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Simoun (シムーン)

 GYAO! で前後二回にかけて全 26 話だったかを配信していたので、なんとなく見始めてみたのだった。正直なところ物語世界の設定がやや特異でなかなかなじめないところも多かったし、聞いているだけでは最後までその用語の正しい用語(うまく聞き取れないという意味で)であったり、それがなにを意味するのか分からなかったりというのもあった。結局 Wikipedia とかで見て、なるほどそういうことかと理解する部分も。

 で、物語としてはとある惑星のとある国。オーパーツのようななぞのアンモナイトみたいな形状の巨大な装置があって、理屈とかはよくわからないが動力源として活用できるということはわかって、それを列車の動力につかったり、飛行装置として使ったりしている。その飛行装置というか飛行機械というかがシムーンと呼ばれると。ただ、このシムーンに関しては少女のでしか操縦ができない。

 この国では人はみな女として生まれる。少女の時代を経て、選択の年齢になると(この年齢はやや幅があるようでもあるが)自らの性別を決めるべく泉へ赴く。そこで男となるか女のままでいるかを選ぶ。少女時代だけシムーンを操ることができて、ゆえに彼女らは巫女としての役割を持っていると。

 ところで、飛行機械であるシムーンは少女らが操縦(それもふたりで)するのだが、列車はそういうわけではないようで、そのあたりがやや不思議。いや、それはシムーンの練習機に応用されている謎の物体のレプリカのようなものなのかもしれない。実際それら本物の装置を使っていないシムーン練習機であれば少女でなくとも操縦が可能なのだ。

 で、本来彼女らは巫女としてシムーンを操り、特定の航跡を描くことでなにかの効果を発現させることが役目のひとつ。その効果のなかには攻撃に使えるものもあるため、彼女らは巫女でありながら戦闘員でもある。事実、他国にはないシムーンの技術を盗もうとして常に襲撃の危機にある。

 そんな戦闘を繰り返す日々を通じて彼女たちが少しずつ変化していくさまが描かれているということらしい。

 で、前半についてはやや散漫な感じで展開するのもあってちょっと物足りない。後半になると事態は急激に進展しはじめ、他国との同盟関係の樹立かと思いきや失敗したり、敵国に併合されることを余儀なくしたり。シムーンシビュラ(巫女たちの部隊集団)の解体がなされてしまったり。

 結局最高のリマージョン(航跡を描くこと)である翠玉(すいぎょく)のリマージョンというのが、実は過去に自らや周囲のものを送り込むことができる効果を発現するということはわかるのだが、それが延々繰り返されてきた歴史がそれらオーパーツを生んでいるのか? という感じのところまでわかって終わってしまうのは、ちょっと消化不良な感じ。

 どうも、世界観は面白いのだが、どこに物語の主軸をおくかがあいまいになってしまって、どれもこれもあやふやなまま終わってしまったという感じが否めない。群像劇であるということもこれだけ長さがありながら、物足りなさを感じさせてしまう所以かも。もう少し主要人物だけに絞って描いていればまた違ったのかもしれない。

 で、このシムーン。少女ふたりで乗り込み、そのパワーの源(というかキーとなるの)はふたりが交わすキスなのだった。ふたりの息があっていないと正常に操作できないらしい。全般としても百合っぽい枝も描かれていて、全般に百合の空気が漂っている。なんとも不思議な物語なのだった。

 そして、もともとすべての人が女として生まれ、性別を選ぶとはいえ元は女ということもあり、描かれているキャラクターも大人であっても男っぽいものもあるにはあるが、やや中性的なものもあったり、なによりも声優さんがすべて女性なのだった。巫女であるシビュラだけでも相当数なのにほかにも案外登場人物が多くて 20 人くらい女性ばかりということも。これはこれでなかなかない様子ではないかなあと。

 総じて言うとなかなか面白い発想のアニメで興味は覚えたし、事実面白かったと思う。細かなところでなんだか物足りないのも事実ではあるのだけれど。なによりこれがすでに 8 年あまりも前の作品ということで、時代の差をあまり感じないというのもちょっと驚いたところだったり。できれば後日談のような形ででも、もう一度アニメを作ってもらえるともやもやが処理できそうなのだがなあと。


 余談ながら、パライエッタ、リモネ、モリナス、マミーナあたりがキャラクターとしては好きかなあと。

B0040X2WCMEMOTION the Best Simoun(シムーン) DVD-BOX
バンダイビジュアル 2011-01-27

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