ラブ・トライアングル
あまり期待せずに見始めたら、シンプルだけど割りとよい映画だった。弟の一周忌といった感じの集まり。弟の友人や当時の恋人が集まっている。みな、あいつは本当にいいやつだった、最高だったよ、みたいに言って懐かしむ。ところが同席している兄はあまり面白くない。というか、未だに弟の死を乗り越えられずにいるというのが本音らしい。そんなお世辞ばかり言うな、君たちは本当の弟を知らないんだよ。俺のほうが付き合いは長いんだから、などといって顰蹙を買う。
かつての弟の恋人で素直に友人としてのつきあいもある彼女はそんな兄を心配する。少し静かなところでゆっくりしたほうがよいのじゃなくて。ということで、今は亡き自分の両親の家でゆっくりしたらどうかとすすめる。自転車で走っていけばいいじゃないと。
ということでどうやら冬らしいのだが自転車に乗ってフェリーに乗ってはるばる彼女の両親が住んでいたいたらしい家にたどりつく。と、なぜか中には女性の姿。彼女の姉が帰ってきていたのだった。話をして酒を飲んで、でついつい一緒にベッドに。彼女はレズビアンなのだけれど。
翌朝、あろうことか妹のほう(つまり弟の恋人で友人でもある)がやってくる。昨夜のことは内緒にしようとおとぼけが始まる。三人でしばらく過ごし始めるが、奇妙な空気が流れてしまったり。姉は最近恋人(女性)と分かれたところで傷心を癒しにきていた。が、本心を言うと実は好きな相手は女性だが、そろそろ子供は欲しい。誰か相手になってくれる男性がいればとは思っていると。つまり男はそういう目的の相手として、手っ取り早く選ばれたということだった。
だましたのか? という話でもあり、姉と寝たの? という話でもあり、あなたは妹が好きなの? という話でもあり、そうしておそらくは二日くらいなのだろうけれど三角関係の不思議な生活はおかしくなってしまう。男は家を出て自転車でさまようが、いつしか自転車が壊れてしまい、やるせない思いを自転車にぶつけていよいよ自転車は使えなくなる。(チェーンが外れたくらいなのだから直せばいいじゃないかと思うのだが)
さて、そうしてその三人納まるべき先は。まあ、いかにもそうだよねという納め方に落ち着くわけだけれど。まあ、人生そういうものかもな、などと納得してしまう。ごくごくシンプルなのだけれど、案外見た後にすっきりと穏やかになれるそんな映画かなと。
原題は「Your Sister's Sister」。
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