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サード・パーソン

 なにやら DVD 発売前の限定ということで一週間だったか配信されていたので見た。面白かったのだけれど、やはり分かりにくさは否めなくていまひとつよい印象が残らずに終わったというのが素直なところ。分かりやすければよいというわけではもちろんないけれど、狙いすぎて演出してもそのすべてが見るものに伝わるとは限らないし、それこそが重要なポイントであるにも関わらず、それが理解されないような作りというのはやはり失敗といえるのではなかろうかと。

 パリのホテルにこもって小説を書いている中年というよりはそろそろ老年にはいったという感の男性作家。若く美しい作家志望の女性が自分の原稿を持ってやってくる。どちらかというとふたりは仕事よりはプライベートの間柄らしいとわかる。作家の男には分かれた(?)妻がいるようで、ふたりの間には子供がいたようだが事故で亡くなっているかのように見える。

 ふたりがいるらしきホテルでハウスキーパーとして働く女性。過去にわが子を殺しそうになったらしく親権を奪われ、子供は夫とその交際相手(?)もしくは現在の妻? と同居しているが、ほとんどふたりで会うことができない。なにやら親権争いなのかなにかの調停で出頭する用事があるようなのだが、貧しいためもあって仕事の忙しさや金のなさで遅れてしまうことばかり。そのたびに駄目な人間なのだと判断されていってしまう。

 高級ブランドのスーツデザインを盗んで安く売るという商売の男。イタリアでデザインを入手してホッとしてバーにはいる。そこでたまたま見かけたセクシーな女性に関心を持っているうちにいろいろ巻き込まれてしまう。女性は子供が誰かに誘拐だかされてその身代金を用意していくところらしい。

 そんなこんなの三組の関係が順繰りに描かれていって、どうやら親権争いの女性のためにいろいろ手を貸している女性はスーツの男の別れた妻らしいと終盤分かってくる。親権争いの女性が調停だかの場所に遅れたのは、そもそも場所が変更になったと連絡をもらったのだが、そのメモを男性作家の部屋を掃除しているときに電話を受けており、たまたまそこでメモしたものの、あわてていてメモを忘れてきてしまったため。そのメモは作家志望の女性によって持ち去られてしまい、彼女の部屋を掃除にいった終盤にそれを見つけるのだった。

 と、なにやらぜんぶ関係しているのだなと思わせながら、最後にはその親権争いの夫の姿が画面からふっと消える。イタリアでセクシーな女性と車に乗って移動していたスーツ男は車もろともふっと消える。街中で電話していた作家の男の周囲に相手の女性がやってきてやがてなにかを見て走り去る。それを追いかけていたはずが、いつしかそれはイタリアのセクシー女性になり、ハウスキーパーの女性になり。

 つまり、どうやら作家の男性と元妻あたりは現実なのだが、ほかはすべて作家の作り出した幻想というか作品のなかのことなのだということらしい。作家志望の若い女性が現実なのかどうかはちょっとわからない。ハウスキーパーの女性のいたホテルはパリではなくニューヨークだという話もあるようだが、そんなテロップのようなものはなにもなかったように思うのだが?

 という具合にどうも不十分すぎる。おもしろい試みとは思うものの、その意図が的確に描かれていないのではなかろうかと。わからないままでも十分な作品というのもあるわけで、一概にそこに文句をつけるつもりはないのだけれど、この作品に関してはちょっと不十分すぎないかという感じ。もう少し観客視線というものが欲しかったかなあと。

B00NLW6M9Mサード・パーソン [DVD]
Happinet(SB)(D) 2015-01-06

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