に対しての有効性が期待される。 4 週間に一度の点滴。時間はおおむね 1 時間程度。

アダリムマブ(ヒュミラ)
2008 年から使用できるようになった TNF-α阻害薬。皮下注射。

アバタセプト(オレンシア)
2010 年から使用できるようになった。これまでのサイトカインを阻害するものとは異なり、 T 細胞の働きを抑えるもの。点滴による投与で、3 回目までは 2 週間間隔。以降は 4 週間間隔。

ゴリムマブ(シンポニー)
2011 年から使用できるようになった。TNF-αモノクローム抗体。4 週間に 1 回の皮下注射。自己注射ではなく院内でということらしい。間隔は点滴薬なみでありながら短時間ですむので負担が少ないというメリットはありそう。

イグラチモド(ケアラムコルベット
免疫グロブリン及び腫瘍壊死因子(TNFα)やインターロイキン(IL)-1β、IL-6等の炎症性サイトカインの産生を抑制する(invitro)。その分子レベルでの作用機序は十分解明されていないが、転写因子NFκBの活性化を阻害する作用の関与が示唆されている。(製品情報概要より引用)
ワルファリンとの併用はできないので服用時には注意が必要。(関節リウマチとケアラムのはなし

セルトリズマブ ペゴル(シムジア
2012/11/29 薬事審議会で承認。「世界初のPEG化抗TNF-α(腫瘍壊死因子α)抗体医薬品」とのこと。 注射器による皮下注射。初回から4週目までは2週間に1回400mg(注射器2本)を投与。6週目以降は2週間に1回200mgを投与。

ゼルヤンツ
通常、1回1錠、1日2回で毎日服用。細胞の中にいくつかある伝達経路のうちのJAK[ジャック]経路を阻害することで、免疫細胞の遊走や炎症性サイトカインの産生を促すシグナルを抑える。グレープフルーツジュースと一緒に服用するとゼルヤンツの作用が強くなることがあるので、一緒に飲まないなど服用に際しての注意点を守ること。

 いずれにおいても炎症を抑え、異常に活発化した免疫を抑制する働きをするため、風邪をはじめとした感染症への罹患に通常以上に注意をする必要がある。少しでもそられの兆候があれば担当の医師に相談し適切な治療をすることが望ましい。

 また、治療にあたっては結核の罹患経験の有無など感染症への対策が十分になされるので、それらに注意すれば決して危険な薬ではない。どのような薬にも副作用はあるもので、それを十分に把握したうえで適切に使用されることがもっとも大切なこと。いたずらに風評に惑わされることはない。

 現在も治験が行われている薬も多数あり、新薬承認のプロセスも優先的に行われているゆえ、数年間隔程度に新薬が使用できる可能性も十分にある。現状の薬が十分な効果をあげなくても、さらなる希望があるということを忘れずに治療に取り組むことが肝要かと。

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