開票無用
夜 7 時。ニュースで知事選のことなどやっている。まだ開票ははじまっていないけれど、当方の調査で当選確実と。当該候補者の事務所ではその報を受けてかすでに万歳三唱などしているし、「当選おめでとう」のくす球を割ったりしている。まだ開票されていないのに。
近頃の選挙ではもうすっかりおなじみになってしまったので違和感すらわかないかもしれないけれど、なんだかやはり奇妙だ。謙虚さがない。なんのために選挙をしているのだろう。投票しているのだろう。もはや、開票作業を行う必要がないではないか。手当てが出るとはいえ誰も好き好んで日曜を一日つぶして選挙運営で終わるなんてしたくもないであろうに。にもかかわらず開票がはじまる前に結果がでたとばかりにメディアも候補も浮かれまくる。なにかおかしい。
本当にきちんとした候補だったら「まだ開票結果はでていませんから、あくまでも結果を待ちます」といってじっと待つというのが正しい行いなのではないのかなあ、などと思うのはもう時代錯誤なのかしら。
それでよいならもう開票などする必要がなくなるし、そもそも投票という行為そのものも不要になってしまうのかもしれず、アンケートだけとって決定でいいじゃないかというレベルになるのはそう遠くないのじゃないか。などとうらめしく思ってしまうのは違うだろうか。
そのうちに立候補したとたんに当確がでる時代になるんじゃないか。いや、現実的にはそれに近い情勢であるといえるのかもしれず。ますます選挙という制度が意味をなさなくなってきているような気がしてしまう。公職選挙法で規制すべきは選挙速報なんじゃないかとすら。
こんなことしているからますます投票率がさがるのではないのかなあ。
と、おぼろげに思ってしまうのだった。
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